空にまたたく星たちは、すべて“見えているもの”──でも、それは宇宙のほんの4%。
銀河も、星も、私たちの体も、「素粒子」という点のような粒でできている。
でも、それらをすべて集めても、宇宙全体の96%は“正体不明”のナゾで満ちているという。
“星くず”から生まれた命、“幽霊粒子”に貫かれる毎日、
さらには“右利きが多い理由”にまでつながる宇宙のクセ──
見えないものに満ちた宇宙を、知の光で少しだけ照らしてみよう。
あなた自身の存在もまた、その謎の一部なのだから。
【第1章】「宇宙って何でできてるの?」という、素朴で壮大な問い
空を見上げて、ふと思う。
「この星々や銀河たち、いったい何でできてるの?」
「その“材料”って、どこから来たの?」
「そして…私たち人間は、何でできてるの?」
そんな根源的な問いを掘り下げてみると、宇宙の96%は、実は“わかっていない”という衝撃の事実にぶつかるのです。

「宇宙のこと、何も知らないと思ってたら…ほんとに“何もわかってない”ことがわかったブー!」
【第2章】星も、私たちの体も「素粒子」という“点”からできている
私たちが知る“物質の正体”を、どこまでも小さくたどっていくと──
- 分子(H₂O、CO₂など)
- 原子(水素、酸素など)
- 原子核(陽子、中性子)
- クォーク、レプトン(素粒子)
という具合に、どんどん小さく、そして単純になっていきます。
例えるなら──
原子全体が「野球場」だとしたら、原子核は「野球ボール」サイズ
その核を構成する素粒子は、さらに小さい“点のような存在”。
つまり、私たちも、星も、空気も、あらゆる“もの”は「素粒子」がつくっているんです。
【第3章】それでも「宇宙の4%」──“見えている世界”の限界
意外かもしれませんが──
星、銀河、ガス、私たちの体、木々、大地、すべてを集めても、宇宙全体のたった4%。
残りの96%は、
「見えないけれど、そこに“ある”としか言えない謎の存在」──それが、
- 暗黒物質(ダークマター)=23%
- 暗黒エネルギー(ダークエナジー)=73%
なんです。
暗黒物質=星や銀河が“飛び散らずに済んでいる”原因
暗黒エネルギー=宇宙の“膨張スピード”を加速させている

「宇宙って、ほとんど“ナゾ”でできてるブー…むしろ“ナゾこそ正体”って感じだブー!」
【第4章】宇宙誕生の瞬間──高温高圧の“火の玉”だった
ビッグバン理論によると、宇宙は約138億年前に“高温・高圧の火の玉”として誕生しました。
この火の玉の中で、素粒子たちが猛スピードで飛び交い、ぶつかり合い、組み合わさり、やがて最初の“物質”が生まれます。
そして──
時間とともに冷え、広がり、星や銀河、惑星、生命が登場する舞台が整っていったのです。

「宇宙の始まりは、“静けさ”じゃなくて“火の玉カオス”だったブー…想像を超えるブー!」
【第5章】私たちは「星の死骸」から生まれた
科学が明らかにしたのは、さらに驚くべき事実──
私たちの体は“星のカケラ”でできている。
カルシウム、鉄、酸素、炭素…
私たちの体にあるこうした元素は、恒星が燃え尽きるとき=超新星爆発で宇宙に撒き散らされたもの。
それが長い時間をかけて集まり、地球となり、生命となり、私たちとなったのです。

「つまりボクたちは“星くずから生まれた命”…なんか、ロマンのかたまりだブー…」
【第6章】ニュートリノは“体をすり抜けている素粒子”
もっと身近な“宇宙の名残”もあります。
それが──ニュートリノ。
ニュートリノは、ほとんど物質と反応しない“幽霊のような素粒子”。
そして今も、毎秒何十兆個という数のニュートリノが、あなたの体を突き抜けているのです。
この膨大な数のニュートリノは、宇宙誕生の直後──高温高圧の火の玉だった時代に大量に放出されたもので、今もほぼ光速で飛び続けているのです。
反応がほぼないから、感じることはできないけれど──
私たちは“素粒子シャワー”の中に生きているのです。
【第7章】右利きが多いのは、宇宙の法則が偏ってるから!?
ちょっと不思議な話もあります。
かのノーベル物理学賞「南部理論」は、宇宙には“左右対称じゃない偏り”があることを示した理論です。
この「対称性の破れ」は、
- 宇宙が右回転・左回転のどちらかに偏っている
- 生命に右利きが多い理由とも関係しているのでは?
と議論されています。
宇宙の物理法則そのものが、“右か左か”を選んでいる。

「右利きが多い理由が、“宇宙のクセ”だったなんて…もう何が何だかわからんブー…」
【まとめ】──宇宙は“わからなさ”でできている
わかっているようで、実は全然わかっていない。
“見えているもの”より、“見えていないもの”のほうが圧倒的に多い。
それでも私たちは、
見えないものを探り、仮説を立て、知を積み重ねてきた。
科学とは、まさに「わからないこと」を少しずつ明らかにする旅なのです。
- 原子 → 原子核 → クォーク・レプトン(素粒子)
- 宇宙の4%=目に見えるもの(星・人間・ガスなど)
- 残り96%=暗黒物質(23%)+暗黒エネルギー(73%)
- 私たちの体=超新星の星くず
- ニュートリノ=常に私たちをすり抜けている幽霊粒子
そしてあなた自身も、宇宙の一部──星のかけらでできている。
「私って何でできているの?」の答えは、遠い銀河の向こうからやってくるのです。
コメント