3月10日はなぜ「マリオの日」?──“言葉遊び”が生んだ記念日と公式を動かしたファンの熱量

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3月10日は「マリオの日(Mario Day)」である。
世界一有名な配管工を祝う日として、近年ではこの日に合わせて任天堂から関連ソフトの最新情報が発表されたり、各種キャンペーンが行われたりすることが恒例となっている。

しかし、日本のゲームファンにとって、この日付は少し奇妙に映るかもしれない。初代『スーパーマリオブラザーズ』がファミリーコンピュータで発売されたのは1985年の「9月13日」であり、3月10日はマリオの歴史的な節目というわけではないからだ。

なぜ、この日が選ばれたのか。

そのルーツは日本ではなく、海を越えたアメリカのインターネット・カルチャーにあった。

本稿は、「マリオの日」に隠された英語圏特有の文字遊びと、ファン発信の文化が公式(任天堂)を動かした異例のプロセスについて解き明かすレポートである。


第一章:「Mar.10」が引き起こす視覚的トリック

3月10日がマリオの日となった理由。それは、英語圏における日付の表記方法と、一種の「タイポグラフィ(文字デザイン)の遊び」によるものである。

  • 「March 10」の略称
    • 英語で3月10日を略して表記する場合、「Mar. 10」となる。
    • これを特定のフォントで書き、空白を詰めて大文字で並べてみるとどうなるか。
    • MAR 10MAR10MARIO
    • おわかりだろうか。「1」を「I(アイ)」、「0」を「O(オー)」に見立てることで、日付の文字列がそのまま「MARIO(マリオ)」という名前に読めるのである。
  • 英語圏ならではの発想
    • 日本では「3月10日」や「3/10」と表記するのが一般的であるため、この視覚的トリックは生まれ得ない。アメリカなど、英語圏のファンだからこそ気づくことができた、極めてユニークな言葉遊び(Leet表記の一種)なのである。
ブクブー
ブクブー

「ええーっ!『MAR10』でマリオって読めるんだブー!?数字とアルファベットが合体するなんて、暗号みたいでカッコイイブー!」


第二章:ファン文化からの「逆輸入」と公式認定

さらに興味深いのは、この記念日がどのようにして定着したかというプロセスである。

  • 発端は草の根のファンコミュニティ
    • 日本の企業や団体が定める「〇〇の日」(例:ポッキーの日、いい肉の日など)の多くは、メーカー側がプロモーション目的で制定し、日本記念日協会などに登録する「トップダウン型」が主流である。
    • しかしマリオの日は、アメリカのファンたちの間で自然発生的に囁かれ始めた「ボトムアップ型」の記念日であった。SNSやネット掲示板を通じて、「MAR10はマリオの日だ」というミームが徐々に広がっていったのだ。
  • 2016年、任天堂が「公認」
    • このファンの熱量に呼応したのが、本家であった。
    • 2016年3月10日、アメリカ任天堂(Nintendo of America)が公式SNS等で“Celebrate Mar. 10 – Mario Day!”というタイトルの記念動画を投稿した。
    • これを皮切りに、任天堂の公式が正式に3月10日を「マリオの日」として認定・活用するようになった。つまり、ファンが作った非公式な文化を、企業側が公式なものとして「逆輸入」した稀有な成功例なのである。
ブクブー
ブクブー

「ファンが勝手に始めたお祭りを、公式が『それいいね!』って認めてくれたんだブーね。任天堂の懐の深さを感じるブー!」


終章:世界共通言語としての「MARIO」

結論として、3月10日がマリオの日である理由は、「Mar.10がMARIOに見えるから」という英語の視覚的トリックと、それを愛した「海外ファンの遊び心」の結晶であった。

日本で生まれた一つのキャラクターが、英語圏の文字遊びによって記念日を与えられ、それが逆輸入されて世界的なお祭りの日として定着する。

「MAR10」という文字列は、マリオという存在が国境や言語の壁を越え、真の意味で「グローバルなポップアイコン」となったことを証明する、最も美しい言葉遊びと言えるかもしれない。

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