どのくらいの量まで献血しても大丈夫?──人体の“限界量”と安全な献血量が〇〇mlである根拠

健康
この記事は約4分で読めます。

病気や怪我で輸血を必要としている誰かのために。献血は我々が手軽に参加できる最も尊いボランティア活動の一つである。
しかし自らの血液を提供するにあたり、多くの人が素朴な、しかし根源的な疑問を抱いたことがあるのではないだろうか。

「一体どのくらいの量を抜かれても、自分は大丈夫なのだろうか?」と。

本稿は、この献血の安全性に関する極めて重要な問いに対し、我々の体内に流れる血液の総量、失われると生命の危機に瀕する「限界量」、そして現在の献血制度が「200ml」および「400ml」という量を採用している科学的な根拠を解き明かすレポートである。



第一章:我々の体内にはどれくらいの血液が流れているのか

まず我々の生命活動の根幹を支える血液が、体内にどれくらいの量存在しているのかを知る必要がある。

  • 体重の約13分の1
    • 人間の体内を流れる血液の総量は個人差はあるものの、おおよそ体重の13分の1と言われている。
    • 例えば体重65kgの人であれば、その体内には約5kgの血液が流れている計算になる。
  • 牛乳パック5本分
    • 血液の比重は約1.06と水とほぼ同じであるため、この5kgという量は1リットル入りの牛乳パック約5本分に相当する。
    • この5本の牛乳パック分の血液が休むことなく全身を駆け巡り、我々の生命を維持しているのだ。

第二章:生命の“デッドライン”──どれだけ失うと危険なのか

ではこの牛乳パック5本分の血液のうち、どれくらいの量が失われると生命に危険が及ぶのだろうか。

  • 「3分の1」という一つの目安
    • 医学的に「出血多量」によって生命の危機に瀕する恐れが出てくるのは、全血液量の約3分の1が失われたあたりからとされている。
    • 体重65kgの人であれば牛乳パック5本のうち約1.5本分(約1.7リットル)以上を急激に失うと、極めて危険な状態に陥るということだ。
  • 理論上の献血可能量
    • つまり理論上は、この「3分の1」というデッドラインを超えない範囲、体重65kgの人であれば1リットル程度の採血は直ちに生命に関わるわけではないということになる。
ブクブー
ブクブー

「ひえーっ!牛乳パック1本半も血がなくなったら危ないんだブーか!でも逆に言えばそれまでは意外と大丈夫なんだブーね…。人間の体ってすごいんだブー!」


第三章:なぜ献血は「200ml」と「400ml」なのか?

ではなぜ実際の献血量は、この理論上の限界値よりも遥かに少ない「200ml」と「400ml」に設定されているのだろうか。

  • 「短期間で回復できる量」という絶対的な安全基準
    • その理由は献血が提供者の健康を絶対に損なわないという大原則の上に成り立っているからだ。
    • 「200ml」および「400ml」という量は万が一の体調不良のリスクを最小限に抑え、かつ失われた血液成分が日常生活に支障をきたすことなく短期間で自然に回復できる安全な量として科学的に算出されている。
  • 失われた血液の回復時間
    • 例えば200mlの献血の場合、
      • 血液の全体量(血漿など水分の部分)はわずか2〜3時間で回復する。
      • 回復に最も時間がかかるとされる、酸素を運ぶ「赤血球」でさえも約4週間ほどで元の量に戻るとされている。
ブクブー
ブクブー

「なるほどだブー!僕たちがちょっとフラフラしたりするかもしれないけど、ちゃんとすぐに元に戻るように計算された安全な量だったんだブーね!これなら安心して献血できるんだブー!」


終章:善意と安全の完璧なバランス

結論として現在の献血制度が採用している「200ml」および「400ml」という量は、

生命の安全を確保する医学的なデッドラインと、
提供者の健康と日常に負担をかけないという倫理的な配慮
その両方を満たす極めて合理的でそして安全な数値なのである。

我々が差し出すコップ一杯、あるいはペットボトル一本分にも満たないそのささやかな善意。
しかしその一滴一滴が科学的に管理され、そして何よりも安全に運用されることで、今日もどこかで誰かの命を救っている。

その事実を知る時、我々はより安心してそして誇りを持って、献血という尊い行動に参加することができるのかもしれない。

健康実用教養科学雑学
NEWS OFFをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました