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“ひろみちおにいさん”に何が起きたのか?──突然体が動かなくなる「脊髄梗塞」と、今も続く後遺症

健康
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テレビの前の子どもたちと一緒に、元気に体操をする。
「ひろみちおにいさん」こと佐藤弘道さんの、そんな姿を覚えている人は多いだろう。

その佐藤さんが、2024年6月に脊髄梗塞を発症した。下半身が動かなくなり、入院。リハビリを経て歩けるようになったが、今も後遺症と向き合っている。

2026年10月27日の公式ブログやインスタグラムでは、検査で悪化がなかったことを報告する一方、歩行障害や排泄障害などの後遺症が続いていると説明した。そして、座る、立つ、歩く、トイレに行くといった日常の動作を挙げ、その大切さを伝えた。

あれほど体を自在に動かせた人に、何が起きたのか。

本稿は、佐藤さんが語った発症の経緯をたどり、脊髄梗塞の仕組みと、回復しても残り得る後遺症を分かりやすく整理するレポートである。


第一章:最初の異変は、出発前の左足にあった

発症したのは、2024年6月2日。 佐藤さんは、仕事で鳥取へ向かう予定だった。

後に語った体験によると、異変は飛行機に乗る前から始まっていた。

  • 朝、左足にしびれを感じた
    • 起床時から左足がしびれ、荷物を運ぼうとした際には転倒した。それでも、その時点では仕事へ向かう支度を続けた。
  • 空港で腰の痛みが強くなった
    • 羽田空港に着いてから気分が悪くなり、腰の痛みも増した。機内では体を丸め、痛みに耐えていたという。
  • 到着時には、立とうとしても足が動かなかった
    • 着陸後は車いすを利用し、現地の病院へ。診察と検査を受け、脊髄炎や脊髄梗塞の可能性を告げられた。

同月13日には、脊髄梗塞によって下半身麻痺となり、歩けなくなったことと、活動を一時休止することを公表した。

ここで区別したいのは、移動中に症状が進んだことと、飛行機が原因だったということは別だという点である。発症の場面だけで、その原因が分かるわけではない。

ブクブー
ブクブー

「ええっ!朝起きた時の『ちょっとしたしびれ』から、数時間で足が動かなくなるなんて怖すぎるブー…!」


第二章:脊髄梗塞は、背骨の中で何が起きる病気なのか

脊髄は、背骨の中を通る神経の組織である。
脳と体の間で、運動や感覚に関する情報を伝え、排尿・排便などにも関わっている。

その脊髄も、働き続けるためには、血液によって酸素や栄養を受け取る必要がある。

  • 血流が不足し、神経組織が傷つく
    • 脊髄梗塞は、脊髄への血液供給が妨げられ、組織が壊死する病気である。脳梗塞が脳で起きるのに対し、脊髄で起きる梗塞と考えると分かりやすい。
  • 傷ついた場所によって、症状が変わる
    • 手足の力が入らなくなる麻痺や、痛み・温度などの感覚の障害、膀胱や腸の働きの障害などが起こり得る。現れる症状は、障害の位置や広がりによって異なる。

体を動かすには、筋肉だけでなく、そこへ指令を伝える神経も必要になる。
筋肉があっても、神経の働きが損なわれれば、思ったとおりには動かせなくなるのである。


第三章:なぜ、運動能力の高い人にも起こるのか

佐藤さんの発症に驚く理由の一つは、健康的で、運動能力にも優れた姿を知っているからだろう。

しかし、脊髄梗塞は、筋力不足や運動の不得意さによって起きる病気ではない。

  • 関係するのは、脊髄への血液供給
    • 一般に、大動脈や脊髄を養う血管の病気、血圧の大きな低下など、血液が十分に届かなくなるさまざまな状況が関係する。
  • 運動能力だけでは、発症の有無を判断できない
    • 筋肉を鍛えていることと、脊髄への血流が妨げられないことは、同じではない。運動が得意だから、この病気にならないとは言えない。

佐藤さん自身も、健康に気を配っており、自分が病気になるとは思っていなかったと振り返っている。

もちろん、健康管理に意味がないという話ではない。
ただ、発症した人の生活や努力に原因を求めたり、体力があることを理由に異変を軽く見たりすることはできないのである。

ブクブー
ブクブー

「なるほどだブー!筋肉がムキムキでも、命令を伝える『ケーブル(神経)』が断線したら体は動かないんだブーね…。」


第四章:「歩けるようになった」と「元通り」は違う

佐藤さんは、発症後のリハビリを経て、再び立ち、歩けるようになった。

一方、歩いている姿を見ただけでは分からない困難も残っている。
過去のインタビューでは、下半身のしびれや、熱さ・冷たさ・痛みを感じにくいこと、バランスを取りながら歩いていることを説明している。

  • 歩行には、筋力以外の働きも必要
    • 足を動かせることに加え、感覚を受け取り、姿勢を調整することも、安定して歩くために重要になる。
  • 排泄の困難は、外から見えにくい
    • 歩けるようになっても、排尿・排便に関わる神経の障害が残ることがある。歩行の回復だけで、生活全体の状態を判断することはできない。
  • 回復の程度や経過には個人差がある
    • 脊髄梗塞後の回復は一様ではない。リハビリでは、機能の改善を目指すことに加え、残る機能や補助具などを使い、日常生活でできることを増やしていく。

ご本人の「治らない」という言葉は、後遺症が続く生活の実感として受け止めたい。

その一方で、神経の損傷が残ることと、動作や生活機能が改善することは両立する。歩けるようになったことも、今なお不自由があることも、どちらも現在の姿なのである。

ブクブー
ブクブー

「『歩いてるからもう大丈夫』じゃないんだブーね。見えないところでずっと不便さと戦い続けてるんだブー…。」


終章:回復した姿の向こうにも、日常は続いている

ひろみちおにいさんの体に起きたのは、筋肉の衰えではなく、脊髄への血液供給が妨げられ、神経が傷つく病気だった。

リハビリによって歩けるようになったことは、大きな変化である。
しかし、それだけで発症前の感覚や排泄の働きまで、すべて戻ったとは限らない。

佐藤さんが伝えた、座る、立つ、歩く、トイレに行くという日常の動作。
その一つひとつは、普段意識しない神経の働きにも支えられている。

元気に活動している姿を喜ぶことと、見えない困難が続いていると理解すること。
その両方を持って接することが、今回の発信を受け止める一歩になる。

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