「バナナの皮で滑って転ぶ」──そんな描写、どこかで見たことありませんか?
アニメやゲームの中では定番のギャグ。でも、冷静に考えるとちょっと不思議です。
本当にあんなに滑るものなんでしょうか? それとも単なるフィクション?
実はその“ギャグ描写”を、本気で科学的に検証した人たちがいるのです。
そしてその研究は、世界的な賞を受けるほどの評価を受けることに──。
■ ゲームやアニメだけの話じゃなかった?
「バナナの皮を踏んでツルッと転ぶ」──
誰もが漫画やゲームで一度は見たことがある、お約束のギャグ。
でも考えてみれば、あれはただのフィクションだと思っていませんか?
実は、バナナの皮は現実でも本当に“異常に滑る”のです。
■ バナナの皮、なぜそんなに滑るのか?
研究によれば、その理由はバナナの皮の細胞構造にありました。
- 皮の内側には無数の小さな細胞がぎっしり
- 踏みつけられると細胞が潰れ、粘液(多糖類を含むゲル状物質)が染み出す
- その結果、床と靴の間に「潤滑ゼリー」を塗ったような状態になる
つまり、摩擦力が一気に低下し、
通常の床の約6倍も滑りやすくなることが判明しました。
■ 誰がどうやって証明したのか?
この研究を行ったのは、北里大学の馬渕清資 名誉教授。
彼はなんと、摩擦測定器の上でひたすらバナナの皮を踏み続けたのです。
地道な測定の結果、「バナナの皮は人が想像していた以上に危険なトラップである」と実証されました。
その功績(?)が評価され、
2014年にイグ・ノーベル賞 物理学賞を受賞。
「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に贈られるこのユーモラスな賞に、
バナナの皮は見事に輝いたのです。
■ 科学とユーモアの交差点
この研究が面白いのは、「笑いのネタ」から本物の科学が生まれたこと。
- 日常の“お約束”を疑ってみる
- 測定器を使って本気で調べる
- そして、科学的な裏付けを残す
まさに「遊び心が科学を進める」好例です。
■ まとめ:バナナの皮は、笑いと科学をつなぐ架け橋だった
- バナナの皮は細胞内の粘液により摩擦を極端に減らす
- 実験で「6倍滑りやすい」ことが明らかに
- 北里大学の馬渕教授が2014年イグ・ノーベル賞を受賞
- 笑いの対象が、いつしか科学的真実として記録に残った

ブクブー
「バナナで転ぶなんて…ギャグだと思ってたブー!
でも、科学でちゃんと証明されたって聞くと…逆に滑れなくなる気がするブー。
それにしても──「笑い」と「学び」って、案外すぐ隣り合わせなんだブーね!」
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