「今日の降水量は100ミリです」──
ニュースで聞き慣れたこのフレーズ。けれど、“100ミリって実際どのくらいなのか”、ちゃんとイメージできている人は意外と少ない。
そんな中、警視庁災害対策課が過去に公式Xで発信した、
「1時間あたり100ミリの雨」の“例え”がネット上で話題に。
「1リットルのペットボトルが100本、1m四方の箱にズドン」
──そのイメージは衝撃的で、「ヒィィィ!」「マジでえぐい」などの声が続出した。
本記事では、この“○○ミリの雨”という表現が持つリアルな意味と、
私たちの暮らしや防災にどう関わるのかをわかりやすく解説・考察していく。
第1章:「1時間に100ミリの雨」って、どんな状態?
まずは警視庁の公式投稿から。
「1時間あたり100ミリの雨」は、「1メートル四方の箱に10センチの深さで雨が溜まる」ことを意味します。

これはつまり、
1メートル四方のエリアに、10リットルの水がドバッと注がれた状態。
しかも水の重さは1リットル=1キロ。
ということは、100キロ分の水が、1時間でそのエリアに降ってくるという計算になる。

(1リットルの)ペットボトル100本が空から落ちてくると思ったら…想像しただけでずぶ濡れだブー!
第2章:では「10ミリ」「50ミリ」は? “降水量の目安”一覧
ニュースではよく「◯ミリの雨が…」という表現が使われるが、
それぞれどんな状況になるのか、ざっくりとした“体感イメージ”は以下の通り。
降水量(1時間あたり) | 状態・目安 |
---|---|
10ミリ前後 | 傘がないとずぶ濡れ、道路がしっとり濡れる程度 |
20〜30ミリ | 強い雨と感じるレベル、ワイパー速くしても前が見づらい |
50ミリ以上 | バケツをひっくり返したような雨、傘がほぼ無意味 |
80ミリ超 | 激しい雷雨や集中豪雨クラス、外出は控えるべき危険水準 |
100ミリ以上 | 局地的な災害を引き起こすレベル。地面が水を吸収できず冠水が起こる |
つまり「1時間に100ミリの雨」=ただの“雨”ではなく、“災害”の入り口。
第3章:「膝下でも危険」…警視庁が警告する“見えない罠”
警視庁はさらに、降水時の冠水についても注意喚起している。
- 「蓋が外れたマンホールが水中に潜んでいる可能性がある」
- 「運動靴の方が長靴より脱げにくい」
- 「縁石が沈んだ道路は避けて」
- 「側溝のゴミを急にどけると吸い込まれることがある」
つまり、単純に“水たまり”とナメてはいけない。
水深10cm程度でも「見えない危険」が無数に潜んでいる。

マンホール開いてるかもって、こわすぎだブー…!
水って透明だからって油断したらダメだブー!
第4章:なぜ「◯ミリの雨」はわかりにくいのか?
- センチメートルでもなく、リットルでもなく、“ミリ”表記
- “時間あたり”の概念が直感に結びつきにくい
- そもそも「雨=濡れるもの」という感覚で止まっている
これらの理由で、
「ミリの雨=深刻な現象」という実感が、多くの人に根付いていない。
その中で警視庁の“ペットボトル換算”は、
視覚的・感覚的に刺さる好例だったといえる。
第5章:「雨を数値で見る力」が、命を守る
今後、異常気象や線状降水帯の発生が増えていく中で、
「◯ミリの雨=どれくらい危ないのか」を感覚で理解することは、防災リテラシーの一部だ。
こうした情報を“ピンとくる”形で知っておくことが、
いざという時に命を守る判断力につながる。

「ミリ」って数字だけだとピンとこないけど、
ペットボトル100本の雨が落ちてくるって思ったら…ちゃんと怖がれるブー!
まとめ:「◯ミリの雨」を“体感”でとらえる時代へ
ニュースや天気予報でさらっと流れる「降水量◯ミリ」という情報。
だけど、その裏にあるのは、
- 100キロの水が空から落ちてくる
- 子どもが流される冠水
- 見えないマンホールの罠
といった命に関わる事態だ。
だからこそ、数字をただ“聞き流す”のではなく、
「それってどんな状態?」と考えるクセを持つことが大切。
「◯ミリの雨」──それは、あなた自身と、大切な人を守るためのヒントなのだ。
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