たとえばジュース、ゼリー、栄養ドリンク──
どこかに必ずこう書かれている。
「レモン〇個分のビタミンC配合!」
なんとなく「すごいな」「健康によさそう」と思ってしまうが…
ここでふと気づく。
なぜいつも“〇個分”なのか?
…もしかして、レモン、いつも負けているのでは?
今回はそんな「レモンとビタミンC」の関係に、科学的に・やさしく切り込んでいく。
レモンは本当にビタミンCが多いのか?
まず事実から押さえておこう。
ここまでは「なるほど」で済む話。
問題はここからだ。
実はもっとすごいフルーツがたくさんある
果物界には、“ビタミンCの真の実力者たち”が存在する。
食品名 | ビタミンC含有量(100gあたり) |
レモン | 約100mg |
ゴールデンキウイ | 約140mg |
ゆず | 約160mg |
赤ピーマン | 約170mg |
アセロラ | 約1700mg(桁違い) |
そう、レモンは決してトップクラスではない。
むしろ“中の上”レベルの選手なのだ。
つまり…
「レモン○個分のビタミンC」=実は、アセロラ1粒分にもならない。

ブクブー
「レモンが“計量単位”にされてるだけだったブー!」
ちなみに:酸っぱさとビタミンC量は関係ない
これも誤解されがちだが、
「酸っぱい=ビタミンC多い」ではない。
レモンの酸っぱさの正体は、
→ クエン酸(Citric acid)。
一方、ビタミンCは
→ アスコルビン酸(Ascorbic acid)。
名前は似てるが、まったく別モノの酸。
つまり、「すっぱい=健康」はイメージ先行に過ぎないのだ。
じゃあなぜ「ビタミンC=レモン」になったのか
ここには“物語としての分かりやすさ”がある。
- クエン酸による“あの酸っぱさ” → なんとなく「効きそう」
- 大きさがちょうどよい → 「1個=100mg」というキリのよさ
- 昔から広告で頻繁に使われていた → 刷り込みの力
たとえるなら、「ビタミンC業界のブランドアンバサダー」とでも言うべき存在。
実力はそこそこ、だけど知名度は圧倒的という位置づけだ。
まとめ:「レモン〇個分」って、どういう意味?
- レモン=ビタミンC のイメージは広告とイメージ戦略の勝利
- 実際はビタミンC含有量ランキングでは中堅どころ
- 「レモン〇個分」は、わかりやすく・覚えやすい単位として定着
- でもビタミンCを真剣に摂りたいなら、アセロラ・キウイ・赤ピーマンの方が強い
レモンは、いつも負け役。
だけど、私たちの記憶と食文化の中ではずっと主役なのかもしれない。

ブクブー
「ビタミンCの主役じゃなかったブー…でもレモンの“演技力”は一流だブー!」
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