デヴィ夫人、書類送検報道──愛犬の死と“暴行”疑惑の裏で繰り返される半世紀の「トラブル史」

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2026年1月23日、タレントの「デヴィ夫人」ことデヴィ・スカルノさん(85)が傷害の疑いで警視庁に書類送検されたという一報が日本中を駆け巡った。2025年10月、都内の動物病院で愛犬の死を巡り、当時マネージャーだった30代の女性に暴行を加え全治2週間の怪我を負わせた疑い。

しかしこの事件を単なる「ペットロスによる感情的な爆発」として片付けることは、彼女の半世紀に及ぶ公的な活動の歴史を見誤ることになる。
1976年のパリでの訴訟沙汰から1992年の米国アスペンにおける傷害事件、そして数々のインターネット上での炎上に至るまで、デヴィ夫人のキャリアは常に「権威」と「闘争」、そして「法廷」と共にあった。

本稿は、今回の書類送検事件の詳細なファクトを起点とし、彼女がなぜ同様のトラブルを繰り返すのか、その驚くべき「トラブル史」の深層に迫るレポートである。


第一章:2026年1月 書類送検事件の全貌

今回の法的措置に至る直接的な契機となったのは、2025年10月28日の深夜に発生した事案である。

  • 事件の経緯
    • デヴィ夫人の愛犬(チワワ)が体調を崩し渋谷区内の動物病院に入院していたが容体が急変。
    • マネージャーが先行して対応していたが、デヴィ夫人が病院に到着した際には既に死亡していた。
    • 愛犬の死を知らされたデヴィ夫人は激昂し、病院スタッフや仲裁に入ったマネージャーとトラブルになったとされる。
  • 暴行・傷害の具体的容疑
    • 警視庁の捜査によればデヴィ夫人はこの仲裁に入ったマネージャーに対し「殴る」「蹴る」といった暴行を加え、全治約2週間の怪我を負わせたとされる。
    • これに対しデヴィ夫人側は事務所を通じてコメントを発表。「マネージャーが夫人を後ろから羽交い締めにするように抑え込もうとしたため、夫人が彼女の腕を振り払ったことは事実です」と身体的接触は認めたものの、「殴る」や「蹴る」といった行為は「一切行われておりません」と全面的に否定している。
  • 二つの要因:「ペットロス」と「酩酊」
    • 捜査関係者によれば当時デヴィ夫人は酒に酔った状態であったとみられている。
    • さらに夫人は自身のSNSで「どうせ助からないのであれば病院などに行かせずママの腕の中で息を引き取ってもらいたかったです」と投稿しており、病院への強い不信感と愛犬を失った深い悲しみが感情の爆発に繋がった可能性が推察される。
ブクブー
ブクブー

「うう…。ワンちゃんが亡くなったのは本当に悲しいことだブー…。でもだからってマネージャーさんに暴力をふるっていい理由にはならないんだブー…。どっちの言い分が本当なんだブーか…。」


第二章:繰り返される“闘争”──デヴィ・スカルノの「トラブル・アーキタイプ」

今回の事件を深く理解するためには過去50年にわたるトラブルの歴史を紐解く必要がある。デヴィ夫人の行動様式には驚くほど一貫したパターンが存在するのだ。

事件区分概要結果・処分
1976年名誉毀損裁判パリのナイトクラブで女性客を平手打ちし出禁に。名誉毀損で訴訟。裁判所は賠償命令を下したが賠償額は僅少。
1992年傷害(米国)シャンパングラスで女性の顔面を殴打(37針)禁錮60日(34日間収監)
2009年器物損壊(疑惑)自宅前の右翼団体の街宣車に植木鉢を投げつけ。警察沙汰になるも事件化せず。
2014年名誉毀損大津いじめ事件で無関係の女性の写真を「加害者の母親」としてブログに掲載。民事敗訴(165万円の賠償命令後、高裁で和解)
2014年暴行(TBS)番組収録中に一般女性出演者を平手打ち3回被害届提出後、示談成立
2025年暴行(書類送検)事務所従業員にグラスなどを投げつけ容疑否認、捜査継続中
2026年傷害(書類送検)元マネージャーを殴打(全治2週)容疑否認、検察判断待ち
  • 1992年 米国アスペン傷害事件:原点にして最大の汚点
    • デヴィ夫人の「武闘派」としてのイメージを世界的に決定づけたのがこの事件だ。スキーリゾート地アスペンでのパーティー中、フィリピンの元大統領の孫娘と口論になり、手にしたシャンパングラスで相手の顔面を殴打。37針を縫う大怪我を負わせ傷害容疑で逮捕・起訴され、34日間収監されている。
  • 物理的接触を厭わない姿勢
    • 2014年のTBS番組収録中における一般女性への平手打ち事件や、2009年に自宅前の右翼団体の街宣車へ植木鉢を投げつけたとされる事件など、彼女が言葉の応酬だけでなく物理的な実力行使を厭わない人物であることが伺える。
  • インターネットによる「私刑」
    • 2014年には大津いじめ自殺事件に関連し、全く無関係の女性の写真を「加害者の母親」として自身のブログに掲載。名誉毀損で訴えられ、165万円の賠償を命じられている(後に高裁で和解)。この事件は彼女の「正義感」が時に事実確認を飛び越え、暴走する危険性を孕んでいることを示している。
ブクブー
ブクブー

「ひえーっ!シャンパングラスで人を殴って刑務所に入ってたんだブーか!テレビの収録中でも人を叩いちゃうなんて…。なんだかもう次元が違うんだブー!」


第三章:組織の崩壊──2900万円の「未払い賃金」判決

デヴィ夫人の事務所における労務管理の問題は、今回の暴行事件以前から司法の場で断罪されていた。

2024年12月、東京地方裁判所はデヴィ夫人の事務所に対し、元従業員の解雇を無効とし未払い賃金や残業代など計約2900万円の支払いを命じる判決を下している。

この判決はデヴィ夫人の事務所において労働基準法や雇用契約が軽視され、独裁的なマネジメントが行われていたことを公的に裏付けるものだ。

スタッフとの信頼関係が根本から崩壊していた土壌が、2025年、2026年の連続暴行事件へと繋がったと考えられる。


終章:「デヴィ夫人だから」では、もう済まされない

結論としてデヴィ・スカルノ夫人の2026年書類送検事件は、単なるペットロスによる悲劇ではない。それは半世紀にわたり蓄積された彼女の攻撃的な行動パターンの、必然的な帰結である。

「グラス」を凶器とする暴力性、スタッフに対する高圧的な支配、そして法的・社会的規範との絶え間ない摩擦。
かつては「ご意見番」として世の中を斬ってきた彼女が、今、法と社会によってその責任を厳しく問われようとしている。
愛犬の死という同情すべき状況があったにせよ、医療現場での暴行と従業員への傷害は法治国家において看過されるものではない。

この事件の結末は彼女の晩節を決定づけるだけでなく、日本の芸能界における「特権」と「コンプライアンス」の境界線を、我々に改めて問い直す試金石となるだろう。

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