なぜZOZOTOWNのダンボールは黒く塗られてる?──ブランドと環境、その裏にある選択

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ZOZOTOWNで買い物をしたことのある人なら、一度は驚いた経験があるだろう。

「箱、真っ黒なんだけど…?」

一般的な宅配の段ボールといえば、クラフト紙色(いわゆる茶色)が定番。ところがZOZOの梱包箱は、マットな黒色で塗りつぶされている

まるで何かのプレミアムなパッケージのようにも見えるが──果たしてこれには、どんな意味があるのか。コストは? 環境への影響は? そしてなぜそこまでして黒く?

今回はこの“黒ダンボール”の謎を読み解いてみよう。


【1】なぜ黒いのか?──Z世代マーケティングとブランド価値

まず最初に言えるのは、黒ダンボールは明確なブランド戦略の一環であるということ。

ZOZOはファッションを中心としたECサイト。ユーザーは“届いた商品”だけでなく、“届き方”にも敏感だ。

黒い箱=一目で「ZOZOから届いた」とわかる

というブランド想起力を高める効果がある。

ブクブー
ブクブー

「箱がファッションの一部になってるブー!」

実際、SNSでは「ZOZOから届いた!」という投稿に、黒い箱が“アイコン”のように登場している。


【2】塗ってるの? 紙自体が黒?──コスト構造の実態

気になるのは、この黒色がどのように表現されているかだ。

調査の結果、ZOZOの箱は基本的に、

クラフト紙に黒インクで全面印刷された仕様
であることがわかった。
株式会社ZOZOのサイトより引用。裏面がクラフト紙本来の茶色だ。

つまり、茶色の紙を黒インクで塗りつぶしている。

ただし、最新の仕様では、

ZOZOTOWNの白ロゴ部分に白インクを使うのをやめ、 段ボール本来の茶色を“白の代替”として活用している とのこと。
株式会社ZOZOのサイトより引用。

これにより、印刷工程の簡略化・コスト削減・環境負荷軽減を図っている。

※これは、あくまで白い文字の印刷の工程がなくなることで、その分の印刷にかかっていた機械動力が減り、CO2排出量削減につながるということのようだ。

ブクブー
ブクブー

「黒×茶色のコンビが、逆にオシャレに見えるブー!」


【3】インクコストは“高い”のか?

全面黒印刷は、一般的な企業が避けたがる仕様。

なぜなら、

印刷コストが2〜3倍に跳ね上がる 傾向があるためだ。

特に黒色は“濃度”が求められるため、

CMYK全色を使って沈み込むような黒に仕上げる(リッチブラック)という処理がされている可能性も。(憶測)
ブクブー
ブクブー

「そんな高級インクで段ボール塗るなんて…着せ替えみたいブー!」

「ファッションサイトだけに。なんつってブー!」

この点から見ても、 ZOZOはコストをかけてでも“黒箱”にこだわっていると言える。


【4】環境への影響は?──リサイクル問題

環境面で見ると、黒い段ボールにはいくつかの懸念がある。

1. 印刷された面が多いと、古紙回収で等級が下がる
2. インクの成分によっては再生紙に混ぜにくい
3. 焼却時に有害物質が発生するリスクも

特に黒インクは炭素系顔料を多く含むため、

“燃やすごみ”として処理されるケースが増える のも現実だ。
ブクブー
ブクブー

「え、じゃあ…おしゃれだけど、ちょっとエコじゃないブー…?」

その通り。 つまり、環境対策とはトレードオフの側面もある。

※先述で触れたように白インクの使用をやめても、である。


【5】それでも“黒”にする理由

それでもZOZOがこの仕様を貫いているのは、

ブランドとして“特別な体験”をユーザーに届けるため に他ならない。

段ボールは、最初にユーザーが手に取る“接点”。 その体験が“オシャレ・洗練・非日常”であることで、 ZOZOの価値が潜在的に高まる。

「商品じゃなく、届き方に価値をつけている」

とも言える。

ブクブー
ブクブー

「箱が届いただけで、“気分アガる”ってことブーね〜♪」


【6】今後の展望──“黒”とエコの共存は可能か?

今後、課題となるのは環境対応だ。

  • 黒色の再生紙技術の発展
  • 水性インクの導入
  • リサイクルしやすい染色段ボールの開発

こうした動きがあれば、 “ブランディング”と“環境配慮”の両立も見えてくるかもしれない。


【まとめ】

ZOZOTOWNの黒い段ボールは、

  • ブランド価値を高めるマーケティング戦略
  • 高コスト・環境リスクとのせめぎ合い
  • ユーザー体験を最大化する“届き方デザイン” として機能している。

NEWS OFF的に言えば、

「箱の色ひとつに、企業の哲学が宿る」

ということ。

この黒い箱は、ただの梱包資材ではない。 それは、企業が“あなたにどう見られたいか”を語る無言のスピーチなのだ。

そして、黒インクで塗られた箱の裏には、

「消費者の目に映る“特別さ”と、地球の裏側で積もるインク」 が同時に存在していることを、私たちは少しだけ意識してもいいかもしれない。
ブクブー
ブクブー

「でもやっぱり届いたらワクワクするブー!…それが悩ましいんだブー!」

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