7月6日、フジテレビが放送した特別番組『検証 フジテレビ問題~反省と再生・改革~』。
元タレント・中居正広氏の性加害トラブルをめぐる企業対応と、揺らぐ“フジの企業風土”をテーマに掲げたこの番組は、冒頭から社長の謝罪、生々しい証言、そして内情暴露が次々に飛び出す内容となった。
だが、その放送直後から、SNSやネット上では「言い訳番組」「スポンサー向けのアピール」といった厳しい声が噴出。
いったい何が起きたのか、今回の放送内容をもとに、NEWS OFF独自の視点でその構造と本質を紐解いていく。
【第1章】冒頭2分の謝罪、問われる“本気度”
番組冒頭、フジテレビ・清水賢治社長はカメラの前に立ち、2分間にわたって謝罪の言葉を述べた。
「元社員であるアナウンサーAさんへの人権侵害事案について、必要な対応ができなかったこと、対外発信で精神的苦痛を与えたことを、深くお詫び申し上げます」
だがこの“お詫び”を聞いて、ネットユーザーの反応は冷ややかだった。
「形だけ」「結局自社の都合が透けて見える」──SNSにはそんな投稿が相次いだ。
そもそもフジテレビは、これまでの会見や報道対応において、
・対象メディアの限定
・幹部の“逃げ”姿勢
といった問題が重ねて指摘されてきた。
今回の謝罪はその延長線上で、「再生」ではなく「延命策」に映った人も少なくなかったのだ。
【第2章】“絶句”の佐々木アナ…女子アナ降板という残酷な現実
さらに番組中盤では、アナウンス室部長・佐々木恭子アナの証言が放送された。
2023年6月、中居氏のトラブル発生直後から、佐々木アナは被害女性Aアナの窓口役を一手に引き受けていたという。
とりわけ印象的だったのは、降板通告の場面だ。
「降板をお願いしてるんですよね…。望みをプツン、プツンと切っていくようなことをやらなくてはいけないのは、本当に…」
佐々木アナは言葉を詰まらせ、絶句した。
Aアナは復帰を目指していたが、体調不良とフジ側の判断により「レギュラー1つを残して他は降板」が決定。その役割を担わされた佐々木アナも、また板挟みの中で苦しんだ存在だった。
「女子アナが“商品”として消費され、問題が起きれば切られる」──そんなフジテレビの構造が、このエピソードから透けて見える。

「“望みをプツンプツン”…切られたのは夢だけじゃないブー。フジの信頼もプツンプツンだったブー」
【第3章】上質なキャバ嬢発言──企業風土の“本音”が漏れた瞬間
番組で最も大きな衝撃を与えたのが、「女性アナウンサーは上質なキャバ嬢」という大多亮元専務の問題発言だ。
女性社員による内部証言としてこの発言が紹介され、大多氏本人もインタビューで問われた。
「言葉の選び方が悪いと思うんですね、私の。でもそんなふうに本当に思ってないですし…」
記憶はないとしつつ、否定もしきれない苦しい弁明。
だが、長年続いてきた「女性アナをホステス的に扱う文化」が、単なる失言以上の“根深さ”を感じさせる場面だった。
港浩一元社長による若手女性社員“囲い込み”会合、見た目重視の選抜、タレントへの接待構造…。
企業風土そのものが、トラブルの温床となってきた実態が浮き彫りになった。
【第4章】“フジのドン”日枝久、最後まで沈黙
また、今回の番組では、フジテレビの権力構造を語る上で欠かせない人物、日枝久元取締役相談役についても触れられた。
日枝氏は40年以上フジの人事・編成を握ってきた“フジのドン”とされるが、3回の取材依頼にも応じず、沈黙を貫いた。
元側近の遠藤龍之介元副会長は、過去のやり取りを暴露。
「企業を私物化してはいけないと言いながら、自分の所有物のように考えていた」
という証言が、番組内で流された。
しかし、なぜ自宅直撃など“メディア本来の追求”を自社にはしなかったのか。
視聴者の間では「取材ごっこ」「身内には甘い」という批判が止まなかったのも事実だ。
【第5章】SNSに渦巻く不信と冷笑
番組放送直後、SNSでは以下のような声が飛び交った。
「言い訳番組」
「スポンサー向けのポーズ」
「結局、責任を中居氏一人に押しつけてる」
「“再生”どころか“現状維持”」
さらに視聴率はわずか2.0%(関東地区)。
広報的な番組作りが、視聴者の心には響かなかった結果が数字にも表れた。
【まとめ】“反省と再生”は看板倒れか、それとも…
フジテレビが掲げた「反省と再生」は、いまだ道半ば──どころか、その本気度すら問われ続けている。
企業体質、接待文化、女子アナ軽視、人権意識の欠如。
この問題は中居氏一人のトラブルではなく、フジ全体が長年培ってきた風土そのものが問われている。
今後、フジテレビがどこまで本質的な改革に踏み込めるのか。
それとも、形だけの“お詫び”と“自浄アピール”で乗り切ろうとするのか。
視聴者も、スポンサーも、社会も、決してその目を逸らさないだろう。

「“再生”って、口で言うほど簡単じゃないブー。でも、本当に変わるなら…またテレビを信じたいブー!」
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