
「ふぉれってなんだブー(笑)」「あの口笛いるブー?(笑)」
ぺこぱ・松陰寺太勇が放つ独特な口調と動きに、誰もが一度はツッコミたくなったことがあるはずだ。
キザな口調、クラシカルな決めゼリフ「時を戻そう」、ロンリネス、口笛、そして不自然なほど芝居がかったポーズ。
だが不思議なのは、それが滑稽さよりも“クセになる魅力”を帯びていることである。
今回はNEWS OFF流に、松陰寺太勇の“カッコつけ芸”をただのギャグとして片付けず、
なぜそれが成立しているのか?
なぜ本人は「カッコいい」と思って演じているのか?
モチーフはどこにあるのか?
という視点から、マスコットのブクブーとともに考察していこう。
【1】「キザ」は“笑いの不安定さ”を武器にできる
まず前提として、キザな振る舞いというのは、
松陰寺はこの“危うさ”をあえて全開にしている。 つまり、

「たしかに…ちょっとでも照れたら“イタい”けど、全力だと逆に笑えるブー!」
その真顔とガチポーズ、どこかロマンチックな言葉選び。 滑稽さと真剣味がせめぎ合うこの空間に、観客は“笑いのゆらぎ”を感じてしまう。
【2】口調の変化=“キャラと現実”の往復装置
松陰寺の特徴のひとつに、“台詞に入ると急に口調が変わる”という現象がある。
普段は普通の語り口だが、漫才に入ると、
この“スイッチ感”こそが、
つまり、観客は、

「なんか、舞台役者とコントの中間みたいブー…」
この演出感があるからこそ、あのキザは“笑っていいんだ”と受け止められる。
【3】「時を戻そう」は“現代版・浪漫主義”である
2019年のM-1以降、世に浸透した名台詞「時を戻そう」。
これは単なる“逆ギレ芸”や“台詞ギャグ”ではなく、
ここには、文学でいう“ロマン主義”のエッセンスがある。
それが「時を戻そう」なのである。

「やってることはギャグだけど、言ってることはちょっと切ないブー…」
【4】モチーフは“ホスト文化×ビジュアル系×昭和テレビ”!?
では、あの見た目・振る舞い・語彙のモチーフはどこにあるのか?
NEWS OFF的に分析すると、主に3つの文化圏がベースとなっている。
2. 昭和・平成初期のテレビヒーロー(口調・ポージング)
3. ホスト系の語り口と“キャラを貫く”精神
松陰寺はこれらを絶妙に混ぜ合わせ、“パロディの塊”として成立させている。
つまり、オリジナリティとは逆に、
【5】“笑われること”にすら美学がある
お笑い芸人として、“笑わせる”のではなく“笑われる”立ち位置。
そこにコンプレックスやナルシシズムをあえて持ち込むことで、 松陰寺は「カッコつけて滑ってる人」ではなく、

「ナルシストなのに、好かれてるって珍しいブー…」
これは、“本気でやってるフリ”をする技術の高さがなせる技だ。
【まとめ】
ぺこぱ・松陰寺太勇のキャラクターは、
- キザの過剰演出
- 独自の言語美学
- 昭和〜ビジュアル系〜ホスト文化の混合
という、極めて複雑なレイヤー構造の上に成り立っている。
それは、笑われながらも真剣。嘘っぽいけど、なぜか惹かれる。
NEWS OFF的に言えば、
松陰寺は、実際には“時を戻す”ことはできない。でも、“時を笑って振り返るためのキャラ”を持っている。
それこそが、現代社会における“ロマン”なのかもしれない。
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