「書店に行くと、なぜか…トイレに行きたくなる」
誰しも一度は経験したことがある、あの不思議な感覚。しかも限って“本格的な方”の便意が訪れるから、なおさら妙だ。
実はこの現象、単なる気のせいでは終わっていない。
日本にはこれに正式な名前がつき、半ば都市伝説化しつつ、知的好奇心の対象にもなっているのだ。
本特集では、知る人ぞ知る「青木まりこ現象」を軸に、書店と便意の不思議な関係を知的に掘り下げる。
【第1章】“なぜか書店で催す”あの感覚──あなたも経験ありますか?
- 書店で本棚を眺めていると、突如としてお腹が…
- 新刊チェックや立ち読み中、ふと便意が…
- しかも、なぜかトイレの位置を意識してしまう
こんな体験をした人は多いはずだ。
これが単なる偶然や思い込みでは済まされず、社会的に話題化したのが1985年の『本の雑誌』だ。
読者投稿で、この現象について語られたことがきっかけとなる。
【第2章】「青木まりこ現象」誕生の背景──ちょっと変わった現象名が生まれた理由
1985年、『本の雑誌』に、ある女性が以下の趣旨で投稿した。
「私は書店に行くと、なぜか必ず便意を催してしまう。同じ経験をしている人はいませんか?」
この投稿者の名前が「青木まりこ」さん。
その後、同様の悩みを持つ人々から多くの共感の声が寄せられ、次号の特集では、
「いま書店界を震撼させる現象」
正式名称『青木まりこ現象』
…として認定されたのだ。
特筆すべきは、
- この現象が半ば“医学用語風”に扱われた点
- 雑誌発の造語が文化的に広がり、定着していった点
その影響は現在も続き、Wikipediaにも独立した項目が存在するほど知名度を得ている。
【第3章】本当にインクが原因なのか? 研究と推測の最前線
「インクがお腹を刺激する」という説も根強いが、実際のところ、
科学的に直接的な因果関係は確認されていない
しかし、以下のような推測は存在する、
- 書店独特の静寂や緊張感が、副交感神経を刺激する説
- インクや紙の香りが心理的な条件反射を呼び起こす説
- 便意を“気にする人”が書店で意識しすぎて誘発する説
結局のところ、明確な医学的メカニズムは立証されておらず、謎のままだ。
だが、この“理由不明なのに共感者が多い”現象こそが、暮らしの中に潜む不思議な感覚のひとつとも言える。
【第4章】書店と便意、記憶と刷り込み──青木まりこ現象が残す示唆
暮らしの中で、ふと刷り込まれている“不可解な感覚”は意外と多い。
青木まりこ現象もまた、
いまや、ネット検索でも「書店 トイレ」で山のように経験談がヒットするこの現象。
あなたも次に書店に行くとき、ふと自分の身体に問いかけてみてはどうだろうか。

「オイラ、本は好きブー…でも、まりこさんの現象には毎回ドキドキするブー!」
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