九州発・コスモス薬品じわじわ関東へ──その魅力とは?

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関東圏に住む人が最近ふと気づくことがある。「あれ?あの“コスモス”って、うちの近所にもできてない?」

そう、九州では絶大な人気を誇るディスカウントドラッグストア「コスモス」が、ここ数年じわじわと東へ進出し始めている。

しかしこのコスモス、いざ入ってみると

ブクブー
ブクブー

「え、キャッシュレス使えないの!?」「え、思ったより地味…でも何か安い!?」

──そう、いわば“ちょっと不思議”なドラッグストアなのである。

なぜこのスタイルが、多くの人に受け入れられ始めているのか?今回はその仕組みと戦略を、NEWS OFF的視点から読み解いていく。


【1】キャッシュレス“非対応”の衝撃と、価格への真剣さ

まず驚くべきは、全店・基本は現金決済オンリーというポリシー。

最近では100円ショップやコンビニですらキャッシュレス対応が当たり前になりつつある中、コスモスはあえて「現金主義」を貫いている。

その理由は明快。

「キャッシュレス決済手数料がかかるから。その分、価格に転嫁したくない」 という、まっすぐな原価志向だ。

実際、店内には大きな貼り紙でそのスタンスが説明されており、「ご理解とご協力を」というよりは、“納得と共感”を狙っているのが分かる。

なお、レジ袋は1枚3円で販売されているが、ここも「必要な人だけが買う」スタンスだ。


【2】全品“税込価格”の潔さ、そこに潜む“優位性”

もうひとつ特徴的なのが、

「全品・税込表示」であること。

これにより、

  • 買い物中に計算しやすい
  • レジで「えっ思ったより高い!?」とならない
  • 価格の信頼感が増す

さらに大きなポイントとして、

コスモスが「税込98円」と表示している商品を、他店では「税抜98円=税込105円」で売っているケースが多いという事実がある。

つまり、

「同じような表示価格でも、実際にはコスモスの方が安い」 というカラクリが、ユーザーの選択を後押ししているのだ。

結果的に、

「同じ値段ならコスモスで買おうかな」 という意識が自然と根付いていく。

【3】演出は控えめ。でも、ちゃんと“伝わる”工夫

「店内放送が静か」「チラシをあまり見かけない」と言われることもあるが、実際には放送もチラシもある。

ただし、

  • 店内放送は穏やかで耳障りが少ない
  • チラシも情報を“押しすぎない”構成

つまり「うるさくない」「ごちゃごちゃしない」ことで、

“選ばせてくれる売り場”になっているのだ。

さらにPOPも最低限に絞られているため、

  • 目に飛び込んでくる広告は少ない
  • でも、シレッと激安商品が置かれている

時には、これ(安いのに…)もっとアピールした方が売れるんじゃ?なんて思うことも…

この「知る人ぞ知る」感も、ファンを生む大きな要素だ。

そして密かに注目なのが、

プライベートブランド(PB)「ON365」にラインナップされている“めんたい味スナック”

関東では少し変化球に感じるこのチョイスが、

「あっ、やっぱりこの店、九州なんだ…」 と感じさせる妙な郷愁を誘ってくれるのだ。

【4】なぜ九州から?そしてなぜ今、関東へ?

コスモス薬品はもともと福岡県発祥。九州を中心に西日本で支持を拡大し、2023年時点で1000店舗超という圧倒的出店数を誇る。

しかし、急激な拡大ではなく、

“価格主義”と“店舗環境”を崩さないまま、静かに東進しているのが特徴だ。

関東ではまだ馴染みのないスタイルだが、「この違和感がむしろ面白い」と感じる層も着実に増えている。


【5】“OFF的視点”で見る:現金主義・控えめな売り場は“信頼設計”?

NEWS OFFとして注目したいのは、

“便利さの加速”に逆らうことが、実は“信頼”や“安心感”を生むこともあるという点だ。

現金払い。税込価格。装飾控えめな売り場。

それは、

「買い物=物を得ること」ではなく、 「買い物=迷わず、気持ちよく、必要なものだけを手に入れる」 という、どこか“懐かしい正しさ”の再提示にも見える。

【まとめ】

  • 九州発「コスモス」が静かに関東へ進出中
  • キャッシュレスなし・控えめPOP・静かな売場の逆張り戦略
  • でもそのぶん、価格と体験に“誠実さ”がある

誰もがどこかで“気持ちよく買い物したい”と思っている。その気持ちに、派手な広告じゃなく、地に足ついた価格と構造で応える店舗

そんな“ちょっと異質な信頼”が、コスモスの魅力なのかもしれない。

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