【考察】なぜ騒音は止められなかったのか──ミセス野外ライブ、風向き謝罪の“本質”を問う

音楽
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爆音のその先に、何が聞こえていたのか──。

7月26日・27日に横浜山下ふ頭で開催された、人気バンドMrs. GREEN APPLEの10周年記念野外ライブ。
2日間で10万人を動員する一大イベントは、華々しさの一方で「騒音」という大きな副産物を生み出した。

公式は早々に謝罪し、「風向きによる想定外の音拡散」と説明したが、ネットではその釈明に「無理がある」と批判が殺到。
さらに一部ファンの擁護発言が“二次炎上”を引き起こし、状況は複雑化している。

なぜ祝賀の場が、これほど後味の悪いものになってしまったのか。
そして、国民的バンドとなったミセスが背負う“熱狂の責任”とは──。


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◆「FJORD」に吹いた“風”──騒音はどこまで「想定内」だったのか

10万人を動員したMrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)の10周年記念ライブ『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE ~FJORD』が、思わぬ形で“記憶”に残るライブとなった。

会場は横浜・山下ふ頭の特設野外ステージ。26日・27日の両日、海沿いで盛大に開催されたイベントだったが──ライブ終了直後からX(旧Twitter)では、「爆音が川崎や大田区まで響いた」という投稿が相次ぎ、トレンドには《ミセス騒音》の文字が踊った。

これを受けて、28日にミセス公式および所属事務所が謝罪コメントを発表。


POINT
  • 音量は法令に定められた基準内で実施
  • 会場設計や音響は事前にシミュレーション済み
  • しかし、当日の風向きにより音が広範囲に拡散
  • 結果として、予想以上に多くの住民へ“音漏れ”が発生

──という、ある種「環境要因」のせいにした内容だった。

しかしこの謝罪は、火に油を注ぐ結果となった。


◆《風向きのせい》は通じるのか?ネットに募る「無理ありすぎ」の声

SNSでは、謝罪文に対して以下のような反応が目立った。

《風向きが~は無理ありすぎるでしょ》
《事前に分かるはず》《1日目で改善できたのでは》
《音量調整して2日目対策できたのに、なぜ?》

つまり、「自然現象で済ますのは誠実とは言えない」という批判だ。

しかもライブは2日間開催。1日目に騒音が問題視されていたにもかかわらず、2日目にも同様の事態が続いたことが、「再発防止の姿勢が感じられない」とする不信感を増幅させた。

一方で、

  • 「事前に近隣へ案内もしていた」
  • 「法的基準を満たしていた」

とする説明に理解を示す声もある。

だが、音が都心部まで届く規模の拡散が「想定外」であったことが本当ならば、それはそれでシミュレーション設計そのものへの不備も指摘されるべきだろう。


◆ファンの“擁護”が引き金に?第二の炎上へ

問題は“音”だけでは終わらなかった。

謝罪直後、Xに投稿された一部のファンによる擁護発言が、さらなる炎上の導火線となった。

《公式さんが謝ることじゃないのに…これからもライブ楽しみにしてます》
《無料でミセス聞けるんだからいいじゃん(笑)》

これに対し、

《それ言うから余計に燃える》
《謝罪を踏みにじるようなことを言わないでくれ》

といった批判が飛び交い、SNS上は“ファンvs世間”の構図に発展。

ミセスが直接批判されたというより、“ファン文化そのもの”への不満が蓄積していた印象もある。


◆なぜミセスは“炎上体質”になってしまったのか

実はミセスが炎上に巻き込まれるのは、これが初めてではない。

昨年(2024年)には、MV『コロンブス』の映像表現が人種差別的だとされ、即座に公開停止・謝罪に至った。
また、7月1日に東京ディズニーランドでサプライズ登場した際には、一部ファンが「ミッキー邪魔!」と叫んだ様子が拡散され、マナーの悪さが波紋を呼んだ。

いずれも、「公式の熱量」と「一部ファンの暴走」が乖離していることが背景にある。
それが炎上しやすい体質をつくっているとも言える。


POINT:「音楽の熱」は、時に社会との摩擦を生む。
  • 野外ライブという“祝祭”は、時に“騒音”にもなりうる
  • 法令遵守だけでは済まされない「文化と住環境の対立」
  • アーティストの謝罪と、ファンの振る舞いの“温度差”

◆“国民的バンド”に求められる次の一歩とは

10周年を祝うべき節目に、2度目の大規模謝罪。
しかも今回は、ライブ映画の同時公開発表というポジティブなニュースと重なったことで、「祝賀ムードの中で釈明する」というちぐはぐな構図が生まれてしまった。

音楽は自由であり、爆音で心を揺らすこともライブの醍醐味だ。
しかし、それが社会的な“騒音”と化すとき、求められるのは「熱狂の責任」なのかもしれない。

これからのミセスに必要なのは、謝罪文の丁寧さだけではない。
“ファンのモラル”を含めたコミュニティ全体のアップデートが求められているのではないか──。

ブクブー
ブクブー

「風が悪いのかミセスが悪いのか…ブクブーは風向きよりも、向き合い方の方が大事だと思うブー!
ファンも一緒に“いい風”を吹かせる努力が必要だブー!」

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