【防災の日2025】南海トラフ·首都直下に備える──地震は来るかもでなく「いつでも来る」

社会
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9月1日──それは、「防災の日」。
関東大震災から102年を迎えた今年、私たちは改めて“あの揺れ”に向き合う必要がある。

地震大国・日本において、もはや“いつか来る”ではない。
南海トラフ巨大地震も、首都直下型地震も、「30年以内に起こる確率」は8割・7割に達している。
そこにあるのは、静かなるカウントダウン

だからこそ、NEWS OFFではこの日、
命を守るための「本気の備え」と「行動の心理」に焦点を当て、
誰もが今日から変えられる“実践的防災”を、徹底的に掘り下げることにした。

それは単なる知識ではない。──技術だ。生き延びるための、日常に埋め込まれた知恵の集積。


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第1章 数字が告げる“いつでも”のリスク──「備えなければ危険すぎる現実」

◆ 予測ではなく、確率の話

「30年以内に南海トラフ地震が発生する確率:約80%」
「30年以内に首都直下地震が発生する確率:約70%」

この数字、どれほど危機的かわかるだろうか?
実は「宝くじで100万円が当たる確率」の数十万倍以上、
「雷に打たれる確率」や「飛行機事故に遭う確率」などと比べても圧倒的に高い。

しかも──その“30年”のカウントは、すでに何年も前から始まっている。


◆ 想定被害は「国家規模」

地震名発生確率(30年以内)想定死者数経済被害
南海トラフ地震約80%最大29.8万人約225兆円
首都直下地震約70%約2.3万人(火災死が1.6万人)約95兆円
東日本大震災(参考)実際に発生約1.9万人約16.9兆円

この表を見て、何を感じるだろうか?

南海トラフ地震は、東日本大震災の15〜20倍の被害が想定されている。
“対岸の火事”などという余裕は、もはやどこにもない。


第2章 備えて守る!今すぐできる防災知識10選【決定版】

① 家具の固定と配置の見直し

  • 寝室にタンスなどを置かない
  • L字金具や耐震ジェルマットを活用
  • 倒れて避難経路をふさぐ配置はNG

② 非常持ち出し袋の再点検

  • 水は1日3L×3日が目安(家族分)
  • 食料(レトルト・缶詰・栄養バーなど)
  • バッテリー・懐中電灯・ラジオ・現金も忘れず

③ 家族との「連絡計画」を立てる

  • 災害用伝言ダイヤル「171」の練習
  • SNS・安否アプリで連携
  • 集合場所の地図をプリントしておく

④ 地域のハザードマップをチェック

  • 津波・液状化・土砂災害の危険区域を把握
  • 避難所の位置・収容人数・ペット可否も確認

⑤ 通勤・通学中の地震対策

  • 地震発生時は「まず頭を守る」
  • 駅・地下街では天井やガラスに注意
  • 自力帰宅困難を想定して「徒歩ルート」も確認

⑥ 火災の備え

  • 地震直後のブレーカーOFF習慣を
  • 元栓を閉める訓練を定期的に
  • 家族で消火器の場所と使い方を共有

⑦ 津波・水害時の行動計画

  • 徒歩での避難経路を実際に歩いておく
  • 高台や避難ビルの位置をメモ
  • 防水バッグやライフジャケットも準備

⑧ ペットのための備え

  • フード・水・トイレグッズ・キャリーケース
  • 同伴避難可の避難所を事前確認
  • マイクロチップ or 迷子札の装着

⑨ 心の備えも重要

  • ストレス軽減法(深呼吸・瞑想)
  • 正確な情報源(NHK・自治体・気象庁)を習慣に
  • 高齢者や子どもへの声かけと安心の共有

⑩ 地震保険と共済の見直し

  • 火災保険だけでは“地震”はカバーされない
  • 加入状況・補償内容の点検を
  • 地方自治体の共済制度も検討対象に

第3章 【2025年最新版】本当に使える!防災グッズランキングTOP10

災害時の“命綱”とも言える防災グッズ。
しかし店頭や通販では数百種類が並び、「結局どれが必要なの?」と迷ってしまう人も多いだろう。
ここでは実際の被災者の声・防災士の意見・自治体のガイドラインなどをもとに、2025年版の本当に使える・持っておくべき防災グッズTOP10を発表する。


ランクアイテム名理由・ポイント
1位飲料水(軟水・長期保存タイプ)生命維持に最も重要。1人1日3L×7日分が理想。5年保存水が便利
2位非常食(主食・副菜・おやつ)栄養補給+ストレス緩和。温め不要・アレルギー対応が◎
3位携帯トイレ(凝固型・消臭機能付き)トイレ問題は“命の問題”。1週間分+ティッシュは必携
4位モバイルバッテリー(大容量・ソーラー対応)情報取得と連絡手段の確保に直結。太陽光充電型なら停電時も安心
5位LEDランタン・ヘッドライト停電時の照明は行動力に直結。センサー式やUSB充電型が人気
6位救急セット(常備薬・消毒液・マスク)傷・感染症・発熱対応。経口補水液や体温計もセットに
7位簡易寝具(エアマット・保温シート)避難所での体調維持に不可欠。軽量&断熱性が重要
8位カセットコンロ+ガスボンベ調理・湯沸かし・温かい食事のために。ボンベは1週間分
9位防災ラジオ(手回し・ソーラー)情報遮断を防ぐ。AM/FM+ワイドFM対応が理想形
10位現金(小銭含む)・身分証コピー電子マネー不可時の命綱。保険証・通帳のコピーは防水袋へ

ブクブー
ブクブー

「トイレって後回しにしがちだけど、避難所では本当に深刻な問題になるブー…。快適さは命の余裕だブー!」


第4章 プロが推す“盲点になりがち”防災アイテム

ここでは、防災士や被災経験者が実感を込めて「これは意外と重要」と語る、見落としがちな名品を紹介する。


① 防犯ブザー・ホイッスル

避難所での性被害・トラブル抑止に役立つ。特に女性や子どもは身につけておくと安心。


② ドライシャンプー・除菌シート

風呂に入れない日々が続くと、心身のストレスが爆発寸前に。“清潔感の維持”は精神衛生に直結


③ 予備の衣類・タオル

夜間の冷え、汗、雨…避難所は想像以上に過酷。機能性インナーや速乾タオルが活躍


④ 野菜ジュース・経口補水液

ビタミン不足・脱水症状の予防に有効。体力維持だけでなく、疲労回復や免疫力アップにも◎


⑤ 簡易テント・目隠しシート

避難所でのプライバシー確保は“心の命綱”。特に女性・高齢者・LGBTQ+の方々には重要な備え。


ブクブー
ブクブー

「プライバシーが守られないと、心まで弱っちゃうブー…。“見えない備え”も大事なんだブー!」


第5章 なぜ人は“逃げない”のか──行動科学で読み解く防災心理2025

巨大地震が起きたとき、多くの人が「避難指示を見ていたのに逃げなかった」と口にする。
なぜなのか?どんな知識を持っていても、“その瞬間”に逃げなければ意味がない。

答えは、「人間の心」にある。
私たちは合理的なようで、実は心理バイアスによって多くの行動を縛られている。

この章では、「なぜ逃げられないのか?」を心理学×行動経済学の視点からひも解く。


■ 代表的な“逃げない”心理バイアス

バイアス名内容影響
正常性バイアス「これくらい大丈夫」「今までも大丈夫だった」危険の過小評価・避難の遅れ
比較楽観主義「自分だけは大丈夫」リスク軽視・準備不足
利用可能性ヒューリスティック「前回大丈夫だったから今回も大丈夫」経験則への過信
集団同調性バイアス「誰も逃げてないから、自分もまだ大丈夫」周囲に流されて避難しない
ハザードマップ信仰「この地図で“安全”って書いてあるし…」想定外の災害に対応できない

■ 実際のデータが示す“逃げない現実”

  • 津波警報を見聞きしても、実際に避難した人の割合は30〜50%にとどまる地域が多い
  • 「自宅に戻った」「家族を探しに行った」「津波は来ないと思った」など、避難を妨げる行動が多発
  • 災害直後の人間は、“熟慮(システム2)”より“直感(システム1)”が優位になるため、
    冷静な判断よりも「その場の感情」に従ってしまう傾向が強い

■ 対策:心理バイアスを乗り越えるには?

◆ メタ認知を育てる

  • 自分の心の働きを客観視する力
  • 「自分は今、正常性バイアスに陥っていないか?」と自問する習慣を持つ

◆ 率先避難者になる

  • 周囲が動かなくても、自分が最初に動く勇気を持つ
  • 「みんなが逃げていないからこそ、自分が動く」が命を分ける

◆ 「素振り」として訓練を重ねる

  • 防災訓練を“空振り”ではなく“本番のための練習”として捉える
  • 南海トラフ臨時情報(2024年11月発表)は、まさに“行動を見直すチャンス”だった

ブクブー
ブクブー

「“みんなが逃げてないから平気”…って、
それ一番危ないやつだブー!逃げる勇気が、自分と誰かを救うブー!」


第6章 防災は“ゲーム”で身につけろ!──楽しみながら育てる命を守る力

「防災」と聞くと、どこか身構えてしまう人も多い。
「怖い」「難しい」「面倒くさい」──それが、備えを後回しにしてしまう理由にもなる。

しかし、近年注目されているのが、“楽しく学ぶ防災”のアプローチ。
防災をゲーム化したり、褒めあったり、日常に組み込む工夫を凝らすことで、
誰もが“気づけば防災力アップしていた”という状況をつくることができる。


■ 教育現場から広がる“ゲーミフィケーション防災”

文部科学省や自治体による取り組みで、“体験型防災”が広がっている。

例:家具固定ゲーム

  • タンスや冷蔵庫などが倒れないように、部屋の中を工夫して固定するボードゲーム
  • 子どもたちが夢中になってプレイ → 終了後に“実際の家”でも家具配置を見直す家庭が多数

例:防災クイズバトル

  • 家族で「非常食は何日分必要?」「津波警報の種類は?」などクイズを出し合う
  • 正解数に応じておやつをゲット!などご褒美ルールを設定する家庭も

例:避難ルート探検隊

  • 地域を歩いて「避難所までのルートに何があるか」をチェック
  • 障害物・危険ポイント・安全地帯を見つけて「地図にまとめる」ワークショップ

■ “褒める防災”で行動が広がる!

  • 防災訓練や備蓄チェックを「できた人」が称賛される仕組みが有効
  • SNSや学校掲示板などで「防災ヒーロー賞」などを設け、ポジティブな空気を広げる
  • “怒られる防災”から“褒められる防災”へ。これが子どもにも大人にも効く。

ブクブー
ブクブー

「ボク、家具固定ゲームでハイスコア出したブー!
褒められたら、もっとやりたくなるブー!」


■ 日常に“遊びのように”防災を取り込むには?

日常行動防災への変換アイデア
スーパーでの買い物“ローリングストック”非常食選手権(賞味期限×味×栄養で勝負)
休日の散歩避難所まで“徒歩避難タイムアタック”
読書時間「防災マンガ」や「防災絵本」を家族でシェア
学校の自由研究自宅の耐震診断とリフォーム提案をしてみる

防災は“おカタいこと”じゃない。
「怖がる」から「備える」へ──そして「楽しむ」へ。

その変化が、結果として命を救う行動力を育てていく。


第7章 まとめ──防災は“怖がる技術”ではなく、“守る技術”である

災害の話をするとき、私たちはつい「恐怖」や「絶望」に飲み込まれがちだ。
たしかに、南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定は想像を超える。
何十万人が亡くなる、何百兆円が失われる──そんな未来が統計的に“予告”されている。

でも、だからといってただ怯えるだけでは、
何も変わらないし、誰の命も守れない。


■ 防災は「技術」である──つまり、学べる・備えられる・変えられる

  • 家具を固定する
  • 非常持ち出し袋を整える
  • 家族と連絡手段を決めておく
  • 心のバイアスに気づき、訓練を重ねる
  • 防災を生活に取り込むゲームに変える

どれも今日からできる「技術」だ。
才能も資格もいらない。
ただ、“はじめる”ことだけが難しい。


■ 「自分の備え」が、誰かの命も救う

  • あなたが率先避難者になることで、誰かも動く
  • あなたが家具を固定したことで、下敷きになる家族を救える
  • あなたが情報を整理して共有したことで、地域全体が助かるかもしれない

防災とは、“わたしの行動”が“誰かの命”とつながる行為だ。
それは、見えにくくても確かに存在する“希望の連鎖”。


■「備える」ということは、「生きる」ということ

地震は来る。避けられない。
でも、「そのときにどうするか」は、私たちの手の中にある。

生き延びることは、偶然ではなく準備の結果
そしてその準備は、ただ“怖い”という感情に屈するのではなく、
“守り抜く”という意志から生まれる。


ブクブー
ブクブー

「防災って、ただの知識じゃないんだブー。
“生きる覚悟”を、日常の中に育てることなんだブー!」


エピローグ──2025年・防災の日に寄せて

9月1日。
私たちは今、この瞬間も、巨大地震と隣り合わせに生きている。

でも、それは不安定さではなく、可能性の中にいるということかもしれない。
備えることで、誰かを守れる。
学ぶことで、自分の行動を変えられる。
恐れるのではなく、向き合うことで──未来は変えられる。

2025年の「防災の日」が、
あなたと、あなたの大切な人の“命を守るきっかけ”になりますように。

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