2026年、日本のテレビ業界における「平日午後の勢力図」が劇的に塗り替えられようとしている。
長年、同時間帯の絶対王者として君臨してきた『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ制作・日本テレビ系)が、2026年秋の改編をもって終了するとの報道がなされた。
時を同じくして、関西テレビ(カンテレ)制作の『旬感LIVE とれたてっ!』が、2月25日から関東地区(フジテレビ)での放送枠を2時間に拡大し、本格的な「全国獲り」へと動き出す。
既存の覇者『ゴゴスマ』(CBC制作・TBS系)、終焉に向かう『ミヤネ屋』、そして新興勢力の『とれたてっ!』。
本稿は、これらが激突する「2月の三つ巴」の構図と、元日本テレビアナウンサー・青木源太にとって古巣の看板番組終了がどのような意味を持つのか、その構造的要因と勝算を分析するレポートである。
第一章:「ミヤネ屋」終了の深層──“関西敗北”が決定打か
2006年の開始以来、約20年にわたり午後の顔であり続けた宮根誠司(62)。その引き際は、視聴率競争の冷徹な現実を映し出していた。

- 「3大都市圏」での完全敗北
- 報道によれば、宮根氏が降板を決意した背景には「番組20周年の節目」「体力・年齢的な限界」に加え、視聴率における完敗がある。
- かつては無敵を誇ったが、近年は裏番組『ゴゴスマ』に対し、関東・名古屋はおろか、“お膝元”である関西地区でも視聴率首位を明け渡したとされる。この「ホームでの敗北」が、負けず嫌いで知られる宮根氏のプライドに大きな影を落としたことは想像に難くない。
- 求められるMC像の変化
- 宮根氏の持ち味であった「本音で切り込む」「視聴者を扇動する」スタイルから、時代は「共感する」「寄り添う」スタイルへとシフトした。
- 14歳年下の石井亮次(ゴゴスマMC)が醸し出す“低姿勢”な空気感が、現代の視聴者ニーズと合致した結果と言える。

「ええーっ!あの宮根さんが終わっちゃうんだブー!?関西でも視聴率が取れなくなってたなんてショックだブー…。時代の流れって残酷なんだブーね…。」
第二章:『とれたてっ!』の野心 ──“関東2時間化”の勝算
『ミヤネ屋』が守りの姿勢に入る中、攻勢に出たのがカンテレ制作の『旬感LIVE とれたてっ!』である。2月25日からの関東地区での放送枠拡大(13:50スタートの2時間化)は、フジテレビが自社制作を事実上諦め、大阪のパワーに賭けたことを意味する。

- 青木源太という「戦略物資」
- MCの青木源太(42)は元日本テレビのアナウンサーであり、『スッキリ』や『バゲット』で培った技術を持つ。
- 彼はフリー転身に際し、東京から大阪へ移住し、退路を断ってこの番組に賭けている。この「覚悟」と「日テレ出身」というブランドは、関東の視聴者にとって“知らない地方局アナ”ではないという安心感を与える。
- 「熱量」による差別化戦略
- 『ゴゴスマ』が「柔(ソフト)」、『ミヤネ屋』が「剛(ハード)」であるならば、『とれたてっ!』が目指すのは「熱(ヒート)」である。
- ハイヒール・リンゴ、橋下徹、黒田有といった、関西特有の瞬発力と爆発力を持つコメンテーター陣を配置。「一瞬のしゃべりの熱量」で、予定調和を破壊するトークバラエティ化を狙う。
第三章:分析──『ミヤネ屋』終了は青木源太への「追い風」となるか?
視聴者の関心事である「追い風か否か」について、メディア論的視点から分析すると、答えは「条件付きのイエス」となる。

- 追い風となる要因:浮動票の受け皿
- 秋に『ミヤネ屋』が終了すれば、数百万人の視聴者が「行き場」を失う。
- その際、元日テレの青木源太は、『ミヤネ屋』難民にとって最も心理的ハードルの低い移行先となり得る。「ゴゴスマは物足りないが、新しい日テレの番組も馴染めない」層を取り込める最大の好機だ。
- 懸念点:「関西アレルギー」と「ゴゴスマの壁」
- しかし、関東視聴者は「コテコテの関西ノリ」に対して拒絶反応を示すことがある。『とれたてっ!』が関西ローカルの話題や内輪受けに終始すれば、視聴者は静かで実用的な『ゴゴスマ』へと流れるだろう。
- すでに『ゴゴスマ』は気象情報や生活情報において圧倒的な信頼(習慣)を築いており、この牙城を崩すのは容易ではない。

「なるほどだブー!元日テレの人なら見やすいけど、あまりにも関西色が強すぎると関東の人はビックリしちゃうかもしれないブーね…。そのバランスが難しそうだブー!」
青木源太の「勝機」と「死角」
- 勝機(ミヤネ屋難民の受け皿): 秋に『ミヤネ屋』が終われば、数百万人の視聴者が行き場を失う。その際、元日テレの青木は、最も心理的ハードルの低い移行先となり得る。「ゴゴスマは物足りないが、新しい日テレ番組も馴染めない」層を取り込む最大の好機だ。
- 死角(関西アレルギー): しかし、関東視聴者は「コテコテの関西ノリ」に拒絶反応を示すことがある。内輪受けに終始すれば、視聴者は静かで実用的な『ゴゴスマ』へと流れるだろう。
終章:2月から始まる「半年間のオーディション」
2026年2月25日、関東での『とれたてっ!』拡大放送が始まった瞬間から、青木源太にとっての真の戦いが始まる。
これは単なる枠拡大ではない。秋の『ミヤネ屋』終了を見据え、「ポスト・ミヤネの座を誰が埋めるのか」を世に問う、約半年間の公開オーディションである。
『ミヤネ屋』が幕を下ろす秋までに、青木源太が「元日テレの優等生」という殻を破り、関西の猛獣(コメンテーター)たちを御しながら、関東の視聴者にも響く新たな「午後の顔」としての地位を確立できるか。
日本の午後のテレビ画面は今、かつてない群雄割拠の時代へと突入した。



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