フグといえば「猛毒」の代名詞。
とりわけ、フグの卵巣は最強レベルの危険部位として知られています。

「そこ食べたらイチコロだブー…!怖すぎるブー!」
実際、その毒「テトロドトキシン」の破壊力は、トラフグ1匹で大人30人分の致死量を持つと言われるほど。
そんな“命知らずな部位”が、実は金沢の土産物屋で普通に売られている──という事実、ご存じでしたか?
その名も【フグの卵巣糠漬け】。
いったい、どうやって“猛毒を消してしまう”のか?その秘密に迫ります。
【危険なのに安全?フグ卵巣の不思議な糠漬け】
毒のある卵巣を、なぜ堂々と売れるのか──
その理由は、日本古来の発酵食品文化にあります。
フグの卵巣は、こうして無毒化されます。
- 30%以上の塩で1年間しっかり塩漬け
- 2〜3ヶ月ごとに塩を交換、徹底管理
- その後、糠(ぬか)に漬けてさらに2年以上熟成
糠床には、日本人口を超えるレベルの微生物がひしめいており、
その働きで、猛毒テトロドトキシンは徹底的に分解されるのです。
結果、過去にこの糠漬けで中毒を起こした例はゼロ。
「伝統×発酵科学」が、究極の“無毒化”を成し遂げているのです。
【なぜ金沢なのか?“能登の発酵文化”がカギ】
フグといえば下関や九州が有名ですが、
この卵巣糠漬けは石川県・能登地方が発祥・中心地。
金沢で見かけるのは、能登の伝統食品が観光土産として流通している構図です。

「なるほどだブー!フグの毒と闘った結果、能登だけの伝説珍味が生まれたんだブー!」
【味とスリルの“ギリギリ珍味”】
長期間の熟成を経た卵巣の糠漬けは、こう表現されます。
そして何より…
「これ…本当に大丈夫…?」という、スリル。
分かっていても、どこかドキドキしながら口にする──そこも含めての“美味しさ”なのです。

「いや…おいらは命が惜しいから見てるだけだブー…でも…ちょっとだけ興味あるブー…!」
【まとめ】伝統がつくる“美味と安全”のギリギリ
フグの卵巣糠漬けは、石川県・金沢が誇る「危険と美味の狭間」を楽しむ発酵文化の極み。
古来の知恵と技術が、猛毒すら旨味に変える──
ただし、これを自宅でマネするのは絶対NG。
厳密な製造管理と長期発酵が前提であり、家庭レベルでは絶対に安全は確保できません。
あくまで、伝統のプロの手があってこその逸品。
機会があれば、金沢で“スリルの珍味”を味わってみては?
そこには、食と科学が織りなす日本文化の奥深さが広がっています。
コメント