【朗報】「夕方の暗さ」は今日が底です──実は冬至じゃない!一年で一番、日が暮れるのが早い日

科学
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ふと時計を見るとまだ午後4時半。それなのに窓の外はすでに漆黒の闇に包まれている。

「ああ、もう一日が終わってしまったのか……」。

そんなため息をついている全国の皆さん。そして、

「一年で最も昼が短い冬至(12月22日頃)まで、日はもっと短くなるんだろう?」

と憂鬱になっている皆さん。

顔を上げてください。朗報です。
実は我々が日々肌で感じている「夕暮れの早さ」のピークは、まさに今日この頃(12月上旬)なのです。

冬至はまだ2週間以上も先ですが、「日の入りの時刻」という一点に絞って言えば、まさに今が一年で最も早い時期(底)なのです。

つまり明日からはほんの数秒ずつですが、夕方の空は確実に「明るく」なっていく。

本稿は、この多くの人が勘違いしている「冬至の罠」の正体と、その背景にある壮大な地球のメカニズムを、科学的な事実に基づき解き明かすレポートである。


第一章:「冬至の罠」──なぜ、日の入りは“フライング”するのか

「冬至=昼の時間が一年で最も短い日」。これは完全に正解である。
しかし多くの人が「冬至=日の出が一番遅く、かつ日の入りが一番早い日」だと誤解している。ここが大きな罠なのだ。

実は地球の公転軌道や地軸の傾きの複雑な影響により、「日の入りが最も早くなる日」と「日の出が最も遅くなる日」は、冬至の日を中心に前後にずれて発生するのである。

国立天文台の暦計算室が発表している東京を例にしたデータを見てみよう。

時期現象状況(東京の場合)
【今ここ!】12月上旬日の入りが最も早い夕方の暗さのピーク
(日没 16:28頃)
12月22日頃冬至昼の長さが最短
(日没は16:32頃に回復)
1月上旬日の出が最も遅い朝の暗さのピーク
(日の出 06:51頃)

ご覧の通り、冬至の日(22日頃)には既に夕方の日没時刻は、12月上旬のピーク時よりも約4分も遅く(明るく)なっているのだ。

「冬至の日」は太陽が出ているトータルの時間こそ最短だが、こと夕方の明るさに関していえば、既に回復の兆しを見せているのである。

ブクブー
ブクブー

「ええーっ!?そうだったんだブー!?一番、夕方が暗いのは、『冬至』じゃなくて、まさに『今』だったんだブーか!てっきり、これから、もっと、もっと、暗くなるんだと思って、憂鬱だったんだブー!なんだか、急に、元気が出てきたんだブー!」

POINT

冬の“暗さ”のピークは、三段階でやってくる(東京の場合)

  1. 【今ここ!】12月上旬:日の入りが最も早い → 夕方の暗さのピーク
  2. 12月22日頃(冬至):昼の長さが最短 → 太陽が出ている時間の、トータルの底
  3. 1月上旬:日の出が最も遅い → 朝の暗さのピーク

第二章:なぜ、このような“ズレ”が、起きるのか?

なぜ教科書で習った通り「冬至」の日に全てがピーク(あるいは底)にならないのか。その原因は地球という惑星の二つのダイナミックな動きにある。

  • 原因①:地球の公転軌道は「完全な円」ではない
    • 地球が太陽の周りを回る軌道はきれいな円ではなく、少し潰れた「楕円」である。
    • そして地球の公転速度は一定ではない。物理法則(ケプラーの第二法則)に従い、太陽に近づくほど速くなり、遠ざかるほど遅くなる。
    • 北半球の冬の時期、地球はこの楕円軌道上で太陽に最も近づく近日点を通過する。そのため今の時期、地球の公転スピードは一年で最も速くなっているのだ。
  • 原因②:太陽のリズムと時計のリズムの「ズレ(均時差)」
    • この公転速度の変化と地軸の傾きが複雑に絡み合うことで、太陽が真南に来る本当の「正午」のタイミング(南中時刻)と、我々が使っている時計の「正午」との間に、一年を通じて最大で約16分もの「ズレ」が生じる。これを「均時差(きんじさ)」と呼ぶ。
    • この「均時差」の影響で12月上旬は時計の進みが太陽の動きよりわずかに早くなるため、日の入りの時刻が前倒しにされ、冬至よりも早くピークを迎える。
    • 逆に1月上旬は時計の進みが太陽の動きより遅くなるため、日の出の時刻が後ろにずれて、冬至よりも遅くピークを迎えるのである。
POINT

“ズレ”を生み出す、二つの地球のメカニズム

  1. 公転軌道が「楕円」であること: 冬の時期、地球の公転スピードは、一年で最も速くなっている。
  2. 「均時差(きんじさ)」の存在: この公転速度の変化などにより、太陽の動きと、我々の時計との間に、最大約16分の「ズレ」が生じる。

終章:春は、まず「夕方」から、やってくる

今日、会社や学校からの帰り道、西の空を見上げてみてほしい。
その早すぎる夕闇が、今年の夕方の暗さの「底」である。

明日からはほんの数秒、数十秒というささやかな歩みではあるが、日は確実に長くなっていく。
朝の寒さと暗さは年明けまでまだ厳しさを増していく。しかし少なくとも一日の終わりである「夕方」に関していえば、我々は既に冬の最も暗いトンネルを抜け出し、春への折り返し地点に立っているのだ。

「冬至はまだだけど、夕方はもう春に向かっているんだよ」

そんな少しだけ前向きになれる雑学を胸に、今夜は少し暖かい食卓を囲んでみてはいかがだろうか。

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