ついに、セ・リーグが「9人制野球」に別れを告げる時が来た──。
2027年シーズンから、指名打者(DH)制を正式導入することが発表された。
これにより、プロ野球界はセ・パともに完全に同じルールで試合が行われる新時代へと突入する。
「投手がバットを握り、打席に立つ」──
そんな野球の原風景とも言える光景は、あと2年で見納めとなる。
国際大会、高校野球、大学リーグ、そしてMLBまでもがすでにDH制に統一された中、
“最後の砦”だったセ・リーグが動いた背景とは?
選手起用・育成・戦略・観戦スタイル──
すべてを変えるこの一手は、「進化」か「喪失」か。
プロ野球の未来を揺さぶる大改革、その全貌を追う。
◆ 「ピッチャーが打席に立つ野球」終焉へ
2025年8月4日──
プロ野球セ・リーグは、2027年シーズンから指名打者(DH)制を正式導入することを発表した。
高校野球も2026年春からのDH制導入が決まり、これまで「投手も打つ」9人制野球を守ってきたセ・リーグが、
ついにパ・リーグと同じ試合形式を採用し、“新時代”に踏み出す。
◆ なぜ今、セもDH制を? 背景にある「世界標準」の波
セ・リーグのDH制導入──この決断には、複数の時代的背景がある。
■ 国際大会・MLB・高校・大学、すべてDH制に
- MLB:2022年からナ・リーグもDH制導入=全米“ユニバーサルDH”化
- 国際大会:WBCや五輪もすべてDH制
- 高校野球:2026年センバツから全国大会でDH制
- 大学野球:東京六大学なども来春導入、全国27連盟すべてDH化へ
つまり──
日本のプロ野球セ・リーグが“世界最後の非DHリーグ”になりつつあった。
NPB榊原コミッショナーは「セ・パのルール統一」を課題に掲げており、
今回の決定を「NPBが世界基準に前進するステップ」と位置づけた。
◆ 「投手が打席に立たない」…その功罪とは?
■ プラス面(導入賛成派の声)
- 投手の負担軽減 → 怪我・故障リスクの減少
- スラッガーの起用拡大 → 打撃特化型選手の活躍促進
- 選手寿命の延伸 → ベテラン・外国人スラッガーの活用
- 国際大会・MLB対応 → 「日本だけルール違う問題」解消
「交流戦もセ主催でDH使わせて!公平じゃない!」
■ マイナス面(慎重派の声)
- 戦略性の減少 → 投手交代・代打のタイミングの醍醐味が消える
- ファンの伝統意識 → 「9人制野球の美学」「投手の打席が好き」
- 慣れるまでの違和感 → 観戦スタイル・応援の変化
「監督が楽すぎる。ピッチャーに打順が回る醍醐味が…ない」
◆ セ・パの「力の差」も影響?
実はここ数年、交流戦でのパ・リーグの圧倒的強さが続いていた。
- 2025年交流戦:パ 63勝・セ 43勝・引き分け2
- コロナ禍の日本シリーズ(2020年):セ主催でもDH制導入 → 敗戦続く
つまりDH制の有無が、
「打線の層の厚み」「戦力育成」「試合運営」すべてに影響を及ぼしていたという見方もある。

「ピッチャーの打席がなくなるのは寂しいブーけど…
新しい野球のカタチ、ちょっとワクワクもするブー!
でも、ピッチャーの“気合バント”とかもう見られないブー!?(涙)」
◆ “最後の9人制”はあと2年…名残を楽しむシーズンに
セ・リーグが2027年からDH制導入を決めたことで、
「ピッチャーがバットを握る」9人制野球の光景は、残りあと2シーズン限りとなった。
それは単に“投手の打席がなくなる”というだけの話ではない。
野球という競技の醍醐味──采配の妙と戦略性が一部、姿を消すことも意味する。
● 投手ホームラン・送りバント職人
投手が放つ一発、そして細やかなバント──
「打てる投手」や「バントの名手」といった個性派ピッチャーの見せ場も、
セ・リーグの公式戦では事実上“絶滅”となる。
予想外のホームラン、見事なバントに沸いたスタンド──
そんなシーンを目に焼き付けるなら、今のうちかもしれない。
● ダブルスイッチ・代打策の妙
さらに消えるのは、投手交代と野手交代を同時に行うダブルスイッチの妙味。
また、投手に代打を送るタイミングや駆け引きといった「監督の腕の見せ所」も、
DH制導入によりセ・リーグからは姿を消す。
“投手に代打”が生む、痺れる展開──
そんな戦略的な醍醐味も、もうすぐ“懐かしい思い出”になる。
■ 「名場面はもうすぐ見納め」
かつて日本シリーズで、投手が放った意外性の一打が試合を動かした。
また、打席を迎える投手の表情や心の駆け引きも、野球の楽しみのひとつだった。
こうした“投手が打つ”野球の名残は、あと2年。
投手打席の最後のシーズン──ファンはその一球一打を、心に刻むことになる。

「あと2年…ピッチャーの打席が見られるのは、それが最後だブー。
バントも、奇跡の一発も、今のうちに目に焼き付けるブー!」
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