ペットブームが続くいま、イヌやネコと暮らす家庭はますます増えている。
だが、その“家族同然”の存在を、気づかぬうちに危険にさらしてしまう…そんな落とし穴が、私たちの日常には潜んでいる。
それが「ネギ類」だ。
実は意外と知られていないが、ネギやタマネギは、イヌやネコにとって“猛毒”。
しかも、その危険性は、生でも加熱後でも変わらない。
ここでは、愛犬・愛猫を守るために必要な知識を、しっかりと整理していく。
【第1章】ネギ類に潜む“見えない毒”──赤血球を壊す恐怖
長ネギ・タマネギ・ニラ・ラッキョウ…。
料理に欠かせないこれらの食材には、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が含まれている。
この物質、人間には無害だが、イヌやネコの身体には強い毒性を持つ。
具体的には、赤血球を破壊し、酸素の運搬能力を奪ってしまうのだ。
特に怖いのが、「少量でも危険」「エキスだけでもアウト」という点。
鍋のスープ、コロッケの中身、炒め物のソース…。想像以上に、ネギ類は生活に浸透している。
【第2章】症状は突然に──“知らずに与える”が命取りに
ネギ類の中毒は、場合によっては摂取から1〜2日で発症する。
- 血尿が出る
- 下痢・嘔吐を繰り返す
- ぐったりする・元気がない
- 最悪の場合、命を落とすことも
特に怖いのは、ペットが“こっそり”食べてしまうケース。
食卓のおかずをうっかり落とす、残り物を与える、スープを舐めさせる…。
こうした日常の「油断」が、取り返しのつかない結果を招きかねない。
【第3章】加熱も無意味──「エキス」まで完全NG
よく誤解されるが、「加熱すれば無害」ではない。
ネギ類の有害成分は、火を通しても変質しないため、
- 鍋のスープ
- 炒め物のタレ
- 煮込み料理の煮汁
これらすべてが、イヌやネコには“危険エリア”となる。
つまり、「見た目にネギがないから大丈夫」ではなく、「エキスが出ている時点でアウト」なのだ。
【第4章】なぜ、知られていないのか──“人間基準”の落とし穴
なぜ、ここまで重大な危険が、十分に周知されていないのか?
一因は、「人間には無害」という基準で、私たちの生活が設計されていること。
その結果、
この構造を理解しない限り、知らず知らずのうちにペットを危険にさらしてしまう。
【まとめ】「ネギは猛毒」を、当たり前にするために
イヌやネコは、自分で食べ物を選べない。
だからこそ、私たちが“選び方”と“知識”を持つ必要がある。
- ネギ・タマネギ・ニラ・ラッキョウは完全NG
- エキス・煮汁・ソースまで警戒
- 食卓の習慣を見直す
可愛い存在を本当に守るために、当たり前の知識を、当たり前にしていこう。

「オイラ、ネギ大好きだけど…イヌやネコには絶対あげちゃダメだブー!」
コメント