「カニカマ」と言えば、赤と白の断面でおなじみの“カニっぽいのにカニじゃない”食品。
しかし、いざ商品名を見渡すと、
「サラダスティック」「マリーン」「サラダアラスカ」「ピュアふぶき」…
など、「これ本当にカニカマ?」と言いたくなる
フワッとしたネーミングが多い。
いったいなぜ、カニカマは“それっぽくない名前”が並ぶのか?
背景にある業界事情・商品戦略・消費者心理に迫ってみよう。
■ 「カニ」と名乗れない?──商標と法的事情
まず大前提として、
カニカマは「カニ風味かまぼこ」であり、当然本物のカニはほとんど入っていない。
そのため、
「カニ」の名称を直接商品名に入れづらい
という商標・表示上の制約がある。
消費者庁のガイドラインでも、
「誤認を招く名称は不可」というルールがあり、
「カニ◯◯」「ズワイ◯◯」などのネーミングは慎重にならざるを得ない。
結果:直接的な名前は避ける傾向に
この事情が、
「サラダスティック」「マリーン」「ピュアふぶき」といった
直接“カニ”を連想させない名前の氾濫に繋がっているのだ。
■ 「サラダ」「アラスカ」…フワッとした名の戦略
「サラダ」「マリーン」「アラスカ」…。
この辺りの“海感”“涼感”“洋風感”の漂う単語は、
「なんかヘルシー」「ちょっと上品」
というイメージ戦略に基づいている。
特に「サラダスティック」などは
「カニカマ=サラダに入れるもの」
という定番化を狙ったネーミング。
「アラスカ」「マリーン」は海や北の国の清涼さ・豊かさを想起させ、
「ピュアふぶき」は純白の雪や吹雪の透明感・上品さを感じさせる。
実態は練り物でも、
「なんか上質っぽい」と思わせるネーミングマジックなのだ。
■ カニじゃない“自由さ”が名前に現れる
カニカマは「カニではない」からこそ、
逆に名前は自由で良いという空気がある。
- カニの代替だから「カニ◯◯」では売れない
- でも「かまぼこ」では弱い
- ならば「ふんわり感」「海っぽさ」「爽やかさ」で勝負しよう!
そうして名付けられたのが「サラダアラスカ」「ピュアふぶき」などなのだ。
ちなみに、海外では「Imitation Crab(模造カニ)」などと呼ばれることも多く、
日本独自のネーミング文化と言える。
■ まとめ:カニカマの名前がフワッとしているのは…
- 直接「カニ」と名乗れない法的事情
- ヘルシー・上品・海洋感のイメージ戦略
- 「カニじゃない」からこそ名付け自由な文化
これらが組み合わさり、
結果的に「どこかフワッとした名前ばかり」になっていったのだ。
次にスーパーでカニカマ売り場を眺めたら、
ぜひ「どこがどうフワッとしてるのか」注目してみてほしい。

「ふぶきって言われると急に高級そうに感じるブー!」
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