“りくりゅう”、氷上で交わした新たな誓い──7年間の軌跡と引退後「人生のペア」というゴール

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2026年8月23日、日本のフィギュアスケート界、そして多くのスポーツファンに心温まるニュースが届いた。
今年のミラノ・コルティナ冬季五輪で日本ペア史上初の金メダルを獲得し、その後現役を引退した「りくりゅう」こと三浦璃来(24)と木原龍一(34)が、それぞれのSNSを通じて婚約を発表したのである。

公開された写真には、アイスリンクの上で木原が片膝をつき、三浦に指輪を差し出すロマンチックなプロポーズの瞬間が収められていた。場所は名古屋市の「邦和みなとスポーツ&カルチャー」。2019年、二人が初めて手を取り合い、ペアを結成した“原点のリンク”である。

「嬉しい時も、辛い時も、たくさんの時間を共に過ごし、支え合いながら歩んできました。いつしか、お互いにとってかけがえのない、なくてはならない存在となりました」

本稿は、二人の出会いから金メダルへの劇的な道のり、そして「命を預ける競技パートナー」から「人生の伴侶」へと関係性を深めていった7年間の軌跡を解き明かすレポートである。


第一章:「話しかけづらい」からのスタート

ファンの間では以前から「夫婦のよう」と仲睦まじい姿が話題になっていた二人だが、決して最初から運命的な恋人同士だったわけではない。

  • 三浦の勇気が生んだ結成
    • 2019年8月。当時17歳の若手スケーターだった三浦が、前のパートナーとのペアを解消し、ケガで治療中だった木原(当時27歳)に「一緒に滑りませんか」と声をかけたのがすべての始まりだった。
      すでに五輪を2度経験していた9歳上の木原に対し、三浦は当初「話しかけづらい」という印象を持っていたという。木原もまた、三浦の存在は知っていたものの、ほとんど会話をしたことがなかった。
  • 真逆の性格がもたらした補完関係
    • しかし、氷上で滑り出した瞬間、二人の才能は見事に噛み合った。三浦のスピード感ある滑りが木原の滑りを変え、慎重で真面目な木原と、楽観的な三浦の性格は、互いを補完し合う関係を構築していった。
ブクブー
ブクブー

「ええっ!最初は『ちょっと怖い先輩』みたいな距離感だったんだブー!?それが今や一生のパートナーになるなんて、まさにドラマだブー!」


第二章:「命を預ける」という特別な信頼

フィギュアスケートのペア競技は、単に息を合わせて踊るスポーツではない。

  • 肉体と恐怖の共有
    • 女性を頭上高く持ち上げるリフトや、空中へ放り投げるツイストリフトなど、一歩間違えれば大怪我に直結する危険な技の連続である。
      女性は「相手が必ず受け止めてくれる」と命を預け、男性は「相手の姿勢やスピード」を瞬時に感じ取って身を呈して守らなければならない。
  • 恋愛感情だけでは作れない「信頼関係」
    • ペア競技における信頼は、「好き」という恋愛感情だけで成立するほど甘いものではない。毎日の練習で安全を守り、怪我の痛みや大舞台のプレッシャーを共有し合う。
    • 二人は交際を始めた時期や、競技生活のどの段階で関係が変化したのかを公表していない。ただ、その長く過酷な共同作業の中で培われた「絶対的な信頼」が、やがて競技の枠を越え、互いを「なくてはならない存在」と感じる関係へつながっていったのかもしれない。
ブクブー
ブクブー

「命がけのスポーツを一緒にやってきた二人だからこその、特別な絆があるんだブーね。普通の人には絶対に分からない世界だブー…!」


第三章:絶望のSPから「世界新」への大逆転

彼らの関係性が最も美しく、そして劇的に現れたのが、現役最後の舞台となった2026年2月のミラノ・コルティナ五輪である。

  • どん底からのリカバリー
    • 前半のショートプログラム(SP)で、得意のリフトに痛恨のミスが出て5位に沈んだ。木原は大きく気持ちを崩したという。しかし、その危機を支えたのは、かつて木原に声をかけた9歳下の三浦だった。
    • 三浦は翌日のフリーへと気持ちを切り替え、落ち込む木原を支えた。
  • 歴史に刻まれたフリー
    • 迎えたフリースケーティング。二人はこれまでの7年間のすべてをぶつけるかのような圧倒的な演技を披露し、世界歴代最高得点となる158.13点をマーク。大逆転で日本勢初の金メダル、そしてゴールデンスラムという大偉業を成し遂げた。
    • 一人が落ち込んだ時、もう一人が引き上げる。それこそが、りくりゅうの強さの真髄であった。

第四章:金メダルの先にある「未来のリンク」

五輪後、二人は同時に現役引退を発表した。三浦はまだ24歳であり、別のパートナーと組んで競技を続ける道もあったはずだ。しかし結果として三浦は、別の相手と競技を続けるのではなく、「りくりゅう」として木原と同じ時期に競技人生を終えた。

そして現在、二人はペア競技の普及を目指してアイスショーをプロデュースするなど、氷上での新たな活動を共に続けている。

  • 原点のリンクでのプロポーズ
    • 木原の34歳の誕生日翌日である8月23日、二人は婚約を発表した。
    • 公開された写真が撮影されたのは、二人が7年前に「競技のペア」となることを決めた名古屋のリンク。今度は木原が膝をつき、「人生のペア」となることを申し込む姿が収められていた。なお、実際にプロポーズが行われた日時は公表されていない。

終章:美しい物語の“第2章”

結論として、りくりゅうの婚約は、単なる「スポーツ選手の職場恋愛」ではない。
それは、「互いの命を預け合い、数々の怪我や絶望を乗り越え、世界最高峰の頂に立った二人の人間が、氷を降りた後も互いを最も必要とした結果」である。

もちろん、競技上の信頼がいつ恋愛感情へ変わったのかは、二人にしか分からない。過去の演技や言葉のすべてを、後から「恋人同士だったから」と読み替えるべきでもない。

それでも、「うれしい時も、つらい時も、支え合いながら歩んできました」という彼らの言葉は、これまでの競技生活を振り返るものであると同時に、これからの人生における最高の誓いでもある。

氷上で数え切れないほどの感動をくれた二人が、今度は人生というリンクでどのような美しい軌跡を描いていくのか。日本中が温かい拍手とともに、その第2章の開幕を見守っている。

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