“お〜いお茶”は、なぜここまでこだわるのか──世界一の緑茶企業、「伊藤園」の革新力に迫る

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日本のお茶が、世界のドリンクへ──。
「お〜いお茶」がいま、世界40カ国以上で親しまれ、ギネス記録に7年連続で認定されているのをご存じだろうか?

缶やペットボトルに緑茶を詰める──そのシンプルに見える技術の裏には、10年にわたる開発と6万通りを超える試作品、酸化との闘い、そして“容器ごとに味を変える”という常識外のこだわりがあった。

ペットボトルの切れ込みひとつ、商品名の言葉ひとつに至るまで、伊藤園は緑茶と真剣に向き合い続けてきた。
その情熱が、いまや“世界一飲まれている緑茶”という称号に結実している。

本記事では、誰もが一度は口にした「お〜いお茶」が、なぜここまで世界で愛されているのか──
その舞台裏にある技術・思想・挑戦を、濃厚にひも解く。


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■ 日本人の「喉」と「心」を潤す緑茶──そして、世界へ

日本の伝統飲料、緑茶
平安時代から愛され続けてきたこの飲み物は、今──世界で“健康の象徴”として再評価されている。

輸出額の推移
  • 2014年:78億円
  • 2024年:364億円
  • 2025年(予測):570億円超

世界の健康志向とともに、“無糖の日本茶”が求められる時代。
この波を誰よりも早く捉え、世界に挑み続けてきた企業がある。
それが、伊藤園──そして、その象徴こそが「お〜いお茶」なのだ。


■ 「世界初の緑茶飲料」は、10年かけて生まれた

1985年、伊藤園が打ち出した挑戦。

世界初の缶入り無糖緑茶飲料

だが、これは単なる“缶に詰める”だけではなかった。

お茶の最大の敵は酸化。りんごのように、空気に触れただけで風味が変わる。


◆ 試行錯誤の記録(驚異の試作品数)

項目数値
開発期間10年
試作品62,700通り
解決法窒素を缶内に注入し、酸素を除去
ブクブー
ブクブー

「風味を守るために“酸素と戦った”10年…まさに“飲む科学”だブー!」


■ 「煎茶」から「お〜いお茶」へ──名前だけで売上6倍

発売当初の名称はシンプルに「煎茶」
だが、なかなか売れなかった。

そこで生まれたのが、1989年の改名──

「お〜いお茶」という呼びかけるようなネーミング。

結果、売上6倍
声をかける“あたたかさ”が、全国に緑茶ブームを広げていくこととなった。


■ PETボトル緑茶の進化も「世界初」づくし!

革新内容
1990世界初!PETボトル緑茶(1.5L)発売
1996500mlサイズ登場
2000ホット専用ボトル
2016電子レンジ対応商品

そして最新のペットボトルには…

ペットボトル上部に70本の切れ目=光を乱反射させて酸化を防ぐ工夫

ボトルの“形状”で味を守る──まさに工業デザインと伝統の融合なのだ。


■ 「容器ごとに味を変えている」って知ってた?

伊藤園のすごさはここから。

同じ“お〜いお茶”でも、容器によって味の濃さや香りを変えている。


◆ 容器別:味の違い一覧

容器味の特徴想定シーン
小型缶やや濃い味一気飲み・短時間の満足感
ペットボトルスッキリ味長時間・ゆっくり飲む
紙パックストローで飲む設計学校やランチタイムなど

これは、“1本を飲み切るまで”を想定して調整された、飲用体験のデザインだ。


■ 「ティーテイスター」──社内資格が裏付ける品質

伊藤園には「ティーテイスター」というお茶の官能評価資格制度がある。

等級所持者数(約8,000人中)
3級2,064人
2級443人
1級(最高位)20人のみ

1級は超難関試験を突破した“茶の匠”。
その知見が味の根幹を支えている。


■ 世界戦略──お〜いお茶が無糖の緑茶文化を輸出する

現在「お〜いお茶」は、世界40カ国以上で販売中
無糖緑茶という日本文化をそのまま伝え、健康志向の中でじわじわと支持を拡大。

そして2025年9月22日──

新作「お〜いお茶 LEMON GREEN」発売!


◆ 世界の好みに寄せつつ、日本の味は守る

  • レモンティー文化のあるアメリカに向けての緑茶×レモン
  • 香りはさわやか、甘くない、それでいて飲みやすい
  • あくまで“無糖”を貫きつつ、新しい飲用層を狙う
ブクブー
ブクブー

「世界の味覚に歩み寄る。でも、“日本のお茶”の芯はブレないんだブー!」


■ 伊藤園が目指すのは“世界のお茶会社”

競合は国内だけではない。
今、伊藤園は明確に「世界市場」を見据えている。

  • 健康志向 × 無糖茶文化の輸出
  • テクノロジーと職人技の融合
  • 細部まで緻密に設計された“飲み物としての体験”

■ まとめ:なぜ“お〜いお茶”は世界一なのか?

  • 緑茶飲料の“すべてのはじまり”をつくった伊藤園
  • 酸化と戦い、光から守り、容器で味を変える
  • 社内資格で品質管理、世界戦略は無糖の文化ごと輸出
  • 新たな挑戦「LEMON GREEN」は次世代の布石

「ただのお茶」じゃなかった。
“飲むたびに違う”という、このこだわりに、私たちは気づいていなかったのかもしれない。

ブクブー
ブクブー

「お〜いお茶って、“お茶の完成形”じゃなくて、“進化の最前線”だったブー!」

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