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ドコモの通信障害は復旧、でも情報流出は別問題?──5G SAの「輻輳」と、最大30万件の不正アクセスを整理する

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「ドコモの通信障害が復旧した」
「ドコモで最大約30万件の顧客情報が流出した」

同じ会社に関するニュースが続けば、一つの出来事だと思うかもしれない。
さらに、通信障害については「サイバー攻撃を示す事象は確認されていない」と説明されている。では、不正アクセスがあったというニュースとは、どうつながるのか。

今回、分けて理解する必要があるのは、携帯電話の通信サービスと、オンラインで契約手続きを行うサービスである。

本稿は、ドコモが発表した二つの事象を整理しながら、通信障害の原因とされた「輻輳」の意味と、情報流出への対応が別に続く理由を解き明かすレポートである。


第一章:約14時間の通信障害──対象は「5G SA」の契約者

ドコモによると、通信障害は11月5日午前11時18分ごろに発生し、翌6日午前1時20分に復旧した。
約14時間にわたり、全国で音声通話、データ通信、SMSが利用しづらい状況になった。

ただし、ドコモの利用者全員に影響が出たわけではない。

  • 影響があったのは、5G SAの契約者
    • 今回の対象は、5G SAサービスの契約者だった。「全国」というのは影響した地域の広がりであり、すべての契約者が対象だったという意味ではない。
  • それ以外の5Gや4Gなどには影響なし
    • ドコモは、5G SA契約者以外の5G、4G、同社回線を利用するMVNOには影響がなかったと説明している。110番や119番などの緊急通報にも、影響はなかったとしている。

5G SAの「SA」は、スタンドアローンの略だ。
4Gの設備を組み合わせる方式とは異なり、5G専用の基地局と中核設備を使う構成で、5Gの特性を生かした通信を目指すものである。

同じ「5G」という表示や呼び方でも、ネットワークの構成まで同じとは限らない。
今回の影響範囲を理解するには、この違いが重要になる。

ブクブー
ブクブー

「ええっ!『5G』なら全部ダメだったわけじゃないんだブー!?専用の回線を使ってる人たちだけが影響を受けたんだブーね。」


第二章:「輻輳」とは何か──電波が届いても、処理が詰まる

ドコモは障害の原因を、5G SA契約者を収容する「交換機の輻輳(ふくそう)」と説明した。

輻輳とは、通信や接続に関する処理が集中し、設備が十分にさばけなくなる状態をいう。
道路に車が集中して渋滞するように、通信の世界でも、途中の設備が処理の詰まる場所になることがある。

  • 携帯電話の通信は、基地局だけで完結しない
    • スマートフォンが基地局と電波でつながっても、その先では、接続先へ通信を届けるためのさまざまな処理が必要になる。
  • 処理する設備が混雑すれば、利用しづらくなる
    • そのため、電波が届いている場所でも、ネットワーク内部の処理が滞れば、通話やデータ通信などに支障が出ることがある。

ここで気を付けたいのは、「輻輳が起きた」という説明だけでは、何がきっかけだったのかまでは分からないという点だ。

利用者が一斉に通信したのか、設備や制御上の問題があったのか。
今回の復旧発表では、その詳しい経緯までは示されていない。単に「アクセスが集中したから」と、原因のすべてを説明し終えたわけではないのである。

ブクブー
ブクブー

「なるほどだブー!電波は飛んでるけど、中のコンピューターがパンクして処理待ちになってたんだブーね!」


第三章:最大約30万件の情報流出は、オンラインサービスで発生

一方、不正アクセスが確認されたのは、ドコモオンラインショップとMy docomoである。
携帯電話の電波や通信を提供するサービスとは、発表上の対象が異なる。

ドコモは11月4日に外部からの不正アクセスを確認し、5日午前1時5分ごろから、両サービスでの各種手続きを停止した。

確認された項目発表内容
情報流出の対象件数最大約30万件
流出した情報氏名、住所、生年月日、携帯電話番号、連絡先電話番号など
原因・侵入経路詳細を調査中
サービスの再開見込み11月5日午後6時30分時点の発表では未定

ドコモはアクセスを遮断し、その発表時点で新たな情報流出は確認されていないと説明した。一方、流出情報の詳しい範囲や件数は調査を続け、判明次第、対象者へ知らせるとしている。

アクセスを止めることと、すでに流出した情報の範囲を把握することは、別の作業だ。
通信サービスが復旧しても、それによって流出情報の調査まで完了するわけではない。

また、「最大約30万件」は発表された対象件数であり、確定した被害人数として読み替えないことも大切である。


第四章:「攻撃は未確認」と「不正アクセスを確認」は矛盾しない

二つのニュースを並べると、ドコモの説明が食い違っているようにも見える。
しかし、それぞれが何について述べたものかを分けると、意味が整理できる。

  • 通信障害では、攻撃を示す事象は確認されていない
    • この説明は、5G SAの通信障害についてのものだ。ドコモは、復旧発表までの調査では、発生前後を含めて不正アクセスの形跡やサイバー攻撃を示す事象は確認されていないとした。
  • オンラインサービスでは、不正アクセスと情報流出を確認
    • こちらは、ドコモオンラインショップとMy docomoに関する説明だ。通信障害についての「未確認」という発表が、こちらの不正アクセスまで否定しているわけではない。

今回確認した二つの発表では、両者の関連は示されていない。
同じ時期に起きたことだけを根拠に、一つのサイバー攻撃によるものだと結び付けることはできない。

利用者への案内も異なる。 通信が利用しづらい状態が続く場合は、端末の再起動や機内モードのオン・オフを試すよう案内されている。障害中に4Gへ設定を変えた場合は、設定を戻すよう求めている。

情報流出については、ドコモなどを装うメール、SMS、電話への注意を呼びかけている。メッセージ内のURLや添付ファイルを不用意に開かず、パスワードなどを入力・回答しないことが案内されている。


終章:「つながる」と「情報が守られる」は、別々に確かめる

今回の通信障害では、5G SAの音声通話、データ通信、SMSが利用しづらくなり、約14時間後に復旧した。
一方、オンラインサービスへの不正アクセスでは、顧客情報の流出が確認され、詳細な調査が続いている。

同じ会社から出る「復旧」の発表でも、すべてのサービスや問題が解決したという意味ではない。
何が復旧し、何が調査中なのか。その対象を確かめることで、ニュースの見え方は変わる。

スマートフォンが再びつながることと、個人情報がどこまで守られていたかを確認すること。
今回の二つのニュースは、その違いを示しているのである。

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