また、炎上した。
「コメまずい」──それは冗談にもならない“首長の発言”だった。
政治家が時に失言することは、ある。
だが、新潟県上越市の中川幹太市長は、あまりに“繰り返す”。
今回の謝罪会見は、その積み重ねの一つにすぎないのか。
それとも、もっと根深い“資質の問題”なのか。
この人物は、なぜ学ばないのか──。
第1章:「三田のコメはまずい」──ことの発端は、たった一言から
7月1日。上越市役所での懇談の最中。
市長は何気なく、こんな言葉を口にした。
「お酒はおいしい。でもコメまずいんですけどね」
これは兵庫県三田市のコメについての発言だった。
中川氏は、高校時代を三田市で過ごしていた。
さらに、その2日後。市内で行われた学生への講演の場でもこう語る。
「あまり言ってはいけないが、あまりおいしくない」
この連続した発言が、ついに“ふるさと侮辱”と受け取られ、
三田市の田村克也市長から抗議状が送られる事態となる。
第2章:「倫理観に欠ける」──怒りの抗議と、またもやの謝罪会見
田村市長は強い言葉で非難した。
「ふるさと三田を侮蔑する倫理観に欠ける発言」
そして7月9日、ようやく中川市長が謝罪会見に臨む。
「不適切・不見識な表現を用いてしまった。弁明の余地はございません」
だが会見中、報道陣とのやりとりは不自然にぎこちなく、
「30年前に食べたコメの記憶だった」「どこの産地かはわからなかった」と釈明を重ねる場面も。

「言い訳っぽく聞こえちゃうのがまた火に油だブー…」
第3章:これが初めてじゃない──「繰り返される」謝罪の履歴
中川市長が公人として問題視される発言をしたのは、これが初めてではない。
以下、ほんの一部を列挙するだけでも、その頻度と性質の深刻さが見えてくる。
- 2022年:「直江津には商店街がない」と発言し謝罪
- 2023年:「私立高校2校は県立、公立よりレベルが下」と発言 → 翌日謝罪
- 2024年6月:「基本的には高校を卒業したレベルの皆さん。頭のいい人だけが来るわけではない(工場勤務に対する発言)」→ 議会が紛糾・陳謝
- 2025年7月:「三田市のコメはまずい」→ 抗議・謝罪
いずれも“どこかを持ち上げ、どこかを蔑む”構造が共通しており、
それが炎上の“燃料”になっているのは明らかだ。
第4章:「悪意なき差別」は、なぜ最もタチが悪いのか?
中川氏の発言に、明確な悪意があったかどうか。
そこに焦点を当てると、かえって本質が見えなくなる。
問題なのは、発言の構造だ。
- 「直江津には商店街がない」=地域軽視
- 「頭のいい人だけが来るわけではない」=学歴差別
- 「コメがまずい」=ふるさと侮辱
これらはすべて、「他者の努力や誇りを“無意識”に踏みにじる」発言だ。
“悪気はない”が“配慮もない”──それが繰り返されるならば、問題は“資質”である。
第5章:処分は“カット”か“撤退”か──繰り返される対応に市民の視線は冷ややか
今回の「コメまずい」発言について、謝罪会見は行われたものの、
進退や具体的な処分には言及されていない。
「私のことについてはまだ思いが至っていない」
──会見での中川市長の言葉である。
この発言をめぐる直接的な処分はまだ見えないが、
実は中川市長には“過去の処分対応”の前例がある。
■ 2024年6月──“工場勤務発言”と「給料5カ月全額カット」
前回、大きな批判を浴びたのは「工場には高校卒業レベルの方が来る」という趣旨の発言だった。
このとき中川市長は、議会からの問責決議を受けつつ、給与の5カ月分を自ら全額カットする提案を行った。
だが市議会ではこんな声が噴出した。
「何かある度に“お詫び”で済ませている」
「発言の重さが分かっていない」
「お金で解決するのではなく、一度退いて出直すべき」
その結果、給与カットを定める条例案は否決された。
いわば、「自らの言葉に責任を取る」という姿勢すら、信頼されていない状態だったのだ。
■ “既視感”ある展開に、今回も市民は戸惑っている
今回の「コメ発言」に対して、現時点では明確な処分はなし。
だが、謝罪→弁明→進退は未定…という流れはあまりに既視感がある。

「このループ、もう3回目くらいだブー…」
市民が望んでいるのは、処分でも演出でもなく、
そもそも“そんな発言が出ないこと”なのかもしれない。
まとめ:言葉は人を映す鏡である
政治家の発言は、市民の顔そのものでもある。
その“顔”がたびたび傷つけられるのなら、やがて信頼は崩壊する。
今回の「コメまずい」発言が炎上したのは、
単なる“ひと言”では済まない積み重ねの果てだった。
市長という公職に必要なのは、一言一言の“想像力”と“慎重さ”だ。
もしそれを持ち合わせていないならば──
その座にふさわしいとは言えない。

「また謝ってるって…みんな、そう思ってるブー。
市長には“言葉の怖さ”を、そろそろ本気で知ってほしいブー」
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