「お月見」と聞いて、団子・ススキ・満月…は浮かぶけれど、
「なぜ?」「いつ?」「何をする?」までは意外と知らない人も多いのでは?
この記事では、「十五夜」の本当の意味、由来、そして現代における風流な過ごし方を徹底解説。
2025年は10月6日(月)──知れば知るほど、月を見上げる夜が特別になる。
第1章:十五夜とは?──旧暦と秋の真ん中にある「名月」
■ 旧暦の8月15日=秋のまんなかの月夜
「十五夜」とは、もともと旧暦(太陰暦)の8月15日を指す言葉。
旧暦での秋は7月〜9月。そのちょうど真ん中に当たる8月15日は、
もっとも月が美しく見えるとされ、「中秋の名月」として親しまれてきました。
実は「十五夜」とは、かつて毎月15日の夜=ほぼ満月を指していた時代も。
ただ秋の澄んだ空に浮かぶ満月があまりに美しかったため、
やがて「十五夜」と言えば“秋の満月”を意味するように──。
■ 2025年の十五夜は?
2025年は10月6日(月)が十五夜にあたります。
年度 | 十五夜の日付 |
---|---|
2025年 | 10月6日(月) |
2026年 | 9月25日(金) |
2027年 | 9月15日(水) |
2028年 | 10月3日(火) |
■ 満月とは限らない?
意外にも、「十五夜=満月」とは限りません。
月は約29.5日で一周するため、月の満ち欠けには“ズレ”があるのです。
たとえ完全な満月でなくとも──
その夜にしか見られない、「今年の月」を味わうのが、十五夜の醍醐味。
「今年はどんな月かな?」
——そんな風に月を見上げる夜が、毎年の“風流”となる。
第2章:十五夜の由来──平安の宴から、江戸の祈りへ
■ 中国から伝来した「中秋節」
十五夜のルーツは中国の「中秋節」。
平安時代に日本へ伝わり、最初は貴族の間で楽しまれました。
舟を池に浮かべ、月を水面や酒盃に映しながら、
詩を詠み、音楽を奏で、月と夜に酔う──そんな雅な世界がありました。
■ 庶民の行事へ──豊作祈願の月見
やがて江戸時代、月見は庶民の風習へと変化。
月を美しく眺めるだけでなく、「豊作祈願」の意味合いが強くなっていきます。
月の満ち欠けと共に暮らす農民にとって、
月は生活と信仰が重なる対象でした。
月に願うは、実りと家族の無事。
十五夜は「神様とつながる夜」だったのです。
第3章:十五夜の過ごし方──団子、ススキ、そして月見の夜
■ 月見団子──その形は「満月」
白く丸いお団子を、満月に見立てて供えるのが十五夜の定番。
健康と幸福、そして収穫への感謝を込め、月に向かってお供えします。
- お団子の数は、かつては満月の回数(12~13個)
- 現代では「十五夜」にちなんで15個、または5個・3個など簡略化もOK
お団子は三方(神様への供物台)に積むのが正式ですが、
お皿や盆でもOK。要は「心と感謝」が大事です。
■ ススキ──魔除けと豊穣のシンボル
ススキは、本来稲穂の代わりとして供えられる植物。
秋はまだ稲刈り前なので、よく似た形のススキを用いたのです。
ススキには…
- 神の依代(よりしろ)としての役割
- 魔除けの力
- 健康と無病息災への願い
が込められています。
月見のあとは、ススキを玄関に飾ると1年の無病息災につながるという説も。
第4章:「見上げる」ことの意味──月に祈り、日常を忘れる夜
十五夜は、月を“ただ眺める”だけの日ではありません。
月に感謝し、祈り、思いを託す夜。
日常に追われている人ほど、
十五夜の静かな時間は心の“余白”を思い出させてくれます。
1人でベランダから眺めても良し、
家族や大切な人と団子を囲んでも良し。
「心を月に預ける」ことで、季節の美しさや人生の流れを味わう夜に。

「月って不思議だブー……
形が変わっても、毎晩そこにあるのに、
特別な夜だけ“見上げる”って、なんだかロマンチックだブー!」
まとめ:月を見て、季節を感じる。十五夜は“心の行事”でもある
- 十五夜は旧暦8月15日、「中秋の名月」を意味する
- 2025年の十五夜は【10月6日(月)】
- 団子とススキは“感謝と祈り”の象徴
- 月を通じて、自然と心をつなげる日本の風流行事
秋の夜、スマホをそっと置いて──
空を見上げてみませんか?
それだけで、季節と心がそっと近づく夜になるかもしれません。
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