「また1からのスタートになりますが頑張ります」
昨年末、自身の退社が報じられたその日、日本テレビの岩田絵里奈アナ(30)は親しい人にそうLINEを送ったという。
『世界まる見え!』『シューイチ』など数々の人気番組の顔を務め、オリコン「好きな女性アナウンサーランキング」では6年連続トップ10入り。
誰もが“次期エース”と認める彼女がなぜ3月いっぱいでそのキャリアをリセットし、フリーという荒野へ飛び出す決断をしたのか。
その背景には単なる「独立」という言葉だけでは片付けられない、絶対的エース・水卜麻美アナ(38)との埋めがたい“格差”と、「帯番組」という局アナにとっての聖域をめぐる知られざる葛藤、そして彼女自身の持つ類稀な「タレント力」のジレンマがあった。
第一章:「猛獣使い」と呼ばれた“逸材”──その異色のキャリア
岩田絵里奈というアナウンサーの特異性は、その華麗な経歴と泥臭いまでのバラエティ適性のギャップにある。

- 異色の経歴:「岡崎歩美」としての女優時代
- 彼女は中学時代から大手芸能事務所「スターダストプロモーション」に所属し、「岡崎歩美」の芸名でタレントや女優として活動していた。慶應大学卒業後、2018年に日本テレビに入社。
- 2010年にはBS-TBSのドラマ『ニコニコ少女』で主演を務めた経験もあり、この「元女優」というキャリアが彼女の表現力や度胸の礎となっている。
- 入社後の躍進と「猛獣使い」の称号
- 入社わずか半年で『世界まる見え!テレビ特捜部』の進行役に抜擢されると、所ジョージやビートたけしといった“クセ強”の大御所を相手に物怖じしない度胸を見せ、業界内で「猛獣使い」「ジジ殺し」との異名を取った。
- その後も『沸騰ワード10』ではバナナマン、『スッキリ』では加藤浩次と、日本を代表する芸人たちを相手にその力量を発揮。絶対的エースである水卜麻美アナの後任として『スッキリ』のサブMCを務めたことで、彼女は名実ともに日テレの“次期エース”としての地位を確立した。
第二章:絶対的エース「水卜麻美」との、埋めがたい“格差”
しかし「次期エース」という華やかな呼び名とは裏腹に、彼女と現エースである水卜アナとの間には局内での序列と待遇において、残酷なまでの格差が存在していた。

| 項目 | 水卜麻美アナ(現エース) | 岩田絵里奈アナ(次期エース) |
|---|---|---|
| 担当番組 | 平日朝の帯番組『ZIP!』総合司会 | 『シューイチ』『世界まる見え』など(帯番組なし) |
| 役職 | 管理職(チーフスペシャリスト) | 一般社員 |
| 推定年収 | 2500〜3000万円 | 700〜800万円 |
- なぜ差がついたのか?―「帯番組に向いていない」という評価
- この格差の最大の原因は、編成幹部による「岩田は毎日見る帯番組に向いていない」という評価にあると日テレ関係者は語る。
- タレント性が強く頭の回転が速い彼女の言葉は時にメインMCを食ってしまうほどの存在感を放つ。「出過ぎず、色がついていないアナウンサーの方が視聴者は毎日見るには安心する」という、帯番組特有の判断基準が彼女のキャリアの前に立ちはだかったのだ。

「ええーっ!?そんなにお給料が違うんだブーか!?しかも『タレント性が強すぎるから朝の顔には向いてない』なんて言われちゃったら…。褒められてるのかけなされてるのか分からないんだブー…。なんだか切ないんだブー…。」
水卜麻美(現エース) vs 岩田絵里奈(次期エース)、残酷なまでの“格差”
- 担当番組: 水卜アナは局の顔である平日朝の帯番組『ZIP!』の総合司会。一方、岩田アナには帯番組の担当はない。
- 役職と年収: 水卜アナが管理職として推定2500〜3000万円の年収を得る一方、岩田アナは一般社員として推定700〜800万円。
第三章:帯番組という“聖域”──なぜアナウンサーはそこを目指すのか
働き詰めになる帯番組よりも収録中心の人気番組を複数抱える方が楽なのではないか。素人目にはそう映るが、局アナにとって「帯番組」にはそれを補って余りある特別な価値があるのだという。

- ステータスと“お姫様”待遇
- 毎日2〜3時間自分の顔が全国に放送されるという圧倒的なステータス。そして早朝番組であれば毎日タクシーが自宅まで迎えに来て、専属のメイクやスタイリストが身支度を整えてくれる。
- 局の幹部と和やかに打ち合わせをし、煌々と輝くスタジオの真ん中に立つ。その瞬間こそが「アナウンサーになって良かった」と実感できる時間なのだという。
この帯番組だけが持つ「煌めき」を知ってしまったアナウンサーがその担当を外された時、それは会社を辞める大きな動機となり得る。
過去にも夏目三久や宮崎宣子といった人気アナウンサーたちが、同様の経緯で退社していった歴史がある。
第四章:フリー転身への“布石”──移籍先最有力「テイクオフ」の存在
岩田アナの退社は単なる感情的な決断ではない。その水面下ではフリー転身後のキャリアを見据えた、極めて戦略的な動きが進んでいる。

- 移籍先最有力は「テイクオフ」
- 報道によれば彼女の移籍先として、宮根誠司や羽鳥慎一といった大物フリーアナウンサーが所属する芸能プロダクション「テイクオフ」が最有力視されている。
- なぜ「テイクオフ」なのか?
- この選択は彼女が単なるタレントではなく、「帯番組のメインMC」としてのキャリアを明確に志向していることの現れだ。
- 特に元日本テレビの先輩であり、バラエティと報道の両方で成功を収めた羽鳥慎一の存在は、彼女にとって最高のロールモデルとなるだろう。
第五章:個人的資質と「素顔」の分析──ギャップが生む、圧倒的な求心力
岩田アナウンサーが高い人気を誇る理由は、その高いアナウンススキルだけではない。彼女の「素顔」に見られる容姿との激しいギャップこそが、視聴者の強い親近感を醸成している。

- プロ級の「モノマネ」技術
- 彼女の最大の武器の一つが、バラエティ番組などで披露する「モノマネ」である。女優の篠原涼子、仲里依紗から歌手のあのちゃん、アニメキャラクターのクレヨンしんちゃんまで、そのレパートリーは極めて広い。
- 特に独特な喋り方をする歌手「あの」のモノマネは、「目を瞑ったらどっちか分からない」と絶賛され、本人からも“公認”されるほどのクオリティを誇る。
- 衝撃の「大食い」エピソード
- 清楚でスレンダーな外見からは想像もつかない「大食い(健啖家)」であることも、彼女の有名なエピソードだ。
- ある密着企画では朝食として「麻婆豆腐丼、冷やしラーメン、カップラーメン、チーズエビドリア」などを一度に平らげる衝撃的な姿が放送された。
- 「女子アナは体力勝負だから」とあっけらかんと語るその飾らない姿勢が、特に女性層からの高い好感度を獲得している。
- マジックと独自の趣味
- 大学時代にマジック教室に通いプロ並みのカードマジックを習得。また休日には一人で銭湯を訪れ、そこで出会った高齢者とディープな世間話をすることを楽しむなど、その庶民的な感覚も彼女の大きな魅力となっている。

「すごいんだブー!モノマネもできて大食いでマジックもできて銭湯が好きなんて…!もはやアナウンサーの枠を超えてるんだブー!こんなに面白い人がフリーになったらテレビ局は放っておかないんだブー!」
終章:“次期エース”の、次なる一手
結論として岩田絵里奈アナの退社は、単なる収入の問題ではない。
それは「猛獣使い」として最高のパフォーマンスを発揮できるバラエティの現場と、局アナとしての最高のステータスである「帯番組」との間で自らのキャリアの最適解を見出せなかった、一人のプロフェッショナルの決断であった。
彼女はもはや日本テレビという組織の評価軸の中で生きることをやめたのだ。
フリーというより広くそしてより厳しい市場で、自らの「タレント力」の真価を問う道を選んだのである。
その類稀な「猛獣使い」としての手腕と、「モノマネ」や「大食い」といった親しみやすいギャップを武器に、彼女が次にどの番組の“猛獣”を、そしてどの時間帯の“顔”を手なずけるのか。
2026年春、フリーアナウンサー市場に最強のプレイヤーの一人が、満を持して参戦する。



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