2026年5月19日、気象庁から6月〜8月にかけての「夏の3か月予報」が発表された。
結論から言えば、今年も我々は過酷な夏を覚悟しなければならない。沖縄から北海道まで、全国的に気温は「平年より高い」と予想されており、昨年まで3年連続で続いた記録的な猛暑が、今年も繰り返される見通しだ。
かつて、日本の気象において「エルニーニョ現象」は冷夏をもたらすサインとされていた。しかし、今年の予報はその常識が過去のものになったことを突きつけている。
本稿は、最新の気象データから見えてくる「エルニーニョでも暑い理由」と、夏本番を前に警戒すべき大雨や台風のリスクについて分析するレポートである。
第一章:今年も全国的な猛暑──「酷暑日」と梅雨時の熱中症
気象庁の発表によれば、6月から8月の月別気温は、8月の北海道が「平年並みか高い」以外、全国的にすべての月で「平年より高い」予想となっている。

- 梅雨入り前からの危険な暑さ
- 今年はすでに猛暑日を観測するなど、暑さの訪れが早い。6月上旬までには東日本・西日本で梅雨入りを迎えるとみられるが、今年は「梅雨の時期から高い気温が続く」と警告されている。湿度が高く、体が暑さに慣れていない時期の高温は、熱中症の危険を極端に引き上げる。
- 40度以上の「酷暑日」への警戒
- 夏本番になれば、最高気温が40度を超える「酷暑日」が発生することも予想されており、今年も最大級の熱中症対策が不可避な情勢だ。

「ええーっ!もう梅雨の時期から暑いんだブー!?ジメジメしてて暑いなんて、サウナの中で生活するようなもんだブー…。」
第二章:なぜ「エルニーニョ=冷夏」の方程式は崩れたのか?
今回の予報で最も注目すべきは、気象庁が「今年夏までにエルニーニョ現象が発生する確率が90%と高い」としながらも、猛暑を予想している点である。

- エルニーニョ現象とは
- 太平洋赤道域の東風(貿易風)が弱まることで、南米沖の海面水温が平年より高くなる現象である。通常、これが発生すると日本付近の夏の高気圧が強まらず、「冷夏・長雨」になりやすいとされてきた。
- 温暖化と気圧配置の“上書き”
- しかし現在、地球温暖化の影響により、地球全体の大気の温度(ベースライン)が底上げされている。
- さらに今年は、上空を吹く「偏西風」が日本よりやや北を流れ、太平洋高気圧が北へ強く張り出す予想となっている。
- つまり、エルニーニョによる「冷夏効果」を、地球温暖化と南からの暖気流入という「猛暑効果」が完全に凌駕(上書き)してしまっているのである。

「昔の理科の授業で『エルニーニョ=涼しい夏』って習ったのに、今は地球全体が暑すぎてそのルールが壊れちゃったんだブーね…。」
第三章:平年並みの降水量に潜む「台風の牙」
夏のもう一つの脅威である雨について、3か月の平均降水量は全国的に「ほぼ平年並み」と予想されている。しかし、ここにも大きなリスクが潜んでいる。

- 梅雨末期の豪雨
- 平年並みとはいえ、梅雨末期(7月上旬〜中旬)は1年で最も大雨災害が多発する時期である。梅雨前線に向かって暖湿気が流れ込むことによる局地的な大雨には、依然として厳重な警戒が必要だ。
- 海面水温の上昇と「発達する台風」
- エルニーニョ現象やモンスーンの強化により、フィリピン東方から太平洋中部の海域では積乱雲が発達しやすく、台風の発生につながりやすい。
- さらに恐ろしいのは、海面水温が高いため、台風が発生した後に勢力が弱まるまでに時間がかかることだ。高気圧の張り出しが弱まるタイミングと重なれば、勢力を保ち発達したままの台風が日本列島に直撃するリスクが高まると指摘されている。
終章:今すぐ始める「命を守る夏じたく」
結論として、2026年の夏は「息苦しいほどの酷暑」と「凶暴化した台風・大雨」という、最悪の組み合わせを想定して動かなければならない。
気象庁の発表を待ってから動くのでは遅い。私たちが今すぐ取り組むべきは以下の3点である。

- 暑熱順化(しょねつじゅんか)の開始: 今のうちから適度な運動や入浴で意識的に汗をかき、体が熱を逃がせるよう「夏仕様」へとアップデートしておく。
- エアコンの試運転と清掃: 夏本番になって故障に気づいても、修理業者は数週間待ちになる。今週末にでも冷房が正常に稼働するかテストすべきである。
- ハザードマップと防災グッズの再点検: 梅雨入り前に、自宅や職場の水害・土砂災害リスクを再確認し、非常用持ち出し袋の中身(特に保存水)を点検する。
「今年は冷夏かもしれない」という淡い期待は、完全に捨て去るべきだ。
過酷な夏は、すでに足音を立ててすぐそこまで迫っている。


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