奈良といえば?
多くの人がまず「鹿」を思い浮かべるのではないだろうか。
奈良公園には約1,000頭もの鹿が自由に歩き回る。
観光客に愛想を振りまき、鹿せんべいをおねだりする姿は微笑ましい。
だが、ふと思う。
「なぜ奈良公園にだけ鹿がいるのか?」 「なぜ彼らは公園の外へ脱走しないのか?」
奈良公園の鹿にまつわる不思議の数々を、古都の歴史とともに紐解いてみよう。
■ そもそもなぜ奈良公園に鹿が?
奈良公園の鹿は、実はただの“野生動物”ではない。
その起源は奈良時代(8世紀)にまでさかのぼる。
春日大社の創建にあたって、鹿島神宮(茨城県)から武甕槌命(タケミカヅチノミコト)が白鹿に乗って奈良に降り立ったという伝承が残る。
以来、「鹿は神の使い」とされ、神聖視されてきた。
そのため、奈良の鹿は「国の天然記念物」にも指定。
長きにわたり、人間と共生する“特別な存在”として守られているのだ。
■ 周辺に鹿はいるの?
奈良公園の鹿は基本的に「奈良公園とその周辺」に限られて生息している。
とはいえ、
- 東大寺
- 春日大社
- 興福寺
- 若草山 といった観光地周辺には当然現れる。
奈良市内の住宅街や駅前など、遠く離れた場所にはほぼ現れない。
■ 脱走しないのはなぜ?
そもそも鹿は野生動物。
なのに、なぜ奈良公園の鹿はわざわざ公園内や周辺に“とどまる”のか。
その理由はシンプルで、
「そこに餌があるから」
- 観光客から与えられる「鹿せんべい」
- 公園内の芝生や木の葉
これで十分生活が成り立つため、
わざわざ危険な道路を超えて遠くへ行こうとしないのだ。
また、奈良市が行う保護管理の一環で、
「鹿愛護会」が鹿の健康管理・個体数調整・保護柵の設置などを行っている。
結果的に、公園の外に出づらい環境と習性が出来上がっているのである。
■ 奈良公園の鹿ならではの特徴
- 観光客が鹿せんべいを持っていると、ぺこりと頭を下げる行動をする
- これは学習の結果。せんべいをもらえるとわかって「礼儀」を覚えた
- 発情期は気性が荒くなる
- 子鹿の誕生時期には母鹿が警戒心を強める
- 冬など寒い時期は鹿が密集して「鹿だまり」という光景が見られる。
- 防寒のために集団で暖を取る行動だ。
■ まとめ:奈良の鹿は「神の使い」であり「市民」
奈良公園の鹿は、
神話から続く歴史的な背景と人間との共生が作り上げた「特別な野生動物」。
彼らは公園の住人であり、
観光の主役であり、
時に奈良の顔でもある。

「でも、鹿せんべいってめちゃくちゃ高いブー!」
「鹿に会いに行く時は心して行くブー!」
鹿せんべいの価格は現在「200円(税込)」。(※2025年現在)
奈良公園内の売り場で統一されていて、
誰が買っても同じ価格なのがポイント。
ちなみに、内容量は10枚前後。
でもこれは「観光料」みたいなものでもあり、
鹿と触れ合うための“体験価格”といったところ。
「200円で鹿との距離ゼロになる体験」と考えれば、まぁ納得の価格設定かも。
ちなみに、
鹿せんべいは人間用の調味が一切ないので、
仮に食べても「ただの味気ない小麦粉せんべい」みたいな感じ。
一応食べられないわけじゃないけど、美味しくはない…。

「ボクが食べても『無』の味だブー…」
なので、ちゃんと鹿に全部あげるのが正解といえる。
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