『黒毛和牛上塩タン焼680円』に込められた恋と焼肉のWミーニングとは?──食と愛の考察

エンタメ
この記事は約3分で読めます。

【イントロ:値段がまず気になる】

リリースされたのは2005年、大塚愛による一風変わったラブソングだ。曲名と歌詞とのギャップ、そして“680円”という値付けの妙。

ブクブー
ブクブー

「680円って…それ、本当に黒毛和牛!?ブー?」

令和の今、黒毛和牛の上塩タン焼きが仮に680円で提供されていたら、かなり衝撃的だ。実際に飲食店の価格帯を調べてみると、黒毛和牛の上タンは平均1,500円〜2,500円。680円での提供は、ランチセットやキャンペーン価格でも難しい。

つまりこの「680円」という数字は、現実的な価格帯ではなく、“安くてうまい愛”の象徴的メタファーと捉えるべきかもしれない。


【1】歌詞に見る「肉の擬人化」──恋愛×焼肉のW構造

歌詞全体は、まるで一人の女性が恋人に向かって語りかけるようなラブソング。だが同時に、“焼肉として焼かれる肉”の視点から語られているという解釈が可能だ。

ずぅーっと会いたくて待ってたの
あみの上に優しく寝かせて

この冒頭から、既に「網の上=焼肉の鉄板」であることを示唆。自分が“肉”であるという視点を持ちながら、まるでそれが“恋愛関係の比喩”として昇華されていく。

あなたにほてらされて
あたしは濡れて熟されてく

この表現は、明らかに官能的な響きを持ちつつ、焼かれて脂が滴る肉の情景とも取れる。

ブクブー
ブクブー

「恋愛感情と焼肉、どっちの歌なのか混乱するブー」


【2】なぜ“黒毛和牛”なのか──ブランドと価値の暗喩

黒毛和牛は、日本が誇る高級食材。「上塩タン焼き」という部位指定までされたこの曲名は、“特別な存在”としての自己評価が込められている可能性がある。

それでいて680円という“庶民価格”。このギャップが、聴き手の興味を一気に惹きつける。

つまりこのタイトルだけで、「私は上質だけど、あなたにだけは身近でありたい」というアンビバレンスなメッセージを帯びているのだ。


【3】「愛の遊戯」──遊び心とストレートな情熱

サビの最後に出てくるこのフレーズ:

刻まれてく 愛の遊戯…お味はいかが?

“遊戯”という単語は、どこか官能的で、かつポップな軽やかさも感じさせる。この曲が持つユーモアとエロティシズムのバランスを、「焼肉」という舞台で見事に表現している一節だ。

ブクブー
ブクブー

「“愛の遊戯”って、ちょっと刺激強いけど…やっぱりジューシーなんだブー」


【4】この歌詞と680円──どう解釈するか?

歌詞の中で「680円」という数字は直接的に登場しない。それでもタイトルに堂々と掲げられているということは、“恋愛の価値”をいかにラッピングするかがこの曲のテーマであるとも言える。

「黒毛和牛」というハイブランドと、「680円」という身近さ。「深く愛して」と歌う一方で、あくまで軽やかなユーモアで包み込む。この絶妙な塩梅が、この楽曲を唯一無二のものにしている。


【5】20年後の今、どう聴くか?

リリースから20年──現代の焼肉価格とは大きく乖離している(当時からも…だろうが…)「680円」だが、この数字はあくまで“比喩”。今改めて聴いてみると、「相手に美味しく食べてもらいたいほど愛している」という、ある意味で究極の献身がテーマにも感じられる。

ブクブー
ブクブー

「相手に“食べられたい”って、究極のラブじゃないブー?」


【まとめ】

『黒毛和牛上塩タン焼680円』は、ただの奇抜なタイトルのラブソングではない。

  • 食と恋の二重構造
  • ブランド価値と庶民感覚のギャップ
  • 肉としての擬人化表現と官能性

これらをユーモアとポップさで包み込んだ、まさに“大塚愛ワールド”の真骨頂とも言える作品である。

20年経った今でも語られる理由は、このユニークな比喩構造と、思わず笑ってしまう歌詞世界。そして、その裏にある切実な愛の表現が、多くのリスナーの記憶に残り続けているからだ。

ブクブー
ブクブー

「恋と焼肉は、焦がしすぎないのがコツなんだブー!」

コメント

タイトルとURLをコピーしました