何気ないひと言が、生放送の空気を凍らせた。
2025年7月8日、フジテレビ『ぽかぽか』のエンディング。
ゲスト・松本明子が思わず放った「今年の年末年始、マッチさんの舞台やりまーす!」のひと言──
松居直美の驚愕の表情。MC陣の慌てたフォロー。
そのまま番組は幕を閉じたが、SNSには「やばすぎ」「明子さん、また伝説作った」の声が飛び交った。
だが、視聴者の記憶がふと呼び起こしたのは、
今から41年前──松本明子が放送禁止用語を“叫んだ”あの深夜。
あれもまた「生放送」という名の“非日常空間”で起きた出来事だった。
この記事では、「ぽかぽか事件」と「1984年オールナイト事件」を重ね合わせ、
松本明子という“生放送の化身”が背負ってきた宿命と、その“愛されキャラ”の本質に迫る。
【第1章】ぽかぽかスタジオ凍結──「言っちゃいけないやつ?」
「ふたりで出まーす!」──その瞬間、時が止まった。
2025年7月8日放送の『ぽかぽか』終盤、
ゲストとして登場していた松本明子と松居直美のコンビに、
MCの澤部が「いかがでしたか?」と何気なく振ったのがきっかけだった。
松本はにこやかに、そしてあまりにも自然にこう言ってしまった。
「めちゃめちゃ楽しかったです。今年の年末年始、マッチさんの舞台やりまーす!」
直後、隣にいた松居の表情はフリーズ。
さらに松本は追い打ちをかけるように──
「ふたりで出まーす!」
観覧席からもスタッフからも「えっ!?」「ちょっと待って…」の空気が。
MC岩井が「知らなかったの?」と聞くと松居は無言でうなずき、
澤部が「言っちゃダメなやつ?」と察して声を落とす。
松居はその場にしゃがみこみ、両手で顔を覆ってしまった。
スタジオの緊張感は、まるで何かを「踏んでしまった」時のような沈黙。
そして、何事もなかったかのように「ぽかぽか〜」の掛け声で番組は終了した。
【第2章】“やらかし伝説”の原点──あの夜、あの4文字
この“ぽかぽか事件”に、ある種の既視感を覚えた人は少なくない。
──1984年3月31日、あの「生放送の夜」。
当時まだ18歳だった松本明子は、
フジテレビとニッポン放送のサイマル放送番組『オールナイトフジ×鶴光のANN』に出演。
深夜のテンション、若手タレントのノリ、そして…DJ・笑福亭鶴光による悪ノリ誘導。
鶴光「4文字の言葉、言ってみぃ!」
松本「◯◯◯◯ー!!」(※実際には放送禁止用語)
──スタジオは爆笑。しかし翌日、全国紙に掲載され、大問題へと発展。
松本は半年間の謹慎処分を受け、以後「問題児」イメージが付くことになる。
【第3章】“空気がズレる瞬間”──なぜ明子だけが“やらかす”のか
松本明子の“うっかり”は、なぜこうも大きくなるのか?
これには、いくつかの要素が絡んでいる。
松本は礼儀正しく、真面目な一面を持ちつつも、
サービス精神旺盛で「求められたら応える」タイプ。
→ 結果、“放送向きでない情報”までも勢いで言ってしまうリスクが高い。
生放送特有の「ハイ状態」で口が滑ることは、芸能界では珍しくない。
松本は特に、昔から「本番に強い」「アドリブ型」の典型であり、
気持ちが乗りすぎて“本音”や“未確定情報”をポロッと言ってしまいやすい傾向にある。
若手であればマネージャーや事務所が事前に注意するが、
ベテランになると「自己判断に任せる」ケースも増える。
その結果、松本のような“陽キャベテラン”ほど、事故が起きやすい。
【第4章】時代が変わっても“明子は明子”──ある種の安心感
だがSNSでは、今回の“やっちゃった”事件も含め、
「やっぱ明子さんはこうでなきゃ」という声も多かった。
「伝説、再び」「この人、何十年も変わらない」
「オールナイト以来のやらかし」
「松居さんとのコンビも最高だった」
「これで舞台に注目集まったんじゃ?」
つまり、愛されているのである。
やらかしすら“コンテンツ”にしてしまう松本明子。
40年前に放送禁止用語で炎上した彼女が、
2025年にも「生放送」で再びバズる。
時代が移り変わっても、
“明子は、明子”なのである。
◆まとめ:「生放送」と「松本明子」は、宿命でつながっている
生放送の空気に呑まれやすい人は多い。
だが、松本明子は“空気を動かしてしまう側”にいる稀有な存在だ。
41年前、
「言ってはいけないこと」を叫んでしまった彼女は、
41年後も、「言ってはいけないこと」を明るく口にした。
だが今回は──
誰も傷つけなかった。
みんなで笑って終われた。
これが、松本明子が「伝説」から「文化」に昇華した瞬間なのかもしれない。
- 生放送と松本明子は切っても切れない関係
- やらかしが“芸”になった稀有なベテラン女性タレント
- 放送禁止用語事件から41年、今なお“油断できない”人であり続けている

「明子さん、生放送では口チャックだブー!…でも、やっぱり好きだブー!」
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