「えっ…救急車って無料なの⁉」──これは、実は日本に来た外国人が驚く“文化ショック”の定番だ。
世界では救急車=有料が常識。
でも、日本では誰でも・いつでも・無料で呼べる。
当たり前すぎて考えたこともなかったこの仕組み。
もし有料化されたら…いくら? 誰が困る? 逆に得する?
今回は、日本の救急システムを支える税金・公共性・命の哲学を、冷静に読み解く。
第1章:世界では「救急車=お金がかかる」──日本の“無料神話”は例外だった
まず、世界の現実はこうだ。
- アメリカ → 地域差あり・平均で数万円〜10万円以上の請求も
- ドイツ → 約3万円の自己負担+保険適用
- フランス → 保険ありでも1〜2万円前後が自己負担
つまり、世界では「救急=公共サービス」ではなく「有料医療の一部」。
ところが、日本は…
出動費ゼロ・治療費も原則3割負担(保険適用)

「海外なら救急車は“財布との相談”案件。でも日本は“タダ”で呼べる!…って、なぜブー⁉」
第2章:なぜ日本は無料で救急車を出せるのか?──カギは“税金と文化”
日本の救急車、実は1回出動で4〜5万円のコストがかかる。
それを全額、税金でまかなっているのが現実。
日本の仕組み | 内容 |
費用 | 救急車1台の維持・運用費は年数千万円 |
出動1回で約5万円のコスト | |
財源 | 地方自治体の税金+国の交付金(住民負担) |
理念 | 「命を守るのに“財布”で迷わせない」公共哲学 |
背景 | 高齢化・自然災害多発 →「緊急医療=インフラ」 |
この“無料の哲学”は、
→ 国民皆保険制度と並ぶ「日本型福祉の象徴」とも言える。
第3章:でも、無料でいいの?──乱用・軽症出動の“現実”
日本では年間約700万件の救急出動。
しかし、その半数近くが「軽症・不要」とも言われる。
- 発熱したから呼んだ
- タクシーがわりに呼んだ
- 「救急車呼んでみたかった」いたずら通報…
これが“乱用問題”だ。
命を守る無料システムが、「気軽に呼べる」ことによって“制度疲労”を起こしている。
第4章:有料化したらどうなる?──「呼ぶ自由」と“命の値段”
仮に日本で救急車が有料化されたら…
● 出動1回・2,000円案(過去の検討)
● ドイツ並み・3万円案(実コスト寄り)
● 全額負担・5万円超え案(現実的には非現実)
しかし…

「お金で迷って呼べない…そんな社会、ちょっと怖いブー。でも“タダで呼び放題”も限界かもブー…?」
第5章:問い直される“公共性”──誰が守る?誰が支える?
救急車の無料は「命を守る」ための仕組み。
だけど、それを支えるのは「みんなの税金」=“見えないコスト”でもある。
- 無料を維持するには、「本当に必要な人のために」という意識が必要
- 有料化は「責任を持つ仕組み」にはなるが、「財布で命を選別する」恐れもある
「無料だから安心」ではなく、「無料だから考える」時代に来ている。
まとめ
救急車が無料──それは、社会が命を守るために支えてきた“静かな合意”の上にあった。
でも、制度疲労が進む今、
“呼ぶ自由”と“使う責任”を問い直すタイミングが来ている。
あなたは、救急車が有料化されたら呼ぶ? 呼べない?
その問いが、命のあり方を映し出す。

「タダで呼べるけど…“誰かが払ってる”ブー。命を守る仕組み、ちゃんと考えて使いたいブー」
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