「夏の風物詩」である全国高校野球選手権大会(夏の甲子園)に、重大な変化が加えられようとしている。
それは──
「試合は午前と夕方に分ける“2部制”」
「午後10時を過ぎたら、続きは翌日へ“継続試合”」
いま、甲子園の運営が根本から見直されている。
その裏にあるのは、“かつての夏”とは明らかに異なる、灼熱の気象と健康リスクだった。
第1章:1日4試合はそのままに──時間帯で“分ける”甲子園「2部制」の全貌
2025年夏の大会(第106回)は、開幕が8月5日。
大会6日目までは「2部制」での試合実施が発表された。
- 【第1部】午前の試合
・第1試合:午前8時開始
・第2試合:午前10時30分開始
- 【第2部】夕方の試合
・第3試合:午後4時15分開始
・第4試合:午後6時45分開始
つまり──
日中(特に正午〜午後3時頃)の時間帯を“避ける”構成になっている。

「昼間の太陽は“対戦相手”より手ごわいブー!」
第2章:午後10時で試合“打ち切り”!?継続試合のルールとは
運営委員会の決定によれば──
午後10時を超える場合、新しいイニングには入らない。
翌日以降、“継続試合”として再開する。
たとえば…
- 午後6時45分に始まった第4試合が延長へ
- 9回終了時点で午後10時を過ぎる見込み
→ 試合はそこで一時終了、続きは翌日へ
また、午前の試合でも…
- 第2試合が午後1時30分を過ぎたら新しいイニングに入らず
- 午後1時45分を超えた時点で進行中のイニングも終了
つまり、時間を軸に試合進行を制御する仕組みが導入されたのだ。
第3章:「甲子園=命がけ」になってしまった現実
ここ数年、甲子園を襲う“暑さ”は、かつての比ではない。
- 観測史上最高を更新する猛暑日が全国で続出
- 甲子園球場のグラウンド上は、体感で40℃を超える日も
- 選手だけでなく、審判・スタンドの観客も体調不良が多発
日本高野連が“甲子園は特別”という神話から距離を取り、
命と安全を優先した運営改革に踏み切ったのは、必然だったともいえる。
第4章:高校野球の試合時間はそもそも長い?プロ野球と比較してみると…
ここで気になるのが、午後6時45分開始の第4試合。
プロ野球のナイターよりも遅いスタートになるが──
■ 高校野球とプロ野球、試合時間の平均は?
項目 | 高校野球 | プロ野球 |
試合時間(9回平均) | 約2時間30分〜3時間 | 約3時間〜3時間半 |
1イニングごとの進行 | 比較的早い | 細かい間合いが多い |
高校野球はテンポが早く、サクサク進む傾向にあるとはいえ、
試合の展開次第では10時を超えることも充分あり得る。
第5章:日程への影響は?継続試合が増えたらどうなる?
継続試合となれば、試合は翌日以降に再開されるが──
- 試合数がずれ込む
- 翌日の試合スケジュールにも影響
- 連戦や日程圧縮の懸念
2025年の大会は、18日間の開催枠を確保し、決勝は8月22日の予定。
とはいえ、継続試合の“雪だるま式な影響”が今後の課題になる可能性もある。
終章:変わる甲子園──「命」と「感動」のはざまで
「青春のすべてをかけて甲子園へ」
そんな言葉が、かつての高校野球にはよく似合った。
だがいま、その“すべて”に命の安全が加わった。
それは決して、「軟弱になった」のではない。
むしろ、甲子園という伝統が、時代に適応する覚悟を持った証だ。
感動は、命あってこそ。
そして高校野球は、時代の変化とともに「守り方」を学び始めている。
- 2025年夏の甲子園は「2部制」&「午後10時制限」導入
- 午前と夕方に試合を分け、昼の猛暑を避ける運営に

「継続試合ルールは「命と安全」を守るための選択だブー!」
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