【完全版】まさに“不適切にもほどがある!”──令和のいま振り返る昭和の非常識大全

教養
この記事は約22分で読めます。

いま見れば、完全アウト。
でも、昭和のあの頃は、それが“当たり前”だった。
学校、職場、家庭、街──
いまなら即炎上レベルの“非常識”が、堂々とまかり通っていた時代。

笑いながら、少し怖がりながら、
そして、少しだけ懐かしく。
昭和の“非常識”を、いまだからこそ振り返ろう。
それは、私たちが歩いてきた確かな足跡だから。


  1. 【第1章】自由すぎた車内、無防備な旅路
  2. 【第2章】電車内タバコ天国
  3. 【第3章】授業中、先生のチョーク投げが名物
  4. 【第4章】学校では「水を飲むな」が常識
  5. 【第5章】バス停や駅に「痰壺(たんつぼ)」設置
  6. 【第6章】教室でゲンコツ・ビンタは日常茶飯事
  7. 【第7章】正月三が日は全休、街はゴーストタウン
  8. 【第8章】部活=根性、脱水、坊主頭強制
  9. 【第9章】バイク三人乗り、ノーヘル暴走上等
  10. 【第10章】飛行機でタバコモクモク
  11. 【第11章】ゴールデンタイムにプロレス中継
  12. 【第12章】道路遊びは日常、轢かれても自己責任
  13. 【第13章】飲酒運転は“ちょっとくらい平気”
  14. 【第14章】家庭内どつき漫才、愛情表現の一環
  15. 【第15章】学校の成績順位、廊下に張り出し
  16. 【第16章】給食で鯨肉
  17. 【第17章】正座・腕立て・廊下立たされ三点セット
  18. 【第18章】電話は一家に一台、黒電話でダイヤル回し
  19. 【第19章】テレビは“神聖”、親父のチャンネル独裁
  20. 【第20章】お年玉=数百円、子ども経済超ミニマム
  21. 【第21章】家族風呂=父親優先、最後は子ども
  22. 【第22章】会社の飲み会は“強制”、無礼講で泥酔
  23. 【第23章】パワハラ・セクハラ概念ゼロの職場
  24. 【第24章】女性の職業選択肢、限られすぎ問題
  25. 【第25章】正社員=安定、転職=脱落者扱い
  26. 【第26章】自動販売機、子どもでもタバコ・酒が買えた
  27. 【第27章】電車のトイレ、線路にダイレクト垂れ流し
  28. 【第28章】子どもの外遊び、暗くなるまで帰らない
  29. 【第29章】学園祭の“火炎瓶騒ぎ”も普通
  30. 【第30章】ラジオ体操、夏休み皆勤が当たり前
  31. 【第31章】テレビから流れる音楽をカセットでエア録音
  32. 【第32章】学校伝言板に待ち合わせメッセージ
  33. 【第33章】就職=一生安泰、終身雇用信仰
  34. 【まとめ】──いま、なぜ昭和を振り返るのか
  35. 【締めに】──それでも、私たちは生き抜いた

【第1章】自由すぎた車内、無防備な旅路

■昭和の光景

  • シートベルト?そんなものは着けない。
  • チャイルドシート?存在すらしていない。
  • 子どもは後部座席で立ったり、座席にゴロゴロ寝転んだり。
  • 家族旅行は“ノールール”の冒険だった。

■なぜ、そんな無防備が許されたのか?

  • 法規制未整備:シートベルト着用義務なし、チャイルドシートも普及前。
  • 安全意識の未成熟:「事故は運転手の腕次第」という価値観。
  • 社会の雰囲気:「子どもはケガをして育つ」「自由が健全」という子育て哲学。

■現代との比較

  • シートベルト着用義務化:1985年以降。
  • チャイルドシート義務化:2000年以降。
  • 交通事故死者数:ピーク時(1970年・1万6765人)→ 2023年(約2600人)へ大幅減少。

まとめ

無防備な自由。
それは、無知という名の自由でもあった。
あの時代の子どもたちは、今思えば奇跡のように生き延びてきたのかもしれない。


【第2章】電車内タバコ天国

■昭和の光景

  • 電車内でタバコを吸うのが“男の嗜み”。
  • 駅のホームには痰壺(たんつぼ)が設置。
  • 煙が充満する車内が当たり前。

■なぜ、そんなにタバコ天国だったのか?

  • タバコ文化:大人の象徴。
  • 健康意識ゼロ:タバコの害はほとんど知られていなかった。
  • 公共マナー未発達:分煙・禁煙という概念自体がなかった。

■現代との比較

  • 全面禁煙化:鉄道、バス、航空機すべて禁煙。
  • 健康意識の高まり:喫煙率、昭和60年台約50% → 令和では約16%。

まとめ

公共交通機関は、タバコの香りとともにあった。
いまでは信じられない光景が、かつては当たり前だった。


【第3章】授業中、先生のチョーク投げが名物

■昭和のリアル

  • 教室で生徒が話し込んでいると、黒板の前からチョークがシュバッ!
  • 集中力を欠いていると黒板消しが飛んできた。
  • 「油断大敵」が合言葉、先生の威厳を象徴する瞬間だった。

■なぜ、そんなことが?

  • 教育=厳しさが美徳:多少の体罰は「愛のムチ」とされていた。
  • 指導=威圧が効果的と信じられていた時代背景。
  • 社会全体が軍隊式:集団行動を最優先、規律こそすべて。

■いまは?

  • 体罰全面禁止:2000年代以降、学校教育法の改正で厳格に規制。
  • 指導スタイルの転換:褒める・認める教育へ。
  • 生徒の人権意識の高まり:パワハラ・モラハラ概念の浸透。

まとめ

いまや許されない「飛び道具指導」。
だけど、あの瞬間、クラス全員の空気がピリッと締まったのも事実だった。


【第4章】学校では「水を飲むな」が常識

■昭和のリアル

  • 体育の授業中も部活中も、給水は「甘え」とされ禁止。
  • 真夏のグラウンドで生徒がバタバタ倒れるのも「鍛錬のうち」。

■なぜ、そんなことが?

  • スポ根全盛:「耐えてこそ強くなる」が信条。
  • 医学的誤解:「運動中の水分補給は体に悪い」という俗説。
  • 軍隊教育の残滓:厳しさ=強さという時代のメンタリティ。

■いまは?

  • 熱中症対策が最優先:科学的に水分補給の必要性が立証。
  • スポーツ医学の進歩:こまめな水分・塩分補給が推奨。

まとめ

水を飲むな──。
科学なき時代の非科学的な“常識”が、子どもたちの命をリスクに晒していた。


【第5章】バス停や駅に「痰壺(たんつぼ)」設置

■昭和のリアル

  • 駅のホーム、バス停、路地裏──痰壺は当たり前に存在。
  • 痰を吐くのは生理現象、公共の場で吐いても問題なし。

■なぜ、そんなことが?

  • 結核・呼吸器疾患の多発:衛生よりも病気対策として設置。
  • 喫煙率の高さ:喫煙習慣が当たり前、痰を吐く人も多かった。
  • 公共空間の意識低さ:個より全体、という社会風潮。

■いまは?

  • 公共衛生概念の進化:公共空間の清潔さが重要視。
  • 禁煙推進:喫煙率の低下に伴い、痰壺も姿を消した。

まとめ

今では想像もつかない“痰壺のある風景”。
あの頃の日本は、確かにそんな空気だった。


【第6章】教室でゲンコツ・ビンタは日常茶飯事

■昭和のリアル

  • 忘れ物をすればビンタ、授業中のおしゃべりにはゲンコツ。
  • 生徒も「やられて当然」と受け止め、親も文句を言わない。

■なぜ、そんなことが?

  • 教育現場=軍隊式指導:厳しさで生徒を鍛えるのが当然。
  • 親世代も体罰文化育ち:指導=叩くもの、という価値観。
  • 個の尊重より集団の和:個人感情より規律優先。

■いまは?

  • 学校教育法改正:体罰全面禁止、教育指導も多様化。
  • 生徒の人権意識の向上:体罰は即・教育委員会案件。

まとめ

ビンタもゲンコツも“愛情表現”とされた時代。
だが、今は「暴力は暴力」。教育の価値観も時代と共に進化した。


【第7章】正月三が日は全休、街はゴーストタウン

昭和のリアル

  • 正月三が日はどこの店もシャッター街。
  • 商店街もスーパーも完全休業。
  • 静まり返る町並みに凧あげする子供たちの姿だけ。

■なぜ、そんなことが?

  • 正月=家族団欒の時間:労働より家庭優先。
  • サービス業=贅沢品:24時間営業文化皆無。
  • 労働観の違い:働くのは“生活”のため、“企業活動”優先ではなかった。

■いまは?

  • 24時間コンビニ文化の普及:1990年代以降、正月営業が当たり前に。
  • ネット通販の台頭:休業期間すら消滅。
  • 年中無休社会の到来:便利と引き換えに休みが消えた。

まとめ

街に静寂が戻る──。
正月が“止まる”時間だったのは、
人々に本当の“休息”があった時代だった。


【第8章】部活=根性、脱水、坊主頭強制

■昭和のリアル

  • 夏でも水を飲むな、坊主頭は当然。
  • スポーツとは「耐えること」。
  • 体育会系の根性論が教育現場を席巻。

■なぜ、そんなことが?

  • スポ根漫画文化の浸透:『巨人の星』『アタックNo.1』。
  • 精神主義:「肉体を痛めつけて精神を鍛える」思想。
  • 集団主義教育:個よりもチーム、規律最優先。

■いまは?

  • 科学的トレーニングの普及:データに基づく体作りへ。
  • 坊主強制は指導ガイドライン違反:自由な髪型が認められる。
  • 熱中症リスク対策の徹底:水分補給と休息を重視。

まとめ

汗と涙と脱水症状。
スポーツに求められるものが「根性」から「科学」へと進化したのは、
人の命を守る知恵だった。


【第9章】バイク三人乗り、ノーヘル暴走上等

■昭和のリアル

  • ノーヘルは当たり前、むしろカッコイイ。
  • 三人乗りも珍しくなかった。
  • 暴走族文化全盛、爆音が夜の街を支配した。

■なぜ、そんなことが?

  • 法規制の緩さ:ヘルメット着用義務化は1986年。
  • 若者文化の一部:反体制・反権力の象徴。
  • 自己責任意識の希薄さ:「自分の身は自分で守れ」精神。

■いまは?

  • ヘルメット着用義務の徹底:罰則強化。
  • 暴走族の減少:取り締まりと社会的価値観の変化。
  • 交通安全意識の向上:教育課程に安全教育が組み込まれる。

まとめ

危険も自由のうちだった昭和。
でも、その自由の代償は、
決して小さなものではなかった。


【第10章】飛行機でタバコモクモク

■昭和のリアル

  • 機内は喫煙席・禁煙席に分かれていたが、実質モクモク。
  • 国内線・国際線問わず、長時間のフライト中も堂々喫煙

■なぜ、そんなことが?

  • タバコ文化が大人の常識:マナーより嗜好が優先。
  • 健康被害の無理解:受動喫煙リスクが知られていなかった。
  • 航空会社の意識の低さ:顧客満足のためのサービスとして認知。

■いまは?

  • 全面禁煙化:1990年代末までに世界的に禁煙化の流れ。
  • 受動喫煙リスクの周知:公共交通機関はすべて禁煙。
  • 健康意識の飛躍的向上:WHOの禁煙推進活動。

まとめ

機内の煙は大人の証だった。
いま思えば、空の旅は“空気の戦場”だったのかもしれない。


【第11章】ゴールデンタイムにプロレス中継

■昭和のリアル

  • 夜8時、家族みんなでプロレス観戦。
  • 流血、乱闘、反則技──暴力スレスレの攻防が“家族団欒”。

■なぜ、そんなことが?

  • プロレス=エンタメの王様:視聴率30%超え常連。
  • 暴力=男らしさの象徴。
  • テレビ文化初期の大衆娯楽:家族で共有できるコンテンツが少なかった。

■いまは?

  • コンテンツ規制の強化:暴力表現はゴールデン帯NGに。
  • 視聴スタイルの多様化:サブスク・配信・PPVへ移行。
  • 家族で一緒に見る番組減少:個人視聴時代へ。

まとめ

流血すらエンタメだった昭和。
いま、あの熱狂は別の形に姿を変えた。


【第12章】道路遊びは日常、轢かれても自己責任

■昭和のリアル

  • 道路は子どもたちの遊び場。
  • 缶蹴り、ゴム跳び、チャンバラごっこ──車が来たら逃げるだけ。

■なぜ、そんなことが?

  • 交通量の少なさ:今より格段に車が少なかった。
  • 都市整備の未成熟:遊び場が少なく、空き地・道路が代用。
  • 自己責任社会:親も「危ないから気をつけなさい」で済ませた。

■いまは?

  • 子どもの屋外活動制限:道路遊びは条例で禁止の自治体も。
  • 公園・スポーツ施設の整備:安全な遊び場の確保。
  • 交通安全教育の充実:小学校から交通マナー徹底指導。

まとめ

命がけの“缶蹴り”。
自由の裏側には、常に危険が隣り合わせだった。


【第13章】飲酒運転は“ちょっとくらい平気”

■昭和のリアル

  • 飲み会帰りにハンドルを握るのは普通の光景。
  • 警察に止められても「ごめんね」で済んだ時代。

■なぜ、そんなことが?

  • 飲酒運転の危険認識不足:酔っても「運転できる」と過信。
  • 交通法規の緩さ:飲酒運転に対する罰則が甘かった。
  • 会社の飲み文化:強制飲み会文化で酔って帰るのが常態化。

■いまは?

  • 飲酒運転厳罰化:2002年以降、刑事罰強化・罰金大幅増額。
  • 社会的制裁も強化:飲酒運転=社会的抹殺レベルの重罪。
  • 代行運転業の普及:安全な帰宅手段が増加。

まとめ

「飲んだら乗るな」──。
それすら“常識”になったのは、
平成以降の話だった。


【第14章】家庭内どつき漫才、愛情表現の一環

■昭和のリアル

  • 親が子どもを叩く、夫が妻を怒鳴る──家庭内暴力が“しつけ”。
  • どつき漫才のような“笑い”としての暴力も。

■なぜ、そんなことが?

  • 家父長制の残滓:父親は家の絶対権力者。
  • 暴力を伴うしつけが一般的:「叩いて分からせる」文化。
  • メディアの影響:漫才・コントでも暴力表現が定番。

■いまは?

  • 家庭内暴力=犯罪:DV防止法(2001年施行)で厳格に対応。
  • しつけに対する社会認識の変化:体罰を含む指導は否定的に。
  • メディアコンテンツ規制:暴力表現の自粛傾向。

まとめ

笑いに見えた“どつき”も、
いまならハラスメント。
時代は、暴力を“愛情”と誤認しない方向へ進んだ。


【第15章】学校の成績順位、廊下に張り出し

■昭和のリアル

  • テストが終わると廊下に全員の成績順位が貼り出される。
  • 学年トップから最下位まで丸見え。
  • 競争心を煽る、ある種の“公開処刑”文化。

■なぜ、そんなことが?

  • 個人情報保護の概念なし:成績は全員に知られるもの。
  • 競争教育:成績向上には“見える化”が効果的と信じられていた。
  • 劣等感も教育の一環:悔しさをバネにせよ、が指導方針。

■いまは?

  • 個人情報保護法の浸透:成績の公表はプライバシー侵害。
  • 競争より共育:個の尊重が重視される教育方針。
  • 内申重視・推薦重視の流れ:点数だけでは測れない評価軸へ。

まとめ

“名前晒し”が普通だった教室。
だけど、
競争だけでは育たないことを、
時代が教えてくれた。


【第16章】給食で鯨肉

■昭和のリアル

  • 給食の主菜は鯨の竜田揚げ、照り焼き。
  • 子供たちは好き嫌いなく平らげた。
  • 鯨が身近な“庶民の味”。

■なぜ、そんなことが

  • 高タンパク・低脂肪食材として重宝
  • 食糧難の時代背景:肉類が高級品、鯨は安価な供給源。
  • 国策捕鯨:食料自給を支える国家プロジェクト。

■いまは?

  • 国際捕鯨委員会(IWC)商業捕鯨停止:1982年採択。
  • 鯨肉離れ:食卓から鯨が消えた。
  • 食文化の多様化:牛・豚・鶏、さらには大豆ミートへ。

まとめ

鯨を食べる日常。
いまや特別な文化財となったあの味は、
昭和の“生きる知恵”だった。


【第17章】正座・腕立て・廊下立たされ三点セット

■昭和のリアル

  • 授業中の居眠り、忘れ物で廊下に立たされる。
  • 体育でのミスはその場で腕立て100回。
  • 教室では正座で反省タイム。

■なぜ、そんなことが?

  • 身体罰=教育の一環:体に“痛み”を覚えさせる教育論。
  • 精神修養的指導:我慢・忍耐を美徳とする風潮。
  • 恥をかかせることで矯正:恥ずかしい思いをすれば改善するという思想。

■いまは?

  • 体罰全面禁止:身体罰は人権侵害と認識。
  • ポジティブ指導法主流:褒めて伸ばす教育へのシフト。
  • 教師のコンプライアンス遵守:指導法にも厳しい目。

まとめ

痛みと恥で学ばせる昭和教育。
けれど、
いまは心と頭で学ばせる時代に変わった。


【第18章】電話は一家に一台、黒電話でダイヤル回し

■昭和のリアル

  • 家族みんなで使う電話はリビングの黒電話。
  • 長電話すると怒られる。
  • 0を回すときの絶望的な時間。

■なぜ、そんなことが?

  • 電話機の高級品扱い:月額基本料も高額、設置も一苦労。
  • プライバシー意識の薄さ:家族全体の財産感覚。
  • 技術水準の限界:プッシュホン普及以前、ダイヤル式が主流。

■いまは?

  • 個人のスマホ保有時代:一人一台どころか、一人複数端末。
  • 通信料金の低下:家計負担が大幅に減少。
  • 通信技術の革新:5G・光回線で世界と瞬時に繋がる。

まとめ

0を回してイライラしていたあの頃。
いまや、
「タップ一つで世界」の時代だ。


【第19章】テレビは“神聖”、親父のチャンネル独裁

■昭和のリアル

  • リビングのテレビは一家に一台、親父の絶対権限。
  • 子供たちは観たい番組があっても、無言で我慢。
  • チャンネルを回すのも子どもの役割(リモコンなし)。

■なぜ、そんなことが?

  • テレビ=家庭の中心:貴重な情報・娯楽インフラ。
  • 家父長制社会の影響:父親の威厳が家庭内に強く残っていた。
  • リモコン未普及時代:チャンネルは手動でガチャガチャ。

■いまは?

  • 個別視聴時代:スマホ・タブレットで一人一画面。
  • VODサービス普及:観たい時に観たいものを自由に。
  • 家父長制の崩壊:家族内のパワーバランスの変化。

まとめ

テレビを巡る家庭内ヒエラルキー。
あの頃は、父親が“一家の王様”だった。


【第20章】お年玉=数百円、子ども経済超ミニマム

■昭和のリアル

  • お年玉の相場は500円〜1000円。
  • ピカピカの500円札がもらえたら大喜び。
  • 「千円札」は子供の世界では破格の高額紙幣。

■なぜ、そんなことが?

  • インフレ前夜:物価が安く、500円でも十分な購買力。
  • 金銭教育の一環:子供は子供なりの経済圏。
  • 消費のミニマリズム:モノが少ないからこそ価値があった。

■いまは?

  • 物価上昇&価値観変化:お年玉の相場は数千円〜一万円台。
  • 消費社会の拡大:子供もスマホ・ゲーム機を所有。
  • キャッシュレス社会:現金より電子マネーの時代へ。

まとめ

500円札で何でも買えたあの頃。
子どもたちは、小さな経済圏の中で大きな夢を見ていた。


【第21章】家族風呂=父親優先、最後は子ども

■昭和のリアル

  • 風呂は家族順番制、父親が最優先。
  • 子供たちは冷えた残り湯に入るのが当たり前。
  • しかも湯舟のお湯は週一回交換なんてことも。

■なぜ、そんなことが?

  • 家父長制社会:父親=一家の大黒柱。
  • 水道事情の未発達:水の無駄遣いを避ける文化。
  • 銭湯文化の延長線:家風呂が普及したのは高度成長期以降。

■いまは?

  • 給湯技術の進歩:家族それぞれが快適な湯船に。
  • 個人主義の浸透:風呂の順番に序列なし。
  • 水資源の豊富化:日々湯を張り替えるのが標準。

まとめ

湯の温度も家族の力関係を映していた。
あのぬるま湯の中に、
小さな昭和の縮図が浮かんでいた。


【第22章】会社の飲み会は“強制”、無礼講で泥酔

■昭和のリアル

  • 会社の飲み会は強制出席、しかも断れない。
  • 無礼講と称して上司に酔って絡むのも許された。
  • 翌日出社しても「昨夜のことは水に流せ」。

■なぜ、そんなことが?

  • 終身雇用制度下の会社文化:会社は“第二の家族”。
  • 年功序列・縦社会:上下関係を酒で柔らかくする文化。
  • アルハラ意識皆無:飲みニケーション至上主義。

■いまは?

  • パワハラ・セクハラへの社会的認識:無礼講文化の崩壊。
  • 職場の多様化:飲み会強制はコンプラ違反扱い。
  • 飲み会離れ・ソロ飲みブーム:個人の時間重視へ。

まとめ

無礼講とは名ばかり、
あれは上下関係の“ガス抜き”だったのかもしれない。


【第23章】パワハラ・セクハラ概念ゼロの職場

■昭和のリアル

  • 上司の鉄拳制裁、セクハラ発言、飲み会強制。
  • どれも「愛情表現」「指導」の名のもとに正当化。
  • 泣き寝入り、我慢が美徳とされた時代。

■なぜ、そんなことが?

  • 人権意識の未成熟:個の尊重より組織優先。
  • 会社は家族論:上下関係の厳格な社会風土。
  • 自己責任論:「嫌なら辞めろ」が通用していた

■いまは?

  • パワハラ防止法施行(2020年):職場でのハラスメント対策義務化。
  • コンプライアンス意識の浸透:企業側も研修・啓蒙強化。
  • ダイバーシティ経営:個人の尊厳と権利が最優先。

まとめ

笑って許せと言われても、
それは笑えない時代だった。
変わったのは、社会の成熟だ。


【第24章】女性の職業選択肢、限られすぎ問題

■昭和のリアル

  • 女性のなりたい職業トップは“スチュワーデス”か“保母さん”。
  • 「結婚・出産=退職」が常識。
  • 男性優位社会、職場でも“女の子扱い”。

■なぜ、そんなことが?

  • 性別役割分業意識:女性は家庭を守るべきという価値観。
  • 法整備の未成熟:男女雇用機会均等法施行以前。
  • 社会的インフラ不足:保育園・産休制度が未整備。

■いまは?

  • 男女雇用機会均等法施行(1986年):女性の社会進出促進。
  • 育休・産休制度の充実:働きながら子育てが可能に。
  • ジェンダー平等意識の高まり:職業選択に性別の壁が消えつつある。

まとめ

「女だから」という言葉が、
選択肢を狭めた時代。
いまは、自由に夢を描ける。


【第25章】正社員=安定、転職=脱落者扱い

■昭和のリアル

  • 一度入った会社に定年まで勤め上げるのが美徳。
  • 転職は“落ちこぼれ”と見なされ、履歴書に傷がつく。
  • 終身雇用・年功序列が鉄板常識。

■なぜ、そんなことが?

  • 高度経済成長期の労働市場:人材の流動性が低かった。
  • 年功序列・終身雇用モデル:安定を重視する社会構造。
  • 社会的信用制度:勤続年数が信用力のバロメーター。

■いまは?

  • ジョブ型雇用へのシフト:能力重視の人材流動化社会。
  • 転職市場の拡大:複数キャリアがむしろ武器に。
  • 副業・パラレルキャリア推進:働き方の多様化が進行。

まとめ

“辞めたら負け”ではなく、
“変わることが成長”の時代へ。
働き方も、時代と共に進化している。


【第26章】自動販売機、子どもでもタバコ・酒が買えた

■昭和のリアル

  • 道端の自販機で、未成年でもタバコ・酒が買えた。
  • 年齢確認も身分証もなし、自己申告すら必要なし。
  • 子供が大人のタバコを買いに行かされる光景も。

■なぜ、そんなことが?

  • 販売管理の未整備:自動販売機への規制なし。
  • 未成年者保護意識の低さ:大人の権利優先社会。
  • 社会的放任主義:自己管理・自己責任の徹底。

■いまは?

  • 成人認証システム導入:たばこ自販機にはtaspo必須。
  • コンビニでの年齢確認徹底:レジでID提示が常識。
  • 未成年者飲酒・喫煙禁止の強化:罰則も厳格化。

まとめ

誰でも手にできた“大人のアイテム”。
いまでは考えられない、
甘すぎた自己責任時代。


【第27章】電車のトイレ、線路にダイレクト垂れ流し

■昭和のリアル

  • 国鉄時代の列車トイレは垂れ流し式。
  • 「停車中は使用しないでください」のアナウンス。
  • 線路に“痕跡”が残ることも日常茶飯事。

■なぜ、そんなことが?

  • 排水処理技術の未熟:浄化システムが未発達。
  • コスト重視:安全性より建設コスト優先。
  • 公共衛生意識の未成熟:インフラ整備が後回し。

■いまは?

  • バキューム式・循環式トイレ普及:浄化・貯蔵型へ。
  • 環境対策の進化:排泄物は処理場で浄化。
  • 清潔な公共インフラ意識:線路も街も清潔化。

まとめ

列車の揺れとともに、
“あれ”も流れていた時代。
いまは技術の進化が、私たちの快適を守っている。


【第28章】子どもの外遊び、暗くなるまで帰らない

■昭和のリアル

  • 放課後はランドセルを放り投げ、すぐ外へ。
  • 「暗くなるまで遊んでこい」が親の指示。
  • 連絡手段なし、門限だけがルール。

■なぜ、そんなことが?

  • 地域社会の密接:近所の大人が見守る文化。
  • 治安意識の違い:犯罪率が低く、安心感があった。
  • 通信技術の未発達:連絡手段がないのが当たり前。

■いまは?

  • 防犯意識の高まり:子ども一人の外出がリスクに。
  • スマホ・GPS普及:位置情報共有で安心を確保。
  • 共働き世帯の増加:子どもは学童・習い事へ直行。

まとめ

子どもの世界に広がる、
“自分たちだけの時間”。
いまは便利さと引き換えに、
その自由が少し窮屈になった。


【第29章】学園祭の“火炎瓶騒ぎ”も普通

■昭和のリアル

  • 高校・大学の学園祭では政治運動まがいの火炎瓶騒ぎ。
  • バリケード封鎖、警察出動も珍しくなかった。
  • 文化祭と政治闘争が地続きだった時代。

■なぜ、そんなことが?

  • 学生運動の熱気:政治への関心が高く、行動に直結。
  • 反体制ムーブメント:若者の自己表現の手段。
  • 警察=権力の象徴:反抗対象として意識。

■いまは?

  • 学園祭の健全化:企画・運営も厳格なルール化。
  • 政治意識の変化:SNS中心の静かな意見表明へ。
  • 社会の安定志向:秩序重視の価値観に移行。

まとめ

火炎瓶の飛び交う学園祭。
あの熱狂は、
時代の“疾風怒涛”だった。


【第30章】ラジオ体操、夏休み皆勤が当たり前

■昭和のリアル

  • 夏休みの朝は、6時30分に町内会集合。
  • 出席カードにハンコをもらうため、眠い目をこすって通った。
  • 皆勤賞は子どもの誇りだった。

■なぜ、そんなことが?

  • 地域コミュニティ重視:子どもの生活リズム管理。
  • 健康増進政策:国民体力向上運動の一環。
  • 社会の一体感志向:個よりも全体行動が重視された。

■いまは?

  • 個別行動の尊重:朝活も自由参加へ。
  • 強制参加の撤廃:人権意識の高まり。
  • 生活習慣多様化:夜型生活・フレックス対応の時代。

まとめ

朝のラジオ体操は、
子どもたちにとって最初の“社会訓練”だった。


【第31章】テレビから流れる音楽をカセットでエア録音

■昭和のリアル

  • テレビの歌番組をカセットデッキで録音。
  • 家族の咳払い・食器の音が入るのは当たり前。
  • ノイズも含めて“味”だった。

■なぜ、そんなことが?

  • 録音メディアの未成熟:レコード・ラジオ頼み。
  • CD・ストリーミング前夜:音楽を録るのは労力勝負。
  • 家庭の娯楽インフラ未発達:テレビ=情報と音楽の源泉。

■いまは?

  • サブスクリプションサービス普及:ワンクリックで好きな音楽が手元に。
  • 高音質ストリーミング:ノイズフリーの音楽環境。
  • 個別リスニング文化:ヘッドホン・イヤホン時代。

まとめ

ノイズごと愛したあの時代。
音楽は、手間とともに手に入れるものだった。


【第32章】学校伝言板に待ち合わせメッセージ

■昭和のリアル

  • 友達と遊ぶ約束は伝言板に書き残す。
  • 「今日○○公園集合!」が日常。
  • 連絡手段は、メモと伝言が頼り。

■なぜ、そんなことが?

  • 固定電話普及前夜:各家庭に電話がない時代。
  • 連絡網文化:情報共有はアナログで。
  • 子どもの自由行動前提:親の細かい管理なし。

■いまは?

  • スマホ・SNSの普及:秒で連絡がつく時代。
  • 位置情報共有:集合場所もリアルタイム把握。
  • 子どもの管理意識高まり:親の見守りアプリ普及。

まとめ

伝言板に刻まれたメッセージが、
友情と冒険の入り口だった。


【第33章】就職=一生安泰、終身雇用信仰

■昭和のリアル

  • 大企業に就職=人生勝ち組。
  • 定年まで一つの会社に勤め上げるのが美徳。
  • 退職金と年金が約束された“安泰”の象徴。

■なぜ、そんなことが?

  • 高度経済成長期の成功モデル:企業と個人が運命共同体。
  • 年功序列・終身雇用制度:安定志向の社会価値観。
  • 家族も会社も“所属”重視:個より組織の時代。

■いまは?

  • 転職・副業が当たり前:キャリアパスの多様化。
  • 終身雇用制度の崩壊:企業側も柔軟な雇用形態へ。
  • 個人主義・成果主義社会:自らキャリアを切り拓く時代。

まとめ

会社が人生を保証してくれた時代は、
もはや遠い過去。
生き方は、
自分で選び、切り拓くものへ。


【まとめ】──いま、なぜ昭和を振り返るのか

昭和。
それは高度経済成長、万博、オイルショック、バブル。
激動の時代の中で、人々はただ必死に、前を向いて生きていた。

科学も、社会も、インフラも、法整備も、まだまだ未熟。
そんな中で生まれた“常識”は、いまの目で見れば非常識だらけだ。

けれど。
そこには、現代が忘れかけた、生きる逞しさと、融通無碍な自由があった。

  • シートベルトをしなくても、命を繋ごうとする本能。
  • 水を飲むなと言われても、耐え抜く忍耐力。
  • 親父のチャンネル独占を、無言で耐える家族の和。

いまの「正しさ」に照らせば、
すべてが否定されるべき過去かもしれない。

でも、
その非常識の上に──
私たちは、今のこの豊かで安全な世界を築いたのだ。

昭和を振り返ることは、
ただのノスタルジーではない。
過去の失敗と進歩を知り、未来へのヒントを得る作業だ。


【締めに】──それでも、私たちは生き抜いた

あの非常識の海を泳ぎ抜き、
私たちはいま、ここに立っている。

そして思う。
これから50年後、
私たちが「常識」と信じていることも、
きっと誰かに笑われるだろう。

だからこそ。
いま、この時代を生きる私たちは、
過去を知り、
未来を考え、
そして、いまを大切にしなければならない。

ブクブー
ブクブー

「非常識は、常識への旅路だブー。
常識は、過去の非常識の上に立ってるブー。
そしてまた、いまの常識も、未来の非常識になるブー。」

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