セルフレジの万引きは、なぜ見つかる?──「我が家」杉山さんの書類送検、会計を見守る人と技術

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お笑いトリオ「我が家」の杉山裕之さん(49)が、東京都目黒区のスーパーで食料品を万引きした疑いで、2026年10月14日に書類送検された。

杉山さんは9月15日、セルフレジでウインナーなど食料品7点のバーコードを読み取らせず、袋に入れて持ち去った疑いがある。調べに対し、収入が減って不安になり、お金を残したい気持ちがあったと話し、容疑を認めているという。

発覚のきっかけは、従業員による確認だった。モニターで不審な動きに気づき、店を出たところで声をかけた。

セルフレジは、利用者自身が商品を読み取り、支払う仕組みである。
目の前に店員が立っていないため、「商品を通さなくても気づかれないのでは」と思う人もいるかもしれない。

しかし、利用者に会計操作を任せることと、店が確認をしなくなることは別である。

本稿は、今回の事件を入口に、セルフレジでの会計を人と技術がどのように見守り、登録漏れや不正の確認につなげているのかを解説するレポートである。


第一章:セルフレジは「誰も見ていないレジ」ではない

スーパーのセルフレジには、いくつかの方式がある。
店員が商品を登録し、支払いだけを利用者が行う方式もあれば、商品登録から支払いまで利用者が行う方式もある。

今回使われていたのは、利用者自身が商品を読み取るレジだった。

この方式では、店員が一人ずつ全商品を扱う必要はなくなる。
一方、操作の案内、年齢確認、エラーへの対応、会計状況の確認といった仕事は残る。

  • 目の前にいなくても、確認は続いている
    • 従業員はレジ周辺やモニターなどから、利用者の操作を確認する場合がある。杉山さんの件でも、従業員がモニターで不審な動きに気づいたことが、発覚につながった。
  • カメラは、その場の確認と記録を支える
    • 防犯カメラは、不審な動きに気づくためだけでなく、何が起きたかを後から確認するためにも使われる。映像が残ることは、事実関係を調べる際の手がかりになる。

セルフレジでは、店員の役割がなくなるのではなく、商品を一つずつ読み取る仕事から、会計の支援や確認へと変わる。

店員がすぐ隣に立っていないことは、会計が誰にも確認されていないことを意味しない。

ブクブー
ブクブー

「ええっ!店員さんが立ってないから見られてないと思ってたけど、遠くからモニターでしっかりチェックされてたんだブー!」


第二章:機械は、何を確認しているのか

人による確認に加え、機器やシステムで登録漏れを見つける技術もある。

店舗ごとに導入設備は異なるが、代表的なのが重量の確認や、映像を使ったスキャン漏れの検知である。

  • 重量などから、商品登録との食い違いを確認する
    • 商品登録と、実際に置かれた商品の状況を照らし合わせる仕組みがある。東芝テックも、重量検知機能を備えたカート型レジを、登録漏れやミススキャンへの対策として紹介している。
  • 映像から、未スキャンの動きを検知する
    • 東芝テックのフルセルフレジ向けシステムは、商品をスキャンせずに袋詰めする行為を検知し、従業員の確認を支援する。検知した内容は電子記録にも残され、状況の判断に役立てられる。
  • 精算が完了したかを確認する
    • 支払い漏れへの対策も進んでいる。未精算のままセルフレジから立ち去る動きを検知し、従業員へ知らせるシステムも提供されている。

これらは、会計中の動きと登録・精算の状況を照らし合わせ、確認が必要な場面を見つけるための技術である。

今回の店舗が導入していた機器の詳細は明らかになっていないが、セルフレジの防犯は、人の目に加えて、こうした技術によっても支えられている。

ブクブー
ブクブー

「スキャンしてないのに袋に入れたり、重さがおかしかったりすると、機械が『ちょっと待った!』って店員さんに知らせるんだブーね。ハイテクだブー!」


第三章:スキャン漏れだけで、犯罪と決まるわけではない

セルフレジでは、故意の不正だけでなく、操作ミスによる商品登録漏れも起こり得る。
バーコードを読み取ったつもりでも、実際には登録されていなかったという場合もある。

東芝テックも、セルフレジの普及に伴う課題として、万引きとともに操作ミスやミススキャンを挙げている。

そのため、機械が知らせる「確認が必要な動き」と、故意に商品を持ち去ろうとした行為は、同じではない。

  • 機械が、確認のきっかけを作る
    • 商品の移動と登録状況に食い違いがあれば、従業員が確認する理由になる。ただし、それだけで利用者の意図まで分かるわけではない。
  • 人が、操作や状況を確かめる
    • 登録画面や商品、必要に応じて映像などを確認し、利用者に説明を求める。操作を助ければ解決する場面もあれば、不正の疑いとして対応が必要になる場面もある。

検知技術の役割は、すべての利用者を犯罪者として扱うことではない。
見過ごしやすい食い違いを見つけ、人が確認できるようにすることである。

利用者にとっても、読み取り音だけでなく画面に商品が登録されたかを確かめ、不明な場合は店員に聞くことが、会計ミスを避ける助けになる。


終章:省人化は、確認をなくすことではない

セルフレジでの不正が見つかるのは、店員が商品を直接扱わなくても、会計の状況を確認する仕組みが残っているためだ。

従業員の目、防犯カメラ、登録や精算の記録、そして店舗によって導入される検知技術。
それぞれが、操作ミスや不審な動きに気づき、状況を確認するための手がかりになる。

もちろん、どの店舗でも不正を完全に防げるわけではない。今回も、商品を持ち去った疑いのある行為を、従業員が確認したことで発覚した。

セルフレジは、会計を利用者に任せながら、店側が支援と確認を続ける仕組みである。

私たちが自分でバーコードを読み取っている間も、店舗の管理が止まっているわけではない。省人化とは、確認を手放すことではなく、人と機械の役割を組み替えることなのである。

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