お酒のおつまみとして、あるいは遠足のおやつとして世代を超えて愛され続けるロングセラー駄菓子「イカの姿フライ」。
パリッとした食感と濃厚なイカの風味がたまらないが、ふと疑問に思ったことはないだろうか。
「いくらなんでも、形が綺麗すぎないか?」
本物のイカの開きを揚げたにしては足の先までピシッと完璧に揃いすぎている。そして何よりも加熱したはずなのに全く丸まっていない。
今回は、あの「完璧なフォルム」に隠された製造上の秘密と、一部の食通の間で密かに楽しまれている「そば・うどんに入れると激ウマになる」という驚きのアレンジレシピの謎に迫る。
第一章:なぜあんなに「綺麗なイカの形」をしているのか?
結論から言えば、あれはイカの開きをそのまま揚げているわけではない。
その正体は「イカのすり身や粉末を練り込んだ生地を、イカの形に型抜きして揚げた“魚介シート”」なのである。

- 本物のイカではあの形は維持できない
- もし本物のイカの身をそのまま高温の油で揚げてしまうと、筋肉の繊維が熱で収縮しクルクルと丸まってしまう。あの美しい平面を維持することは物理的に不可能だ。
- “イカのクッキー”のような製造工程
- そこでメーカーは以下のような工程で、あの完璧なフォルムを生み出している。
- 生地作り: イカのすり身や粉末を小麦粉やデンプン、卵白といった「つなぎ」と混ぜ合わせ、シート状に練り上げる。
- 型抜き: 平らに伸ばした生地をあの「イカの形をした金型」で、クッキーのようにガシャンとプレスしてくり抜く。
- フライ: 形が崩れないようにカラッと揚げる。
- つまりあの形状は自然の産物ではなく「工場規格で量産された、完全なる均一なイカの形をしたお菓子」なのだ。パリパリとした独特の食感を生み出すために計算し尽くされた姿と言えるだろう。
- そこでメーカーは以下のような工程で、あの完璧なフォルムを生み出している。

「ええーっ!?そうだったんだブー!?本物のイカじゃなくて、イカのすり身をクッキーみたいに型抜きしてたんだブーか!だからあんなに形が綺麗だったんだブーね!完全に騙されてたんだブー!」
第二章:なぜ「そば・うどん」に入れると美味いのか?
そのまま食べても美味しいこの駄菓子。しかし実は「温かいそばやうどんに乗せる」という食べ方が一部のファンの間で絶大な支持を得ている。
「せっかくのサクサク感が台無しになるのでは?」と思うかもしれないが、これには科学的にも理にかなった美味しい理由があるのだ。

- 「巨大なイカ風味の天かす」への進化
- 先述の通りこの製品の本体の大部分は「小麦粉」で出来ている。つまり温かい汁に浸すことで衣がふやけ、「特大のイカ風味の天かす」へとその姿を変えるのである。
- 出汁に圧倒的な「コク」が生まれる
- 衣に含まれていた油分がつゆにジュワッと溶け出す。これによりあっさりとした和風出汁に、駄菓子ならではのパンチの効いた「コク」と「旨味」が加わる。これは「たぬきうどん(天かすうどん)」が美味しいのと全く同じ原理だ。
- 食感の“グラデーション”が楽しい
- そして何よりも楽しいのが食感の変化だ。最初はサクサク、やがて汁を吸ってモチモチ、そして最後はトロトロに。この一杯の中で繰り広げられる食感のグラデーションが、ただの麺料理を一つのエンターテインメントへと昇華させる。

「なるほどだブー!『巨大なイカ風味の天かす』って考えれば、美味しくないわけがないんだブー!これはもう駄菓子じゃなくて最高のトッピングなんだブー!今すぐ試してみたいんだブー!」
終章:その発想は広島の“ソウルフード”にあった
この「イカ天を料理に入れる」という発想は、決して突飛なものではない。
実はイカの姿フライの生産量日本一を誇る広島県では、お好み焼き(広島風お好み焼き)の中に砕いたイカ天を入れるのがもはや常識とされている。蒸されたキャベツの中でイカ天がふやけ、最高の旨味調味料として機能するのだ。
うどんやそばに入れるという食べ方は、まさにこの「広島流の旨味活用術」を応用した極めて合理的なアレンジレシピと言えるだろう。
もしあなたの手元に食べかけのイカの姿フライが余っていたら(もちろん、わざわざ買ってきてもいい)。
ぜひ次のランチタイムに温かい麺つゆの中へとダイブさせてみてほしい。そのB級グルメ的な圧倒的な破壊力に、きっとあなたの箸は止まらなくなるはずだから。



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