お風呂あがりに手を見ると、いつの間にか“しわしわ”になっている。
誰もが一度は経験するこの現象、実は「濡れてふやけたから」ではなかったとしたら?
研究によれば、これは皮膚の“事故”ではなく、脳が意図的に出している指令なのだという。
その目的とは──?
今回は、日常の何気ない疑問から始まる人体の進化トリックを徹底解剖する。
■ どうして手足だけ「しわしわ」になるのか?
お風呂やプールで、しばらく手や足を水に浸けていると、
まるで年老いたように皮膚がしわしわになる。
でも──
なぜその現象が、手と足だけで起きるのか?
なぜ腕やお腹はしわしわにならないのか?
それは単なる“ふやけ”ではなく、神経が制御する現象だったのです。
■ 神経が切れると「しわしわ」にならない
ある研究で、次のような事実が明らかになりました。
指先に繋がる神経を損傷・切断した人は、
水に長時間浸しても皮膚がしわしわにならなかったのです。
つまり、
- 皮膚が水を吸ってふやけたわけではない
- 手足が「濡れている」と感じた脳が、意図的にしわしわを“命令”している
この現象は、いわば自律神経による反射行動の一種だったのです。
■ では、なぜ脳は“わざわざ”しわしわを作るのか?
答えは…なんと「グリップ力の向上」。
◆ タイヤの話をしましょう
レース用タイヤには大きく2種類あります。
- スリックタイヤ(つるつる)
→ ドライ路面で最強のグリップ - レインタイヤ(溝あり)
→ 濡れた路面で排水性が高く、滑りにくい
この“レインタイヤ”のような機能を、
人間の手足もしわしわで再現しているというのです。
■ “進化する手足”──水中での生存戦略?
私たちの祖先がジャングルや湿地を歩き回っていた時代──
雨上がりのぬかるみを、川辺の岩を、滑らずに歩く必要がありました。
そのとき、しわしわの指は
「濡れた環境でもモノを掴める・立てる」能力を発揮したのです。
これこそが、人類の手足に備わった“雨の日モード”とも言える反応。
■ 人体は、未だ“進化のデバイス”だった
この現象の興味深いポイントは、
- 視覚的には「劣化」に見えるのに、実は機能向上
- 濡れた=しわしわ、という即時スイッチング
- 現代人にも残っている本能的な生存回路
科学的には、皮膚内の血管を収縮させることで
皮膚表面に“谷”を作り、排水性能の高い凹凸を一時的に作ると言われています。

「指がふやけたと思ってたら、まさかの“スリップ防止機能”だったブー!?
脳って…やること細かすぎじゃないかブー?でも、ありがたいブー。
これからはお風呂でしわしわ見ても、「オレ、進化してる」って思っていいブー!」
【まとめ】「しわしわ」は退化ではなく、水上サバイバル仕様
- 手足のしわしわ現象は神経による自律的反応だった
- 濡れた状況でのグリップ力を高める“進化の名残”
- その機能性は、まるで人間版・レインタイヤ
- 日常の何気ない現象にも、知的なデザインが隠れている
次にあなたの指先がしわしわになった時──
それは、脳が静かに“湿地戦闘モード”を起動したサインかもしれません。
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