「ねる」という名前は、本名なのか?
アイドルとしては珍しい響きに、多くのファンが一度はそう思ったことがあるだろう。
透明感、清純派、知的キャラ──。
長崎・五島列島出身という経歴も相まって、長濱ねるは“純粋さの象徴”のように語られてきた。
だが、そんな彼女の最新写真集に写り込んだのは──脇腹の“ハート”だった。
ネットは騒然。
「タトゥーか?」「シールか?」「マダニ跡では?」
さまざまな憶測が飛び交うなか、本人は沈黙を貫いたままである。
偶像を守るのではなく、
“問いを残す表現”を選んだ長濱ねる。
その選択の意味を、今、考えてみたい。
第1章:「ねる」は本名──“考える”を名前に込めた母の願い
まず、意外と知られていないが、「ねる」は芸名ではない。本名である。
漢字で書くと「長濱 ねる」。
この名は、母が「名前に“る”の字を入れたかった」こと、
そして「考えを“練る”人になってほしい」という思いから名づけられたとされている。

「“寝る子は育つ”じゃなくて、“練る子は考える”ってことだブー!」
さらに後年、長濱自身はジョディ・フォスター主演の映画『Nell(ネル)』が名づけのもう一つの由来だったことも明かしている。
言語や人間関係を持たない孤独な少女が世界と向き合うその物語は、内面の豊かさや他者理解の難しさを描く作品。
彼女の名には、偶然ではない深い“語感”と“哲学”が込められていた。
第2章:透明感からの脱却? 写真集に映り込んだ“ハートのタトゥー”疑惑
2025年7月、長濱ねるが発売した2nd写真集『長濱ねる』(講談社)。
北欧・アイスランドとフィンランドを舞台に、素顔に迫る作品として話題になった。
だが、その発売前の先行カットに、ファンはある“違和感”を見つける。
「左脇の下にハートのタトゥーのようなものが見える」
ネット上では拡大画像が拡散され、
《タトゥー?》《マダニの跡じゃなかった?》《シール?》と、驚きと混乱が入り混じる事態となった。
第3章:“脇腹のハート”は何だったのか──修正されなかった意味
実際の写真集が発売されると、そのハートは複数カットに明確に写っていた。
しかも“そで”(カバーの内側)に拡大写真が使われるほど、意図的に残された表現だった。
ここで問いたいのは、それが“本物のタトゥー”かどうか、という問題ではない。
重要なのは、なぜあえて“修正しなかったのか”である。
清純派として支持されてきた長濱が
あえて“素肌”に何かを刻んだように見えるカットを
編集側も消さず、本人も説明せずに世に出した
この構図自体が、彼女の現在地を物語っている。
第4章:「透明感」の偶像から、素顔と向き合う表現へ
欅坂46時代、長濱ねるは“清純派”“透明感”といったイメージで強く支持された。
長崎・五島列島出身。読書好き。被爆三世。司書志望。
そのプロフィールは“ナチュラルで賢くてやさしい女の子像”を完璧に体現していた。
だが、卒業後の彼女は、その“偶像”を無理に壊さず、そっと距離をとるような表現を選んできた。
- 『ダ・ヴィンチ』での連載エッセイ
- 若林正恭、西加奈子らとの文芸的交流
- NHK朝ドラやJ-WAVE出演など、“言葉”を大切にするメディアへの出演
そして今回の写真集で“脇腹のハート”をあえて残したのは、
「もう、誤解されることを恐れすぎない」という彼女なりの静かな解放ではないだろうか。
第5章:本物かどうかより、“何を選んだか”が残る時代
この“ハートのタトゥー”が本物かどうか、長濱ねる本人は明かしていない。
それでも彼女の写真集はランキング1位を記録し、レビュー欄は賛否と称賛で揺れている。
だが、ひとつ言えるのは──
これは「過去の長濱ねる」を捨てた写真集ではない。
これは「いまの長濱ねる」を、怖がらずに出した写真集である。

「清純派が進化する時代だブー。
素直に“かわいい”と言えない空気の方が、ずっと不自由だブー!」
まとめ:名は「練る」、表現は「揺れる」──長濱ねるが語らず伝えたもの
「ねる」という名には、“考えを練る”という意味がある。
それは、正解をすぐに出すよりも、迷いながら考え続ける人ということだ。
写真集に刻まれたハートマーク──それが何であれ、
「説明しない」という選択もまた、長濱ねるという表現者の“現在地”を示している。
考えて、迷って、練って、
それでも静かに前を向く──
「それが、ねるという名前に込められた意味かもしれない。」
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