「もう無理!」「辛すぎ!」と言いながら、
なぜかまた食べたくなる激辛ラーメンや麻婆豆腐。
誰もが一度は感じたこの現象。
そもそも「辛さ」は味覚ではなく、「痛み」や「熱さ」と同じ感覚だと知っていましたか?
それでもやみつきになってしまうのは、
実は私たちの「脳」の仕業だった──。
■ 辛さは「味覚」ではなく「痛覚」
私たちが舌で感じる味覚は、
- 甘味
- 酸味
- 塩味
- 苦味
- うま味
この5種類が基本。
そして実は、
「辛味」はこのどれにも属さない。
辛さを感じるのは、舌の粘膜に存在する
「TRPV1(トリップ・ブイワン)」というセンサーのおかげ。
TRPV1は本来、
「43℃以上の高温」や「物理的な痛み」
に反応するためのセンサー。
そこに、唐辛子に含まれる
「カプサイシン」が触れると、
脳は
「熱い!危険!」 と錯覚し、痛みを感じるのだ。
■ なぜ「危険な痛み」なのに、また食べたくなるのか?
不思議なのはここから。
人間の体は、命の危険を感じるような痛みが襲うと、
「β-エンドルフィン」
という脳内物質を分泌する。
このβ-エンドルフィン、通称
「脳内麻薬」
とも呼ばれるほどの強烈な作用がある。
- 痛みの緩和
- 強い快感の付与
つまり、辛さで痛みを感じた体は、
「危ない!でも痛みに耐えろ!」 と命じるために、快感ホルモンを放出する。
これが、
「痛いのに気持ちいい」 という危険な魅力の正体だ。
■ 痛みと快感のループが「やみつき」になる
辛いもの好きの人は、
- 痛みの先にある快感
- 食べた後の爽快感
これらを無意識に覚えてしまい、
再びその刺激を求める。
つまり、
「辛い → 痛い → 快感 → また辛い」 という、脳が作る報酬系ループにハマってしまうわけだ。
しかも、慣れてくると
「前よりもっと辛いものを」 と刺激のエスカレートが起こるのも特徴。
これは、β-エンドルフィンによる「もっと強い快感を得たい」という
依存症に似た脳の反応ともいえる。
■ なぜ人間だけがこんなものを求めるのか?
不思議なのは、
「動物界でこんな行動をするのは人間くらい」だということ。
ほとんどの動物は、本能的に「痛みや危険」を避けるが、
人間は、
「文化」や「娯楽」「ストレス発散」 として、あえて痛みを楽しむ。

「ジェットコースターやホラー映画みたいなものだブー!」
つまり、辛い食べ物は
“食べるジェットコースター”
なのかもしれない。
■ まとめ:脳が作る“快感スパイラル”
辛い食べ物がやみつきになるのは、
単なる味覚の問題ではなく、
脳内の化学反応による“快感スパイラル”。
- 痛みを快感に変える
- 刺激を求めてどんどん辛さがエスカレートする
- 「もっと…もっと…」と欲しくなる
ただし、無理は禁物。
胃腸のダメージや体調不良を招くリスクもあるので、
“ほどほどの激辛ライフ”を楽しみましょう。

「でも、たまに“ヒーヒー言うくらいの辛さ”が恋しくなるんだブー!」
コメント