【検証】オールナイトフジコ、打ち切り真相──「察してた」女子大生&番組の構造的リスク

2025年3月、深夜に静かに幕を閉じた『オールナイトフジコ』。
フジテレビが令和に放った女子大生バラエティは、なぜ2年で終わったのか──。
終了の裏には、“空気を読んでいた”出演者たちの察知、そして局内の“判断の鈍さ”があった。

❖ 番組終了──その“発表”は唐突だったか？

フジテレビ系『オールナイトフジコ』は、2023年4月にスタートした番組だ。
“伝説の深夜番組『オールナイトフジ』の現代版”という位置づけで、秋元康が総合プロデュースを務めるなど、注目度も高かった。

ところが、2025年3月7日放送の冒頭でMC佐久間宣行から突如「番組終了」の発表がなされた。

「視聴者の皆さんに大事なお知らせがあります。3月で番組終了です」

その知らせを受けたフジコーズのリーダー・藤本理子は、静かにこう語った。

「あと残りの機会で、私たちのキラキラした姿を精いっぱい届けて、感謝の気持ちを伝えるのみかなと思っています」

この発表、視聴者には「突然」に映ったかもしれない。だが、内部的には“察知”されていた空気が、すでに漂っていたようだ。

番組内では、芸人オズワルド・伊藤俊介の問いに対し、沖玲萌がこう答えている。

「確かにみんな、ちょっと察している感じはありました」

つまり、女子大生たち自身が、フジテレビの“今の状況”を肌で感じ取っていたのだ。

佐久間宣行の言葉も印象深い。

「今のフジテレビは……（の状況を考えて）ってこと？」

この“間”に、多くが詰まっていた。

もともと番組は、4年生メンバーのみが卒業し、下の学年で継続する予定だったと思われる。
それが2025年3月の「卒業ライブ（3月30日開催／FOD生配信）」では、フジコーズ全体が卒業するような演出へと変化していった。

この“方針転換”は、終了発表（3月7日）の直後に起きたとみられる。

番組終了の数週間後、フジコーズのメンバー・上杉真央氏が未成年時に飲酒していた事実が明るみに出た。

しかも、それがフジテレビのディレクターによる“飲酒の場の提供”だったという点で、事態はより深刻となった。

「自分の軽率な行動が、多くの方々にご心配とご迷惑をおかけしたことを深く反省しております」（上杉氏のX）

フジテレビ側の対応は、次のように表明された。

「現在、事実関係の把握につとめており、事実が判明次第、厳正に処分を行います」

だが、この言葉に対しては、「曖昧で他人事に聞こえる」という声も多かった。

『オールナイトフジコ』は、女子大生たちの「素人性」と「テレビ性」の狭間を突く番組だった。

だがその構造こそが、綻びの火種でもあった。

これらのリスクは、過去にも類似スキャンダルが発生してきた背景と重なる。

にもかかわらず、年齢確認や番組外の行動指導といった最低限のガバナンスさえ徹底されていなかったことが露呈した。

番組スタート当初は、フジテレビ・港浩一社長の“肝いり”企画でもあったとされる。
しかし、港氏が退任したことで、番組の後ろ盾が失われたという見方もある。

2025年1月以降、フジテレビ内では中居正広氏の件を発端とした社内統治の問題が次々に報道され、“空気が重くなっていた”。

こうした中で、「女子大生バラエティ」というフォーマットは、リスクの大きな存在として映ったのかもしれない。

『オールナイトフジコ』の終了は、当初からの予定だったのか──それとも、複数のリスクが重なった結果の“判断”だったのか。

いずれにせよ、フジテレビがリブランディングの途上にある中で、「女子大生の夜バラエティ」は“今の時代の空気”にそぐわなくなっていたのかもしれない。

最後に、出演者の言葉をもう一度。

「楽屋で今井が泣いてました」
「周り見たら、誰も泣いてなくて。逆にびっくりしちゃって」
「なんとなくそんな気がしていたんだよ」

──やっぱり、みんな察していたのだ。

ブクブー

「夜のきらめきと、若さのまぶしさ──その裏には、見えないリスクと責任があったブー。
笑顔で駆け抜けたフジコーズに拍手を送りつつ、次なる時代の番組づくりに期待したいブー！」